日本国自治体国際化協会北京事務所
Council of Local Authorities for International Relations(CLAIR),BEIJING


 トピックス

2006/2

新たな交流の扉を開く〜札幌市・瀋陽市友好提携25周年記念事業〜

次長 池田 重幸(札幌市派遣)

四半世紀を迎えた友好提携

 今年、札幌市と瀋陽市は友好都市提携25周年を迎えました。クレア北京事務所では、札幌市の依頼を受けて、瀋陽市で開催された記念事業の支援を行いましたので、その概要について報告します。

 札幌市は、日本で5番目の人口187万人を擁する商業都市で、北海道の政治、経済、文化、交通の中心都市です。明治維新(1868年)後に開拓によって発展した比較的新しい街ですが、冬季オリンピックの開催や「雪まつり」などで世界的にも有名です。一方、瀋陽市は、人口約730万人の重工業都市で、遼寧省の省都です。東北地方の政治、経済、文化、交通の中心都市であり、清国最初の都でもあった、古い歴史をもった街です。

 両市は、1972年の日中国交正常化以降、ゆかりのある人たちを中心に友好提携への機運が盛り上がり、札幌からは当時の板垣武四市長はじめ経済界や市民グループの瀋陽訪問、瀋陽からは「中日友好の船」一行の札幌訪問などを経て、1980年11月18日、当時の宋光瀋陽市長を団長とする友好代表団が札幌を訪問し、友好提携の調印が行われました。

 以来25年間に渡って、文化交流、スポーツ交流、技術交流など両市民による地道ながら積極的な交流を通して、お互いの絆を深めてきました。

 

友好交流を基盤に新たな展開

 今回の友好提携25周年記念事業では、札幌市から上田文雄市長はじめ市議会、経済関係団体、市民文化活動団、水道局など総勢約200人の大規模な訪問団が瀋陽市を訪問し、25周年を祝うとともに、多彩な交流を展開しました。行政、市民、そして経済団体が一体となった形での友好交流団というのは、今回が初めてのことです。

 特に、今回の記念事業の特長は、今までになく、経済交流に力を入れている点でした。商談会の開催、両市の経済関係機関による経済協定調印、観光PRのDVD上映、札幌の経済や観光のパネル展、開発区の視察などを行いました。

 商談会には、北海道内の日本企業17社が商談ブースを設け、中国企業50社が参加して、具体的な商談を行いました。また、北海道を代表する2つの銀行のトップが今回の交流団に参加して、瀋陽市経済関係機関と経済協定を締結しました。今後、道内企業の瀋陽進出や輸出入取引などに対するサポート体制がさらに充実することが期待できます。

 また、札幌の最新情報を瀋陽市民に知ってもらい、また市民同士の交流を深めてもらうために「サッポロ・デー」を開催しました。上田文雄市長が講師となって「札幌市民セミナー」を開催したり、両市民による「日中市民文化交流会」などを行いました。DVD上映では、札幌ドームの“野球場からサッカー場に変わる過程”が一目瞭然に分かり、感嘆の声が上がっていました。パネル展では、「e-シルクロード構想」(札幌が提唱したアジアのIT産業都市ネットワーク)の紹介や2007年FISノルディックスキー世界選手権大会のPR、札幌スタイル(札幌にふさわしいデザイン等)認証製品の展示などを行いました。

 さらに、札幌市長団の一行は、瀋陽市が現在開発に力を入れている経済技術発展区を訪れ、開発状況の説明を受けるとともに、同区へ進出している日系企業・ブリジストンタイヤ瀋陽工場などを視察しました。

 

バラとライラックに想いを込めて

 瀋陽市では、一般の市民も友好都市である札幌市を知っている人が多く、25年の間に、文化交流や技術交流等で培ってきた交流の実績が基盤となって、友好の絆が強固になっていることを強く感じました。

 陳政高瀋陽市長と上田文雄市長は、これからも、瀋陽と札幌の市民が両市の友好関係を思い起こしていくために、お互いの市を象徴する花と木、瀋陽のバラと札幌のライラックを交換して、市民の集う場所に友好のシンボルを造ろうという約束をしました。札幌の市民がバラを見て、瀋陽の市民がライラックを見るとき、互いの友好都市に思いを馳せ、さらに友情を深めていくことでしょう。

 今回の札幌市と瀋陽市の友好都市提携25周年記念事業は、四半世紀の友好交流の基盤に立って、より実質的で実りのある新たな交流の扉を開いたものといえ、その意義は大きいものがありました。

 

 
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