2005/09
第1回中国吉林・東北アジア投資貿易博覧会に参加して
所長補佐 山崎利幸(鳥取県派遣)
9月2日から6日にかけて吉林省長春市で開催された「第1回中国吉林・東北アジア投資貿易博覧会」に出展参加した鳥取県の活動支援に行ってきました。期間中の長春は晴天に恵まれ、まさに秋高気爽的季節。少し肌寒く感じるくらいの澄んだ空気とすがすがしい青空が参加者を迎えてくれました。
今回参加した博覧会は、中国政府が2003年に打ち出した「東北旧工業地域振興政策」を具体化する手段として東北地方で初めて開催された国家級博覧会でした。東北振興政策では、市場経済化の流れに立ち後れた東北地方の経済を立て直すことが第一の課題とされていますが、併せて、東北地方の特色を生かして中国の重化学工業の競争力を世界的なレベルにまで向上させることも目標とされています。このような政府の方針によって、東北地方は経済発展に向けた潜在能力を持つ地として注目を集めてきており、今回の博覧会も吉林省としては過去になく盛大なものとなりました。主催者の発表によると、出展者及び会議への参加者は3万人を超え、海外からも46カ国・地域の4千人余りが来訪、入場者数は20万人に上ったそうです。
鳥取県のブースでは、観光PRのほか県内企業の商品PRや輸出入の商談、アンケートによる市場調査を行いました。期間中、商談は全体で191件行われ、アンケートも約260件を集め、今後の展開に向けたよい情報収集ができました。ただ、実際の取引ということになると、価格や中国への輸入規制などまだまだ多くの課題が残っており、中小企業の対中ビジネスの開拓にはいっそうの努力が必要だということも再認識させられました。
また、私の今回の仕事は、鳥取県の酒造会社の商品PR、興味をもった人との商談、そして日本酒の試飲アンケートだったのですが、来場者の日本酒への反応には少し興味深いものがありました。中国の北方では白酒(バイジョウ)と呼ばれるアルコール度数の高い酒がよく飲まれるのですが、今回のアンケートではこの酒と日本酒を比較する傾向が強くありました。しかも「白酒より度数が低くて飲みやすいね」とか「大したことないな、白酒は50度もあるぜ!」といった反応で、当然と言えば当然ですが、日本酒に親しんでいる日本人より感想がとても単純なものでした。
中国の東北地方は大連を除くとまだまだ日本企業の進出が少なく、日本料理屋の数も吉林省の省都長春でさえ数える程度。日本の食文化はまったくといっていいほど一般には知られていませんでした。しかも「日本酒を飲んだことがある」と回答した人でも、その酒の多くは中国生産のいわば安酒のため、試飲に出した酒の日本での市場価格を言うと「たっけー!(そんな感じの中国語)」と驚いていました。こうした背景のもとではどんなにうまい酒を売り込んでも広く受け入れられるはずはなく、ただただ物珍しさだけが関心の種となるにすぎません。
中国の地方都市でも中高所得者層が増えているとは言われるものの、日本の食に対する関心が高まらない限り、日本産のうまい日本酒に対する需要は高まらないのではないでしょうか。こうした意味において、日本の自治体が中国の地方政府と協力して日本をもっと理解してもらう努力を払うことは、新たなビジネスチャンスを作り出すことにつながるのかもしれません。

開会式には呉儀副首相も参加

日本酒の展示の様子

鳥取の名産二十世紀梨も大好評
<参考>
静岡県上海駐在員事務所が上海市内の日本料理店、日本酒取扱小売店を対象に「上海における日本酒販売の実態」という興味深い調査をしていらっしゃいます。
興味のある方はこちらから→http://www.shizuokash.com/contant.asp?id=20050513095218

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