2005/06
友好都市提携の新たな展開〜「2005四川国際友好都市協力と発展ウィーク」出張報告〜
所長補佐 宇野和彦(京都府派遣)
2005年5月23日(月)〜24日(火)、四川省成都市において「2005四川国際友好都市協力と発展ウィーク」が開催された。四川省人民政府が主催し、四川省と友好都市関係を結ぶ16ヶ国18地域の代表団が参加した同イベントは、単なる二都市間交流にとどまらず、四川省を中心とした各友好都市間の包括的な経済貿易協力の促進、国際旅行の発展を目的に開催された。
日本からは、同省の友好都市である山梨県から、長谷川出納長をはじめ、経済交流推進に向け成都事務所を設置する甲府商工会議所代表団、広島県からは、石本秘書広報総室長をはじめ、四川大学との交流を進める広島大学代表団も参加し、両県の四川省との交流に対する意気込みが感じられた。友好都市を一同に招き実施されるイベントは、日本でもしばしば見受けられるが、今回のように各都市が包括的に貿易相談会や観光紹介セミナーを行うのは極めてまれであり、先進例としての開催意義は大きいと考えられる。
イベントの内容としては、初日に開幕式と四川省と各友好都市の交流に関する写真展、2日目に友好都市フォーラム、貿易相談会、観光紹介セミナー、プロジェクト調印式がそれぞれ行われた。友好都市フォーラムでは、各都市がそれぞれ約10分間、各都市の概要、重点施策などについて説明し、観光紹介セミナーでは、旅行業界関係者出席のもと、各都市の観光説明、ビデオ上映が行われた。今回の目玉とも言えるプロジェクト調印式では、四川省と各友好都市との間で11項目の協定の調印が、四川省省長をはじめ参加者の見守る中、執り行われた。
イベント翌日、地元有力紙である成都日報は、「調印式では,文化教育交流,科学技術協力,旅行紹介,貿易,政府借款,直接投資など多くの分野で11項目の協定が締結された。その中には、日本国際協力銀行と広島県の協力によって当省に対して提供される65億円の円借款を使った長江上流生態環境総合整備事業への協力が含まれている。」と報じていた。日本のODAを使用する長江上流生態環境総合整備事業は、日本国際協力銀行が、中国政府からの要請に応え、生態環境の悪化する四川省長江上流地域への植林・植草、植林保護等を支援することを決定、植林事業に実績があり友好都市でもある広島県が、準備段階からこのプロジェクトに積極的に協力を続けてきたものである。かねてより、日本から中国に対するODAについて、中国国内での報道が少ないことが問題視されてきたが、今回地元有力紙により大きく報道されたことは、今後の日中交流・協力の推進に非常に意義のあることといえる。
また、成都市には広島・四川中日友好会館が存在する。広島県・四川省の共同出資で設立された同会館は、中国内陸部における日本に関する情報発信基地であるとともに、在留邦人と日本に関心を持つ中国青年との交流の場となっている。同会館内では、多くの学生が日本への留学を目指して日本語の勉強に励んでおり、今後の日中友好を担う青年が熱心に日本語学習に取り組む姿は、日中交流の明るい未来を想像させるに十分であった。
今回行われたイベントは、包括的な友好都市間交流、いわゆる多地域間交流へのモデルケースとなりえるものであるとともに、山梨県・広島県が四川省と行う友好交流は日中地域間交流の1つのモデルであるといえる。
※関連サイト「広島県と四川省の友好の窓」http://hiint.hiroshima-ic.or.jp/shisen
※関連資料 国際協力銀行発行リーフレット
「広島県・四川省・国際協力銀行〜連携の足跡と未来〜」(PDFファイル)

協定の調印式の様子

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