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社会保障制度(セーフティネットの整備)

社会保障制度(セーフティネットの整備)

改革・開放による社会主義市場経済への移行に伴い、計画経済の象徴であった完全雇用・終身雇用システムが崩壊、以降、中国では、都市部を中心に社会主義市場経済に適応した新たな社会保障制度の構築が進められている。

一連の改革で特徴的なのは、第一に、「下崗(国有企業労働者のレイオフ、一時帰休)という言葉をやめ、計画経済期には存在しなかった「失業」という概念を正式に認め、失業保険制度と最低生活保障制度の創設したことである。第二に、従来は個人が帰属している企業・機関などの「単位」が賃金のみならず医療や年金等の福祉を保障していた実質上の国家保障制度から、国・企業・個人の三者負担による社会保障制度への改革に踏み切ったことである。1997年以降、都市部従業員を対象とした積立型の公的年金制度が導入され、個人口座と社会プール基金による新しい医療保険制度も整いつつある。これは、市場経済化の受け皿づくりとしての前進であると概ね評価されている。
しかし、社会保障制度の見直しに伴う個人負担増は、低所得者層にとって大きな負担になっている。特に高額な医療費用は、現在の社会問題の1つとされ、最近では、「看病貴・看病難(医療費が高い、病気を診てもらうのが難しい)」という言葉が紙面を飾ることが多くなり、政府による改善を望む最優先課題に列せられるほど、社会保障問題は市民にとって一番の関心事となっている。

他方、7億人以上を対象とする農村部の社会保障制度は、一部の地域において、国、地方、個人の三者負担による年金保険制度や初歩的な最低生活保障制度が整備されているものの、保障レベルは都市部のそれに比べ桁違いに低い。2009年に入って、北京などごく一部の先進地域において都市と農村の社会保障制度を一本化する動きが出ているものの、両者の差別を黙認する二元構造は社会保障制度にも端的に現れている実情である。

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