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自治体関係者の中国での活躍に対する支援及び
中国と日本の自治体間の交流や協力を推進しています。

 
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「湖南ジャパンウィーク」に観光PRブースを出展しました
(所長補佐 大山 佳伸(香川県派遣))

   当事務所は、2009年11月20日(金)から4日間にわたって、湖南省の省都である長沙市において開催された「湖南ジャパンウィーク」の会場に観光PRブースを出展しました。

   観光PRブースでは、日本政府観光局(JNTO)北京事務所及び湖南省の友好都市である滋賀県(駐湖南省経済交流員)と共同で「日本観光展」を実施し、ポスターの掲示、パンフレットの配布、DVDの上映により日本の各地域(自治体)をPRするとともに、来場者に対してアンケート調査を実施しました。

「湖南ジャパンウィーク」の概要
   日本と湖南省との文化、教育、経済等、幅広い分野での交流と協力の強化及び両国国民の相互理解と友好関係の促進を目的として、2009年11月20日(金)から11月23日(月)までの4日間、湖南省長沙市において開催されました。

   在中国日本国大使館と湖南省人民政府が主催し、『交流と協力を深め、調和のとれた未来を共に拓こう』というテーマに相応しく、日中企業関係者による座談会や日中大学生の交流会、日中青少年レセプションなどの行事が実施されるとともに、日本の文化を紹介する行事として、いけばなデモンストレーションや漫画家トークショー、三味線や和太鼓の演奏などの参加型の交流イベントが実施されていました。

アンケート調査の結果
   観光PRブースでは、訪日旅行の動向を把握することを目的として、アンケート調査を実施しました。

   アンケート調査には100名の方にご協力いただきました。回答者のほとんどが学生であったことから(湖南師範大学において実施)、日本へ行ったことがないという回答が大半を占めたものの、「日本に行きたいですか」という質問に対しては、全員が「行きたい」という回答をしていました。

   今年度は「東アジア国際観光博覧会(大連市)」、「北京大学中日文化祭(北京市)」、「北京国際旅遊博覧会(北京市)」及び「広東国際旅遊展覧会(広州市)」において同様のアンケート調査を実施してきましたが、今回はこれらのアンケート調査と比較して特筆だった結果が出たもののみを紹介します。

【質問】「日本で宿泊場所を選ぶとき、何を重視しますか。」(複数回答可)
【回答】「料理」、「温泉」、「値段」、「サービス」を選択した人が多くなっていました。旅遊博等の結果と比較すると、特に「値段」が重要視されており、これは回答者の大半が学生であったことが考えられます。

 

【質問】「日本へ旅行に行ったときに最も経験したいのは何ですか。」(複数回答可)
【回答】「美食・日本料理」、「山、海などの自然風景」、「お寺、城などの文化遺産」、「温泉」を選択した人が多く、日本の自然風景や日本文化(日本食や歴史的な建造物、温泉等)に興味を持っている人が多くなっており、他の旅遊博等と同様な結果になりました。

 

【質問】「日本への旅行費用はいくらまで出せますか。」
【回答】7,000元(9万8,000円。1元=14元で計算)以下との回答が64%と3分の2以上を占めていました。これは、同じく学生を対象としてアンケート調査を実施した「北京大学中日文化祭」の53%を大きく上回っています。内陸部に位置する長沙市に比べると、北京大学のある北京市は比較的裕福な学生が多いことが考えられます。
   
≪湖南ジャパンウィーク≫
      ≪北京大学中日文化祭≫

まとめ
   観光分野における日中間の交流を促進することを目的として、中国の一部地域において訪日個人観光旅行が解禁されていますが(※)、今後条件が整えば、中国全土にわたって認められる予定になっています。

   今回は経済発展の著しい内陸部での観光PRと位置付け、日本各地の観光PR活動を実施しました。観光PRブースにおいてパンフレットを配布するなど来場者の対応をしていた我々に対して、日本の地理や歴史、慣習などレベルの高い質問が多く寄せられ、内陸部に位置する湖南省においても、日本に対して高い関心を寄せている人が多いことを実感し、近い将来、旅行や留学等で日本を訪問することを大いに期待できるものとなりました。

   当事務所では、今後もこのような観光PRの機会を利用して、日本の地域の知名度向上を図るために、自治体のPR活動をサポートしていきます。

※ 今年7月より、北京の日本大使館、上海及び広州の日本総領事館が管轄する省・直轄市・自治区に居住する中国人に対する訪日個人観光旅行のビザ申請の受付が開始された。

<大賑わいの日本観光展> <真剣にアンケートに答える大学生>
   
<DVDに見入る来場者> <学生からの質問攻めに対応>
   
 
<日本各地のポスターを掲示>  

 


「日本長崎・中国北京教育旅行セミナー」が北京で開催されました
(所長補佐 瀧口 達弘(北九州市派遣))

   2009年11月19日(木)、北京市内にある王府半島酒店(ザ・ペニンシュラ北京)において、長崎県と長崎県観光連盟の主催による「日本長崎・中国北京教育旅行セミナー」が開催されました。

   長崎県は、これまで公立高校の北京への修学旅行を数多く実施するなど、訪中教育旅行やその他の若年層の交流事業に力を入れてきました。さらに、ここ数年、北京市の多くの学校が教育旅行の訪問先として長崎県を選定するなど、両地域の学校間交流がますます盛んになっています。

   こうした状況の中、今回のセミナーは、これまでお互いに実施してきた教育旅行を振り返り、交流の事例や訪問の感想、モデルコース等を紹介することにより、北京市の教育関係者との交流を深め、青少年の教育旅行の更なる促進を図るため開催されました。

   このセミナーの開催に当たり、当事務所は「共催」という形で参画させていただくとともに、当日の司会を務めさせていただくなど、側面からではありますが支援をさせていただきました。

   当日の概要ですが、主催者である長崎県及び長崎県観光連盟をはじめ、長崎県内の教育機関、日本の旅行会社、在中国日本国大使館、日本政府観光局(JNTO)、北京市教育委員会、北京市遊游局、中国の旅行会社、北京市内の中学校など、数多くの皆様にご参加いただき、大いに盛り上がりました。

   冒頭、長崎県観光連盟会長の野崎元治氏から、「長崎県には九十九島という美しい海があり、ハウステンボスでは環境学習ができ、さらに、雲仙・島原には温泉と火山などが身近に体験できる日本初のジオパークが存在しているなど、学習資源に恵まれており、教育旅行に最適であるとともに、学校交流などの受入体制も充実している」として、長崎県への教育旅行の魅力が語られた後、DVDによる長崎県と北京市の交流風景の紹介、北京市内の中学校による交流実績の発表、北京市学生代表による長崎県の修学旅行に対する感想の発表、さらに、長崎県学生代表による北京市の修学旅行に対する感想の発表など充実した内容となり、非常に有意義なセミナーとなりました。

   北京市学生代表による長崎県の修学旅行に対する感想の発表は、檀上にあがった2人の高校生が、漫才のように話を掛け合いながら感想を述べるという趣向を凝らしたもので、会場は温かいムードに包まれました。

   今回のセミナーを契機として、長崎県と北京市の友好関係が益々深まり、相互の教育旅行が一層促進されていくことを期待するとともに、当事務所としても、各自治体が取り組む訪日教育旅行の促進に向けて、できる限りの支援をしてまいりたいと考えております。

<多くの参加者で盛り上がる会場> <北京市学生代表による修学旅行の感想発表>

 


杭州市における外国人観光客誘致の取組み
(所長補佐 中司 弓彦(松江市派遣))

   中国の長江デルタ地区は、近年めざましい経済発展を続けていますが、その中でも浙江省の省都である杭州市は、豊富な歴史的建造物と美しい自然景観を有する中国随一の観光都市として知られ、国内外から多くの観光客が訪れています。杭州市は省北部に位置し、上海から南西に約150キロメートル、高速道路を利用すると約3時間で到着可能な位置にあることから、日本からの観光ツアーでは、世界遺産の庭園群で有名な蘇州市(江蘇省)と同じく、上海とその周辺を回るコースに組み入れられています。

   杭州市は今年(2009年)1月、中間所得層の観光客を招き寄せる呼び水とするため、上海市や江蘇省などの長江デルタ流域の住民に対して、総額4,000万元(5億6,000万円。1元=14円で計算)分の観光消費券(旅行クーポン券)を発行しました。この消費券を持参すると、特定の観光施設やレストラン、ホテル、マッサージ店等で割引を受けることができる、というものであり、海外からの観光客向けにも、日本、韓国、東南アジア等で観光消費券を発行しました。

<杭州市発行の旅遊消費券>
<杭州市内の自転車スタンド>

   杭州市旅遊委員会によると、旅行消費券は2回に渡って発行されており、それぞれの使用期限は、第1期が2009年3月1日から5月31日まで、第2期が6月1日から10月31日までとなっています。観光地やレストラン等の500箇所以上の施設で使用でき、消費額が40元(560円)になると、そのうち10元(140円)をこの消費券を使って支払うことができるという仕組みになっています。また、氏名または旅券番号を記入することにより、抽選券としても使用できます。消費券の配布は郵便局の店頭とインターネットで行われ、第1期、第2期を合わせた消費枚数は88万枚、消費総額は4,605万元(約6億4,000万円)となっています。

   また、観光地から観光地への移動手段として、杭州市では、環境への影響の少ない自転車による移動を推奨しています。杭州市の至る所に自転車スタンドがあり、1時間以内であれば使用料が無料で、1時間を超過しても1元という安さで、市民や多くの観光客に利用されています。杭州市観光の中心である西湖の周辺の道路で慢性的に発生している渋滞の解消のために、自転車利用の促進に大きな期待が寄せられています。

   杭州市には、市内の経済開発区などに100社を超える日系企業が進出しており、日本との国際線直行便もあることから、多くの日本人が訪れています。このため、市内のホテルでは、日本語を話すスタッフがおり、観光施設案内等にも日本語表記があります。

   また、岐阜市、松江市など日本の6つの都市と友好関係にあり、年に2回開催する「西湖日中友好ウォーキング大会」では各友好都市から選手団を招待するなど、日本の各地域と積極的に交流しています。日本の自治体も、地域活性化を目的としたクーポン券を発行している所もありますが、杭州市の取組みにも大いに学ぶべきところがあると感じているところです。

※ 統計数値等については、新華網等の情報を参考

 


「海外自治体幹部交流協力セミナー」実施報告
(所長補佐 和田 珠希(和歌山市派遣))

   当協会においては、7つの海外事務所管内の自治体幹部職員などを日本に招へいし、地方自治の現状及び課題について意見や情報を交換することにより、両国(地域)の地方自治制度に対する相互理解を深めるとともに、招へいした方に日本の文化等を理解していただくこと、さらに、各海外事務所管内の自治体や国際交流団体、また、そこに勤務している職員の皆様と、当協会及び日本国内の地方自治体とのネットワーク構築を推進すること、これらを目的として、1995年度から「海外自治体幹部交流協力セミナー」を毎年実施しております。

   当事務所では、事務所設立の翌年度にあたる1998年度より中国の中央政府や地方政府などの幹部を推薦し、2008年度までに76名の幹部職員に参加をいただきましたが、今年度におきましては、10月24日から11月1日にかけて、下記のとおり開催いたしました。

   この事業を通して、当事務所としましても、外交部や中日友好協会、各地方政府の皆様と改めて連携を強化する機会となり、参加された皆様にとりましても相互に交流する良い機会となったようで、感謝の気持ちをお伺いすることもできました。双方にとって大変有意義な事業であったと感じております。

   この事業を通じて構築した人脈を通して、今後、日中地域間交流の更なる促進に貢献できるよう努めていきたいと思っております。

<今年度の参加者>
・外交部外事管理司 参事官/処長(2名) ・中国日本友好協会 理事(副巡視員)
・遼寧省外事弁公室 副主任 ・遼寧省環境保護庁環境産業管理弁公室 主任
・海南省外事僑務弁公室 巡視員 ・重慶市外事僑務弁公室 副主任
・上海市外事弁公室 組織人事処 処長   以上8名

<行程>
・10月24日「事前説明会」
   北京市内で当事務所から協会事業概要の説明等を実施した。
・10月25日〜27日「東京セミナー」
   当協会東京本部から日本の地方自治制度や環境行政についての講義を実施した。
・10月28日〜31日「地方交流事業」
   北九州市に移動して「北九州の環境分野における取組み」の講義を行うとともに、「『世界の環境首都を目指す』北九州市における日中環境交流」に係る意見交換を実施した。
   また、北九州市内の環境関連施設や文化施設等の視察も行った。(11月1日に帰国)

<北京事務所での事前説明会> <クレア本部 理事長表敬訪問>
   
<東京での講義風景> <北九州市での講義風景>

<参加者のコメント>(北京事務所にて翻訳)
外交部外事管理司地方処長 董広利

   (財)自治体国際化協会の招聘に応じ、外交部外事管理司陳曦参事官が率いる中国地方政府幹部交流協力代表団一行は2009年10月下旬、日本を訪問させていただきました。メンバー構成は、外交部外事管理司、中日友好協会からの3名、遼寧省、上海市、海南省、重慶市の外事弁公室幹部職員4名、それから遼寧省環境庁からの1名で、合計8名。光栄にも一メンバーとして同団に加わり初めて日本と触れ会った感想を以下に綴らせていただきます。

1.訪問概要
   今回は、東京都と北九州市を訪問し、主に環境をテーマに講義を受けたり、施設を視察させていただいたりしました。東京では、自治体国際化協会の香山充弘理事長を表敬し、クレアの設立背景、業務範囲、主要活動や運営方式についての説明を伺い、日本の地方自治の現状や課題、日本の環境行政についての講義を受けるとともに、パナソニックセンター東京、江戸東京博物館を見学しました。北九州市では、同市市長表敬、環境施策説明会と、環境博物館、東田エコクラブハウス、北九州エコタウンと家電自動車リサイクル工場など視察を通じて、北九州市が目指す都市発展ビジョンについての理解を深めました。その間、北九州市の関連部局と何回か交流する機会を持ち、環境分野における日中両自治体間の交流と協力について意見交換させていただきました。全体訪問日程は無駄がなく、内容が充実しており、所期の目的を達することができました。

2. 収穫
   初めて訪日する私にとっては、見るもの聞くものすべてが新鮮で好奇の対象でした。日本での8日間の学びや視察を通じて、訪日団全員とりわけ私にとって裨益するところが大きく、同事業に参加して本当によかったと思います。

   (1)日中地方政府間の交流協力についての理解と認識を一層深めました。地方の国際交流の重要な一環として日中地域間交流と相互協力は著しい発展を遂げています。近年、外交部外事管理司はクレア北京事務所と連携して地域間交流の推進に努めてまいりました。それに加え、日中両自治体の積極的な取組みにより、日中地域間交流は絶えず深まり、チャネルが多様化し、協力分野が拡大しつつあり、環境協力やグローバルな金融危機への共同対応といった面でも、有意義な試みが行われております。今般の訪日を通して両国地域間交流の大切さとその必要性を肌で感じ、今後の中国の地方政府の国際交流をサポートする立場にある人間として責任感と使命感を一層強くしました。

   (2)エネルギー、資源、環境、気候等についての学びを深めることができ、ある意味ではいろはの勉強をさせて頂いたとも言えます。
   日本とりわけ北九州市はとても美しい都市で気候も爽やかであり、かつての黒煙、ゴミ、汚水など公害問題に悩まされた町とはどうしても結びつきませんでした。日本が産業立国、貿易立国、ハイテク立国から環境立国へと舵を切り、限られた資源やエネルギーを活用し、限られた国土で世界経済大国並びに「環境の国」に変貌を遂げました。その先見性のある長期戦略と持続可能な発展理念は世人が感心するところです。最大の発展途上国である中国は、「発展は唯一の真理」論から全面かつ整合のとれた持続可能な発展へとシフトし、「速く良く」から「良く速く」を目指す段階にシフトしており、資源節約型、環境にやさしい社会づくりに励みながら、「科学的な発展観」を打ち出しています。これは低炭素社会、循環型社会、自然と共生する社会を構築することで、持続可能な社会の実現を目指す日本の環境立国戦略と図らずして一致します。日本は世界でいち早く循環型経済モデルに切り替えた国のひとつで、独自の循環経済システムを打ち立て、法体系が完備しており、先進技術や設備を擁し、資金が潤沢で、循環型社会づくりの面で豊かな経験を積んでいます。中国は汚染関連設備の設計、生物保護、産業廃棄物の再利用の分野で市場として大きな潜在力があり、日中両国は環境分野ではその相互補完性が強く、幅広い互恵協力が見込まれます。

   (3)日本国民のエコ・省エネ意識を随所で感じることができました。
   日本のホテルの部屋の設計は機能性と実用性を重視し、生活ゴミや産業廃棄物のリサイクルが広く行われ、環境意識はもはや一人ひとりの日本国民に定着しているようでした。これらのことは中国とは鮮明な対照をなしており、考えさせられました。

   (4)生の日本社会に触れ合うことができました。今回の訪問を通じて、日本人の真面目さ、真剣さ、責任感と、仕事へのこだわりを実感しました。私どもを受け入れるため、クレアの皆さまは大量の時間とエネルギーをかけて事前でもって訪問内容、コース、日程を入念に計画してくれました。日本で受け入れて下さった本部の方々はまさに至れり尽くせりで用意周到な対応ぶりでした。団員の要望をくみ取って、東京の主な書店を走り回って本を探して頂いたり、たまたま訪日中に誕生日を迎えた私のためちょっとしたサプライズを用意していただいたりするなどの心配りには感動しました。また、日本社会は秩序が整然とし、人々はマナーを重んじ、平等公正に価値を置きながら、安穏に日常を営んでいました。日本の近代化レベルは世界の最先端にあり、家電、自動車などの業界は世界をリードするパイオニアといえると感じました。

   (5)多くの日本の友人をつくり、わずかですが日本語を覚えることができました。今回出会った皆さんと厚い友情を培い、喜びを分かち合いながら、日中友好と交流協力の使者たらんという自覚を持つようになりました。

3. 所感
   環境保全と省エネは経済発展を目指す昨今の中国における重要な課題であり、中国の各地方政府が国際交流協力を展開していく中で欠かせないテーマとなっています。今回の訪日を通して参加者は全員、環境保全主義者となり、積極的なPRにより共感の輪を広げていき、日中間地域レベルの環境協力の推進により、ともに低炭素・エコ社会を目指し、一つしかない地球を守るため、弛まず努力しなければいけないという決意を新たにしました。

   自治体間の交流は国家間外交の重要な構成部分であり、有益な補完関係にあります。今回の受入れ担当者で全日程随行された古川さんが、流暢とはいえない中国語で「国と国の交流は重要ですが、地方と地方の交流も大切です。人と人の交流はそれ以上に、大切です」とおっしゃった時、その場に居合わせた私ども全員がしみじみと頷いたものです。まさにその通りで、両国政府間交流は、結局は両国人民間の交流だと思います。地域交流は幅広い分野、多様な形式、民間的要素とった特徴やメリットがあり、両国国民同士の相互理解と友情の増進や二国間関係の発展に欠かせない役割を発揮しています。クレアは日本の地方自治体をバックグラウンドに持っており、日中地域間協力のレベルアップ、日本の影響力の強化、両国民同士の友情の増進といった面で大きく寄与しています。今後、外交部外事管理司としては引き続きクレア北京事務所との交流と連携を深めながら、日中友好関係の絶えない発展を促進すべく尽力していきたいと思います。

   中国の30年来の改革開放の成果は、地方政府間交流の弛まぬ努力とコツコツとした取組みの賜物でもあります。新しい情勢の下、地域間交流と協力についてどのようにして一層のスキルアップとレベルアップを実現すればよいかは我々が直面している現実的かつ緊要な課題です。地方の対外交流を所管する部局である外事管理司職員が、地方政府幹部交流協力セミナーに参加できたことは、地方の国際交流について適切に指導・調整・支援し、対外交流を通して地方の経済社会発展を促進するうえで重要な意義があります。同事業は、そういう意味で中国各地方政府から大変重要視され、歓迎されています。

   今回の事業が成功裏に終わったことは、クレア北京事務所の功労抜きでは語れません。ここに訪日団全員を代表して心から謝意を述べさせていただきます。なお、同事業のさらなる発展を願って敢えていくつか提案をさせていただきますと、可能な範囲での農家訪問や新幹線乗車の体験、複数都市の訪問、受入予定地の特徴に応じて前もって参加予定者からテーマにつき意見収集を行う等の要素を加えてはいかがでしょうか。

   事業実施の経験を絶えず総括しグレードアップして、中国地方政府幹部交流協力セミナーがより実のある事業をその特色として発展を遂げ、日中両地方政府間の交流協力の重要な架け橋になってくれることを祈念します。

2009年11月10日 北京にて

 


「海外政策情報交流セミナー〜日中間経済交流〜」実施報告
(所長補佐 中司 弓彦(松江市派遣))

   当事務所でこれまで毎年実施している「海外政策情報交流セミナー〜日中間経済交流〜」(旧名称は「地方公務員・地域国際化協会職員等海外派遣研修事業(中国コース)」)を、今年度は11月14日から21日まで、北京市、上海市、杭州市等で開催しました。今年度は地方自治体等から合計12人(自治体11人、その他1人)の皆様にご参加いただきました。

   今年度は、研修メニューの中に「観光」と「地場産品販売」という、自治体による経済交流を意識した内容を本格的に組み入れ、研修参加者との意見交換を中心とする双方向の研修となるように工夫しました。

   北京市では、北京市旅遊局を訪問し、外国人観光客の誘客を担当している担当者から北京市の観光施策について説明を受けました。北京市では近年、2008年の北京オリンピック開催を契機に整備されたインフラを活用して、外国人観光客の誘致に積極的に取り組んでおり、特徴的な取組みとして、アメリカのプロバスケットリーグ(NBA)やサッカーのスペインリーグの試合を誘致したことが紹介されました。

   また、杭州市では、杭州市旅遊委員会を訪問し、杭州市が展開する旅行消費券の取組みを紹介していただくとともに、参加者側の自治体の観光施策について議論を交わしました。参加者からは、国内研修時に作成したスライドや動画を使用し、東京、京都、大阪といったゴールデン
<杭州市旅遊委員会でのプレゼンテーション>
<FHC CHINA 会場を視察>
ルートではない、新しい観光ルート(沖縄〜大阪(堺)〜名古屋等)のプレゼンテーションを行いました。また、参加した杭州市内の各旅行業者からは、中国では徳川家康のような歴史上の人物や『大地の子』、『坂の上の雲』といった作品が有名であるため、単に観光資源を紹介するだけでなく、「歴史」や「人物」などをテーマにした新たな観光ルートを作成してはどうかという意見がありました。

   さらに、上海市では、中国最大級の食品見本市である「FHC CHINA 2009」の視察や福島県及び福岡県上海事務所との意見交換会を行い、その後、観光コースと地場産品コースの2コースに分かれて、観光コースは現地旅行社への訪問、地場産品コースは日本産の食品を販売する百貨店やスーパーの視察を行いました。旅行社への訪問では、参加者から、どのようにしたら知名度の低い地域へ中国人観光客を誘客することができるかという質疑が出され、旅行社からは、そのためには比較的長期間の旅行が多いゴールデンルートとの差別化が必要で、狭い地域を集中的に回る3日間程度の短期間のパックツアーを作成するといいのではないかという提案がありました。一方、地場産品コースでは、久光百貨店やヤマトマーケティングギャラリー、CITYSHOP時代広場店、グローカルジャパンといった日本の特産品が実際に販売されている現場を視察しました。上海では、来年開催される万博を前にして、各自治体の販促イベントが増えており、中国でも最も日本人が多く、日本食の中国最大のマーケットである上海での販促活動が活発化している現状について紹介されました。また、ある訪問先では「食品を中国に輸入するのは、武器を輸入することの次に難しい」という話があり、中国での食品販売事業の困難さの一端を垣間見ることができました。「中国はひとつの国ではなく、中国の中に3つの国がある」といわれるほど、各地方により食べ物の嗜好が異なり、それを踏まえたマーケティングを行う必要があることについて説明もありました。

   今回の研修では、各訪問先でも充実した意見交換を行うことができ、双方向性の研修事業の実現という当初の目標は一定程度達成されたものと考えております。今後、当事務所としては、各自治体のニーズを踏まえながら、経済交流支援事業により積極的に取り組んでいきたいと考えています。

   最後に、この場をお借りして、中国外交部外事管理司、在中国日本国大使館、中日友好協会、杭州市外事弁公室をはじめ、視察にご協力いただいた関係機関の皆様に深く御礼申しあげます。

 


「2009広東国際旅遊展覧会」に出展しました!
(所長補佐 前之園 毅(奈良県派遣))

   クレア北京事務所では、11月14日から11月16日までの3日間、広東省広州市で開催された「2009広東国際旅遊展覧会」に出展しました。

   この展覧会は、中国国家旅遊局、広東省政府が共同で主催するもので、当事務所単独での出展は昨年度に引き続き2回目となります。展覧会では82の地方自治体・団体からご提供いただいたパンフレットやポスター等を元に、「日本各地展」と名付けて日本全国の観光PRを積極的に展開しました。

   今回の展覧会は、市の南部に位置する広州市保利世貿展覧館という屋内の会場で開催され、一般客の有料入場(10元)となっていました。昨年度は市中心部にある公園での開催であり入場料も無料であったため、今回の来場者の入りを少し心配しておりましたが、最終的には多くの来場者があり、自治体の皆様からいただいたパンフレットも全て配布することが出来ました。新聞の報道によれば約12万人の来場者があったとのことです。また、単にパンフレットを求めるだけではなく、「○○のパンフレットが欲しい」、「春節の時期に行くとすればどこが良いか」、「桜を見るならどの時期が良いか」等具体的な内容を質問される方も多く、筆者の感覚的なものではありますが、入場が有料になったことによるのか当事務所のブースを訪れる方の意識が高かったように思われました。また、北海道のパンフレットを求める方が想像以上に多く、北海道を舞台とした中国映画「非誠勿擾」の効果がいまだに続いていることを実感したところです。

   さて、このたびの展覧会においてアンケート調査を実施しましたので、その結果を下記のとおり抜粋してご紹介したいと思います。

アンケート調査結果
   アンケート調査には全部で210名の方にご協力いただきました。男女別では男性91名、女性119名という内訳で女性が若干多く、また年代別では20代が85名と最も多く、以下40代、30代、50代の順となりました。なお、日本へ行ったことがない人が169名と、全体の約8割を占めていました。以下、調査結果を抜粋してご紹介します。

【問】 「日本で宿泊場所を選ぶとき、何を重視しますか。」(複数回答可)
【回答】 「温泉」を選択した人が最も多く、次いで「料理」の順となりました。これは、これまで当事務所が他の観光展で行なったアンケートと同様の結果となりました。やはり日本といえば、温泉をイメージする方が多いということでしょうか。
 

【問】 「日本へ旅行に行ったときに何を最も体験したいですか。」(複数回答可)
【回答】 「山、海などの自然風景」、「美食・日本料理」、「お寺、城などの文化遺産」、温泉」、「買い物」という回答が多く、こちらも他の観光展のアンケート結果と同様の傾向となりましたが、「スキーなどのウインタースポーツ」という回答も一定数ありました。これは11月という初冬にアンケートを実施したことに加え、広州が雪の降らない地域であり、地元では体験できないものを求めている結果といえるかもしれません。
 

【問】 「日本への旅行時期は何月が適していると思いますか。」(複数回答可)
【回答】 最も多い回答は4月、ついで3月、12月の順となりました。4,3月が多かったのは他の観光展のアンケートと同様の結果で、桜の咲く季節であることが主な理由であると思われます。実際、桜の開花時期や見所について質問される方も多くおられました。また、これまでのアンケート結果とは異なり12月にも多くの回答が集まりました。推測にすぎませんが、アンケートを行なった時期が11月ということで近いうちに日本旅行が出来たらという思いと日本で経験してみたい活動としてウインタースポーツが比較的上位に挙がったこと等が理由として挙げられるかもしれません。
 

【問】 「日本への旅行期間は何日が適当と思いますか。」
【回答】 「6日」と「7日〜9日」と答えた方が全体の6割以上を占めました。

【問】 「日本旅行のために知りたい情報は何ですか。」(複数回答可)
【回答】 「観光施設」について知りたいという回答が最も多く、以下「交通」、「宿泊」の順となりました。2番目に回答が多かった「交通」については、個人旅行が今年7月から解禁されたことを受けて、自分の足で回る観光をイメージされておられる方が多いのか、東京や大阪から短時間で足を伸ばせるところはどこかなど具体的な交通手段や距離を尋ねる質問も比較的多かったように感じられました。

 

おわりに
   「日本政府観光局(JNTO)」が発表した推計値によると、本年10月における中国からの訪日旅行客数は10万8,300人という数字を記録しました。これは対前年比25.1%増であり、金融危機や新型インフルエンザ等の影響から他国からの訪日客が軒並み厳しい状況となるなかで、注目すべき数字と言えるでしょう。日本の地方自治体の観光や物産等経済分野にかかる中国市場への関心もますます高くまっていくものと思われます。

   このような中で、当事務所としましても自治体の経済交流活動のお手伝いをさせていただくべく、皆様のご意見をお伺いしながら今後様々な事業を展開していく予定をしております。また、引き続き中国各地で開催される観光展等に出展して、日本各地の知名度向上を図っていきたいと考えておりますので、今後ともご協力いただきますようお願い申し上げます。

   最後に、今回の出展にあたり、当事務所にパンフレット等をご提供いただいた自治体、共同出展にお申し込みいただいた自治体は以下のとおりです。この場を借りてお礼申し上げます。

<資料提供>
   北海道小樽市、北海道北見市、北海道稚内市、北海道網走市、北海道美深町、北海道遠軽町、北海道平取町、北海道弟子屈町、青森県、青森県弘前市、岩手県、宮城県、宮城県大崎市、宮城県栗原市、宮城県石巻市、秋田県、秋田県仙北市、山形県、山形県上山市、茨城県、群馬県、群馬県草通町、東京都、神奈川県、神奈川県小田原市、石川県、富山県、福井県、山梨県、岐阜県飛騨市、岐阜県下呂市、岐阜県養老町、静岡県熱海市、静岡県島田市、静岡県掛川市、静岡県下田市、愛知県常滑市、愛知県田原市、三重県、伊勢志摩観光コンベンション機構、滋賀県、京都府、京都府京丹後市、京都府福知山市、大阪府、兵庫県宝塚市、奈良県、奈良県班鳩町、和歌山県、和歌山県和歌山市、和歌山県白浜町、鳥取県、島根県松江市、岡山県、広島県竹原市、広島県三次市、山口県、徳島県、徳島県徳島市、徳島県三好市、香川県、愛媛県、愛媛県今治市、高知県、福岡県、福岡県太宰府市、佐賀県唐津市、長崎県、熊本県、宮崎県、鹿児島県、鹿児島県奄美市、沖縄県、沖縄県那覇市、仙台市、新潟市、さいたま市、横浜市、静岡市、名古屋市、大阪市、広島市(計82自治体・団体)

<共同出展>
   宮城県、福井県、山梨県、新潟市(計4自治体)

<当事務所のブース風景> <日本について質問をする来場者>
   
<来場者にアンケートをお願いしている様子> <観光PRのDVDを見つめる来場者>

 


「北東アジア地域自治体連合 海洋と漁業の分科委員会」設立大会に出席して
(次長 新井 達廣(兵庫県派遣))

   北東アジア地域自治体連合は、北東アジア地域の自治体が、互恵・平等の精神に基づき、全ての自治体の交流協力のネットワークを形成することにより、相互理解に即した信頼関係を構築し、北東アジア地域の全体的な発展を目指すとともに、世界平和に寄与することを活動目的としています。

   現在、中国、日本、モンゴル、韓国、北朝鮮、ロシアの6カ国69自治体がこの自治体連合に会員参加しています。組織は、総会、実務委員会と実務委員会の補助機関である分科委員会とで構成されており、事務局は韓国慶尚北道に置かれています。分科委員会は、経済・通商、環境、防災、海洋・漁業等の分野ごとに、コーディネート自治体を中心に個別プロジェクトを協議・実行する機関であり、今年10月現在、11の分科委員会(※)が設置されています。

   このようななか、11月2日、「海洋と漁業の分科委員会」設立大会が山東省青島市で開催され、クレア北京事務所は、山東省からの招待を受けてこの設立大会に参加しました。

(※) 経済・通商(韓国慶尚北道)、教育・文化交流(島根県)、環境(富山県)、防災(兵庫県)、国境地区協力(ロシア・イルクーツク州)、科学技術(韓国京畿道)、海洋・漁業(中国山東省)、観光(中国河南省)、エネルギー・気候変化(韓国大邱広域市)、女性・児童(モンゴル・ドノルド県)、天然資源(ロシア・マガダン県)の11の分科委員会(注.カッコ内は、各コーディネート自治体)

<山東省青島市における「海洋と漁業の分科委員会」設立大会開催の経緯>
   山東省は、中国東部の沿海地域、黄河の下流地域に位置しています。青島市、威海市を中心とする沿海部には、渤海湾経済圏が形成されており日本をはじめとする海外からの投資を集めています。内陸部は野菜の産地として知られており、日本にも多く輸出されています。

   この山東省が近年力を注いでいるのは、海洋経済の発展促進です。今年4月、胡錦濤 国家主席が同省を視察した際にも、「海洋経済の発展、海洋資源の科学的な研究開発、海洋の優勢産業の育成に力を入れ、山東半島ブルー経済区を作らなければならない」と言及しました。

   上記を背景に、2008年9月に山東省で開催された「北東アジア地域自治体連合第7回総会」の際、姜大明 山東省長より同省をコーディネート自治体とする「海洋と漁業の分科委員会」設立の提案がなされ、同分科委員会の設立に至りました。今回、その設立記念大会が青島市で開催されたものです。

<「海洋と漁業の分科委員会」設立大会>
   11月2日の午前に青島市内のホテルで開催された「海洋と漁業の分科委員会」設立大会には、同分科委員会に参画する自治体関係者、青島市政府関係者、国内外からの来賓等、約300名が参集しました。クレア北京事務所を除く日本の政府関係者としては、齊藤法雄在青島日本国総領事をはじめ、国森宏 山口県国際課長、若林洋 富山県水産漁港課主幹、田中克明 大阪府上海事務所長等が参加していました。

   李海闘 北東アジア地域自治体連合事務総長の司会により、姜大明 山東省長の挨拶で始まった設立大会は、李海闘 自治体連合事務総長、牛盾 中国農業部副部長、王飛 中国国家海洋局副局長の挨拶と続き、「海洋と漁業の分科委員会」の設立による、北東アジア地域の海洋事業推進、漁業経済協力と交流の強化、海洋・漁業の持続的な発展推進への期待が述べられました。これら挨拶の後、姜大明 山東省長と李海闘 自治体連合事務総長による分科委員会設立記念銘版の除幕が行われました。

   引き続き、自治体連合加盟5カ国の代表自治体として山東省、富山県、韓国忠清南道、モンゴル・フブスグル県、ロシア・イルクーツク州のスピーチが予定されるなか、降雪による航空便延着によりモンゴル・フブスグル県とロシア・イルクーツク州の発言予定者の到着が間に合わず、それぞれ代読、スピーチ割愛という形になりました。日本の代表自治体として参加していた富山県については、若林 水産漁港課主幹より、1970年代から実施している同県と漁業事業者との水質調査の取組や、環境に優しい「定置網漁法」の普及拡大への取組について紹介されるとともに、これら取組の指導による国際貢献への意欲が表明されました。これら自治体によるスピーチの後、「青島宣言」が採択されました。

   中国経済のさらなる発展に向けて、これまでの主役であった「陸経済」に加えて、「海洋経済」への期待が高まっています。海洋漁業、海洋交通運輸、海洋資源、海洋化学といった海洋産業の発展は、中国における重要な国家発展戦略の1つとなっています。今回の「海洋と漁業の分科委員会」設立大会を通じて、海洋産業の発展に向けた中国の山東省への期待の大きさや、海洋産業分野にかかる北東アジア地域全体の互恵を目指すネットワークを地方政府レベルにおいても構築し、中国における持続可能な海洋経済発展を牽引しようとする山東省の意気込みを感じました。

<設立大会会場風景> <記念銘版除幕風景>

 


「第8回日中地方行財政セミナー」開催報告
(所長補佐 前之園 毅(奈良県派遣))

   本セミナーは、地方行財政制度に関連したテーマについて意見交換を行い、地方行財政分野における日中間の交流・協力を促進するために日本の総務省と中国の財政部が、毎年交互にお互いを訪問して実施しているものであり、今年度で8回目の開催となります。当事務所では、中国国内に持つネットワークを持つ関係から連絡調整や資料提供等を通じて、初回よりお手伝いさせていただいております。

   今年度は日本の総務省による手配のもと、中国の財政部(団長:賈 中国財政部財政科学研究所長)一行が日本を訪問する形で、10月19日から23日までの5日間の日程で開催されました。最初の訪問地である東京では、地方行政分野と地方財政分野について日中双方が発表を行なうセミナーが開催されました。この中で日本側は「行政体制改編後の広域自治体と基礎的自治体」と「地方財政の健全化」をテーマに、中国側は「中国地方政府の行政体制フラット化について」と「地方政府の債務について(地方債務制度)」をテーマに、それぞれ発表を行いました。いずれのテーマについても発表に続いて活発な意見交換が行なわれ、中国側からは追加での資料提供の求めがあるなど盛況のうちに終了しました。

   翌日からは、実際の地方行財政の実情を視察するべく、愛知県豊橋市と兵庫県を訪問しました。一行は両自治体で財政担当者からの財政概要の説明を受けたほか、豊橋市では佐原市長を、兵庫県では井戸知事をそれぞれ表敬訪問し交流を深めました。

   本セミナーは日中双方で地方行財政に携わる中央政府関係者が互いの国の制度について理解を深めるとともに、相互にネットワークを形成する重要な機会ともなっております。来年度のセミナーは中国で開催され、日本の総務省一行が中国を訪問することになります。当事務所といたましても、本セミナーがますます実り多きものとなるよう今後も引き続き努力してまいりたいと思います。

<地方視察先である豊橋市において> <セミナーでの意見交換の様子>

 


職員能力開発研修〜中国における日本の地場産品販売をめぐる今後の展望について〜
(所長補佐 中司 弓彦(松江市派遣))

   近年、中国では急速な経済成長を背景に、高所得者層や中間所得層が増加し、日本をはじめとする海外の食品に対する関心が高まっているため、各自治体においては、地場産品の販売活動を積極的に推進しています。

<研修会の様子>

   こうした動向を踏まえ、本年度第2回目の職員能力開発研修として10月22日、北京市内の大手百貨店である「新光天地」の地下1階に入居している「BHG(北京華聨集団)マーケットプレイス」の店長である杉野隆氏を講師として迎え、中国における地場産品販売をめぐる今後の展望と方向性に関する講演を行っていただきました。

   今回の研修会では、当事務所職員に加え、自治体が取り組んでいる地場産品の販売促進に資する活動を支援する観点から、在中国の各自治体事務所にも開催を案内したところ、北京、大連及び上海に拠点を構える自治体事務所から7名の皆様にご参加いただき、当事務所職員と合わせて19名が受講することとなりました。

   杉野氏からは、まず「中国の消費ピラミッド」と題した相関図が紹介され、年収別に中国の年代層が分けられるとともに、世代による購買行動の特徴が示されました。中国では、ここ30年くらいで社会構造が大きく変化しているため、収入、世代、環境別にマーケティングを設定し販売に結びつける必要があります。特に興味深かったのは、40歳代以上の年代は文化大革命の影響を色濃く受けているため、「消費自体が悪」と思われており、30歳代以下の世代とは大きく消費行動が異なるというものでした。

   また、@どんなに優れた商品であっても、その商品の良さを消費者に伝えられる販売員が必要であること、A中国人にとってより購買意欲を惹き起こすパッケージングを行うこと、Bキャンペーンなど短期集中的な販促活動を行うことにより商品のアピールを行うこと、C広告媒体に敏感な中国人の性質を理解し、店頭での商品説明を含め的確な宣伝活動を行うこと、などが重要であると説明されました。

<BHGマーケットプレイス杉野氏>

   百貨店が100年、スーパーが70年、コンビニが30年、インターネットが10年、という日本の小売業発展の全プロセスが、中国ではわずか20年足らずで実現されており、いかに中国の発展のスピードが著しいかを物語っています。この急速な成長を遂げる中国で日本の地場産品販売をより促進するためには、中国の社会構造の正確な分析に基づくマーケティングと、中国人の性質に合った商品作りが重要であると強く感じました。

   今後とも、当事務所は、中国における自治体の経済交流活動を支援するため、より効果的かつ魅力的な研修会を企画していきます。

 

 


「第6回中国・アセアン博覧会」が開催された南寧市を訪問して
(次長 新井 達廣(兵庫県派遣))

   南寧市は、中国大陸の南端に位置する広西チワン族自治区の首府です。ベトナムとの国境から約160キロメートルのところに位置しており、中国における対東南アジア交易の重要拠点として発展が進んでいます。

   中国、東南アジア諸国連合(アセアン)加盟10カ国(※)、及びアセアン事務局は、2004年から毎年、この南寧市において「中国・アセアン博覧会」を開催しています。また、博覧会の併催事業として、南寧市においては「南寧国際民歌芸術祭」を開催しています。

   今年も、10月20日から24日までの5日間の会期で「第6回中国・アセアン博覧会」が開催されるとともに、10月20日には「2009南寧国際民歌芸術祭」の開幕を迎える中、クレア北京事務所は、南寧市からの招待を受けて、10月20日から21日にかけて同市を訪問しました。

(※)インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアの10カ国

○「第6回中国・アセアン博覧会」
   10月21日の午前中、南寧国際会議展覧中心において開催されていた博覧会を視察しました。2003年に供用が開始された、近代的デザインが目を引く南寧国際会議展覧中心の中核施設には、展示施設、会議施設、宴会施設が整備されており、展示施設の総床面積は約8万平方メートルに及びます。

   この展示スペースに、国(地域)、業種別の出展区画が設けられ、中国、アセアン諸国をはじめ、アメリカ、フランス、イタリア、スペイン、日本、韓国、アラブ首長国連邦、オーストラリア、ニュージーランド、インド、カザフスタンといった国(地域)の企業・団体が出展を行っていました。出展ブース数は過去最高の4,600に達しており、日本の地方都市ではまず見ることのできない大規模な博覧会でした。

   今回は、アセアン諸国及び国際団体の出展区画を中心に視察を行いましたが、アセアン諸国の出展区画では、工芸品、宝飾品、食品といった分野を中心にブース出展されており、国別ではタイ、ベトナムの区画が規模の上でも目を引きました。一方、中国の出展については、一般機械、精密機械、電子機器、電子部品といった分野が目立つ区画に出展されており、中国とアセアン諸国のビジネス・貿易の状況などをうかがうことができました。

   また、国際団体の出展区画では、日本貿易振興機構(ジェトロ)、広西チワン族自治区の友好提携先である熊本県及び同県内企業がブースを出展していました。熊本県は、3年連続の出展とのことで、今年は地元の加工食品、酒、工芸品などの展示を行っており、多くの来場者を集めていました。

<ベトナムの出展区画> <多数の来場者で賑わう熊本県ブース>

○「2009南寧国際民歌芸術祭」のオープニングイベント
   10月20日の夕刻には、「2009南寧国際民歌芸術祭」のオープニングイベントとして開催された招宴と野外音楽祭に参加しました。約3万5,000万人収容の南寧民歌広場が会場となった野外音楽祭は、会場を埋め尽くす聴衆を集めるなか、午後8時30分、チワン族をはじめとする少数民族の青少年によるテーマ曲「大地飛歌」の合唱と盛大な花火で幕を開けました。約2時間30分にわたり、王力宏、韓紅、周華健といった有名歌手による歌や国内外の民族音楽が次々と披露された後、ジャッキー・チェンと宋祖英の熱唱により音楽祭は幕を閉じました。今年で11回目を迎えるこの音楽祭は、「中国・アセアン博覧会」が開催されるようになった2004年より、同博覧会と同時期に開催されており、博覧会を盛り上げる重要な併催事業となっています。

   今回見学した音楽祭の規模と水準の高さを通じて、対アセアン交易の一層の拡大に向けた中国の南寧市に対する期待の大きさや、中核交易拠点に求められる文化や情報発信といった機能・魅力を国内外に強くアピールしようとする南寧市の意気込みを感じました。

<大聴衆で埋め尽くされる会場> <花火の打ち上げで熱気も上昇>

 


「第5回北京−東京フォーラム in 大連」に参加して
(所長補佐 角森 一博(京都府派遣))

   本フォーラムは、日中両国の政治的な関係が厳しい状況にあった2005年8月に、民間主導でこうした状況を打開し、日中やアジアの課題を本音で議論し合う対話の舞台を作ることを目的として、日本の「言論NPO」という団体が、中国日報社(チャイナデイリー)等とともに、第1回の会議を北京で開催したのを皮切りとして、毎年、東京と北京で交互に開催してきたものですが、第5回を数える今回は、8月に衆議院議員の総選挙が実施された影響を受けて、11月1日から3日の日程で、北京ではなく、会議の開催を強く希望していた大連市において開催されました。

   会議では、毎回複数の分科会が設置され、日中両国の政治家や有識者、メディア関係者が数多くパネリストとして参加し、活発な議論が展開されてきましたが、昨年東京で開催された第4回の会議から、日中両国の地方自治体のトップ同士の対話・議論を通じて、更なる相互理解と協力を促進させることにより、日中地域間交流の活性化を図るとともに、「戦略的互恵関係」をより強固なものとするため、「地方対話」分科会が新たに設置されることとなりました。

   これを受けて、昨年に引き続き、「地域の国際化」を担う地方自治体の共同組織である当協会から、香山充弘理事長がパネリストとして参加しましたので、今回はその概要を報告させていただきます。

   今回の会議では「世界経済における日中の役割」をメインテーマとして、金融危機後の世界に向けて、日中両国が今後どのような協力を行っていくべきかを中心に活発な議論が行われましたが、11月2日に開催された全体会議の冒頭で、鳩山首相からのメッセージが紹介されるなど、この会議に対する日中両国の期待の大きさを伺い知ることができました。

   2日の午後に開催された「地方対話」分科会では、「地方交流の促進、協力分野の開拓」を議題として、前半では「地方間の交流を促進し、相互に有益な協力関係を推進する」、後半では「都市の発展の機会と挑戦」をテーマとして、日中両国の地方自治体のトップから、各地域での取組み事例を交えつつ、実践的な議論が展開されました。

<「地方対話」分科会の会議の様子>

   香山理事長においては、前半では、公害対策や環境管理目標の設定といった分野において、日本の自治体が国の施策を先導してきた実績を紹介するとともに、@各地域の中小企業の海外進出支援、A両国地域間の青少年交流の促進、において自治体が担う役割の大きさにも言及し、最近のキーワードとなりつつある「東アジア共同体」の気運を地域から盛り上げることの必要性を主張しました。

   後半では、司会者として、都市間交流や住民の創意工夫を引き出すこと等を通じて、各都市の個性を活かして都市を元気にしていくことの必要性や、都市間交流が果たすべき役割と今後の課題に関する様々な議論を取りまとめました。

   また、「地方対話」分科会において主導的な役割を果たした京都府の山田知事からは、「政冷経熱」の度合いがより強くなった日中関係の状況を打開するのがこのフォーラムであり、実際に人々が生活をしている地方同士だからこそ、実りある交流を展開することができるとして、地域間交流の利点を説明しながら、この分科会こそが日中両国の国レベルの交流の基盤を作っていくのではないか、という思いを述べました。

   さらに、フォーラム全体の主要メンバーでもある、増田元総務大臣(前岩手県知事)からは、都市間交流のプラットフォームを構築することの重要性に言及するとともに、都市構造の変化や地域内の人口減少、消費低迷を受けて、海外も含めた外に向けてビジネスチャンスを求める中小企業のために、日中両国の自治体が架け橋となって、ビジネスマッチングを支援することが必要であるとの意見を表明し、こうした自治体を支援するためにクレアが存在している、として当協会の存在意義も口にされました。

<最終日の全体会議の様子>

   最終日となった3日の午前に開催された全体会議では、増田元大臣から、地方が重要な外交プレーヤーとなりつつあることや「草の根レベル」の国際交流の重要性に言及するとともに、青少年交流の一環としてJETプログラムのこれまでの実績も紹介されました。また、山田知事から、日本側の有する環境保全等の分野での経験と、中国側の有する都市化に向けたパワーの両方を活かして協力することが重要性であるとの意見を表明されるとともに、日中地域間の大規模な交流が「東アジア共同体」の基礎を作るのではないか、と述べて「地方対話」分科会の議論を締めくくりました。

   昨年のフォーラムにおいても、地域間交流の窓口機関として、日本側はクレアを指定すべきとの方向性が示されましたが、今年もこのようにして、JETプログラムの実績や、日中地域間の幅広い交流推進において当協会が果たすべき役割について言及されるなど、経済、観光分野での地域間交流が進む中、当事務所に対して寄せられるものと思われる期待の大きさに身の引き締まる思いがしました。

   今後とも、地域間交流の促進を通して「東アジア共同体」の構築に微力ながらも貢献できるよう、自治体の皆様から真に必要とされる支援活動を幅広く展開して参ります。

 


JET経験者からのメッセージ

   今回は、8月25日に揚州市において開催した「JET経験者意見交換会」にご参加いただいた2名の経験者からメッセージが届きましたので、以下に掲載します。

@段 海紅氏(1998年−1999年鹿児島県派遣。現在、江蘇省外事弁公室副処長)
   〜国際交流は相互理解から〜

   8月26日、「第8回日中地域間交流推進セミナー」が当省の揚州市で開催されました。その前日、帰国したJET経験者の交流の場が、クレア北京事務所によって設けられました。クレア本部の上田専務理事、在上海日本総領事館の横井総領事を始め、関係者の方々が交流会に出席し、参加者と親しく交流することができました。

   私は、この交流会に参加して、国際交流員時代の懐かしい思い出が蘇ってきました。また、JET時代の同期生と出会えたことにも驚き、そして嬉しく思いました。隣に座り合っていたのですが、名簿を見るまでは10年前に一緒に北京から出発したことを全く思いだすことができませんでした。10年といえばひとつの時代となります。JETプログラムをこうして長い間継続することは、本当に容易なことではありません。

   思えば、私がJETプログラムに参加したのは1998年でした。当時、社会人になったばかりで、仕事の経験も浅く、不安と新しい生活への憧れの中で、鹿児島での生活を始めました。

   1年は、決して長いとは言えません。しかし、この1年で得たものは、簡単に時間の長短だけで判断することはできません。鹿児島県庁の国際交流課の同僚たちが本当に私のことを身内のように暖かく見守ってくれました。お蔭で仕事も順調に進めることができました。通訳を担当したり、県内の学校を訪問したり、中国語教室や料理教室を開いたり、情報誌を編集したり、イベントを企画したりして、緊張と新鮮さのなかで、知らず知らずのうちに1年が過ぎ去りました。両親には申し訳ないのですが、ホームシックになったことは殆どありませんでした。

   この1年の生活を通じて得たものといえば、言葉はもちろんのこと、それより重要なのは、相手国の風土と人情や、人々の考え方に対する理解でした。同時に、文化の紹介を通じて、自国の文化を再認識することもできました。

<「地方対話」分科会の会議の様子>

   ここ数年、私の後輩が相次いでJETプログラムに参加し戻ってきました。先輩として、彼らの成長ぶりを見るとすごく嬉しかったです。JETプログラムは、多くの人たちに支えられ、賞賛もされていますが、JETに参加することの意味は一体何でしょうか。敢えて一言で言えば、異文化に対する理解が深まることではないでしょうか。特に私たちのような国際交流に携わる者にとっては、JETプログラムは交流の絆を結ぶ貴重な機会となりますが、交流は意思疎通から始まり、そして意思疎通の前提となるのは相互理解です。私は、外事弁公室で日本との交流事業を担当して十数年経ちましたが、何より相互理解の重要さを痛感しております。

   2005年の夏、家族の初めての海外旅行として、私は、鹿児島への里帰りの旅を選びました。去年、話題のテレビドラマ「篤姫」を見て、もう一度桜島への熱い思いが呼び起こされました。鹿児島での生活は本当に懐かしい思い出でいっぱいでした。この場をお借りして、JETプログラムに、そして鹿児島の人々に対して感謝を申し上げたいと思います。

A謝 媛氏(2008年−2009年山口県下関市派遣。現在、青島市外事弁公室勤務)
   〜中日の違いを尊重し共同発展を図ろう〜

   この度、8月25日から27日にかけて、美しい風景を有する江蘇省揚州市で開催された、クレア北京事務所主催の「第8回日中地域間交流推進セミナー」に参加してきました。初日である25日に開催された「JET経験者意見交換会」では先輩の方々の話を聞くことができ、とても勉強になりました。今年の4月9日に帰国して早くも半年が経ちましたが、JET参加者としての1年間を振り返ってみると、感動と幸せで一杯です。

   私は2008年4月から今年の4月まで、山口県下関市国際課で国際交流員として勤務しました。長いようで短かった1年でしたが、充実した楽しい時間を過ごすことができました。

   下関市は本州の最西端に位置し、古くから大陸への窓口としての役割を果たし、中国や韓国との交流が盛んに行われてきました。1979年10月に青島市と友好都市関係を締結しましたが、その後両市は行政部門の交流をはじめ、経済、文化、教育、スポーツ、福祉、青少年、高齢者などの分野において効果的な交流を展開してきました。両市の友好関係は間もなく30周年を迎えますが、友好交流の歴史が私の生まれる前から続いていることに、いつも驚きと感動を覚えています。

   下関に行って一番強く感じたのが人の温かさです。私の着任したニュースが新聞で報道されてからは頻繁に声を掛けていただきました。「生活には慣れてきましたか?」「頑張ってくださいよ!」と近所の方々から毎日励まされ、感動と共にたくさんの勇気をいただきました。また、両市の30年に及ぶ友好交流の歴史を勉強するため、私は下関市内で青島市と友好交流活動を行っている施設を全て訪問しました。学校、病院、新聞社、福祉施設等、どこに行っても親切に対応され、資料をたくさん用意していただき、熱心に色々と教えていただきました。下関市民の優しさや、中日友好に対して30年もの間積み重ねられてきた熱い感情を肌で感じてきました。

   仕事内容としては、日常の翻訳、通訳、訪問団への随行のほか、中国語講座、中国文化講座を行い、さらに、学校、公民館等での出前講座を28回行いました。特に、講座についてですが、市民の皆さんは中国に深い興味を持っており、積極的に申し込んでいただきましたが、毎回定員を超え、抽選で受講者を決定していました。その熱心さに感動しながら、私は毎回授業の内容を一生懸命準備し、時事に合わせた「青島特集」「オリンピック特集」「お正月特集」「中華料理特集」などを作り、中国人の生活のあらゆる部分を紹介しました。また、写真や音声資料をたくさん使い、北京オリンピックの主題歌であった「我和你」や「北国之春」、「甜蜜蜜」などの中国語の歌を教え、皆さんと一緒に楽しく勉強しました。授業には子供から年配の方まで欠かさず参加されましたし、毎回とても盛り上がりました。現在、当時の受講生がビジネス、観光、そして留学のために青島に来られていますが、自分がその方たちに中国文化を伝える最初の窓口になったことを考えると胸が熱くなり幸せな気持ちで一杯です。

   これまで2年間、対日友好交流の仕事に従事してきましたが、下関に行ってから初めて30年間の友好交流の深さ、重さと大切さを一層深く実感し、30周年の重大な意義と両市これからの友好交流の重要性について再認識しました。いくら「国際交流」と言っても、実際に現地に行ってみないと分からないことがあります。国際交流の重い責任を担う私たちは、よく「架け橋」の役割と言われますが、単に日本語が分かり、媒介者となって双方の交流を円滑にすることに止まりません。国際交流の主体は「人」、一番肝心なことも「人」です。お互いに理解し合い、補い合い、助け合い、共同で「互恵発展」を図るのが理想の境地です。そのために中日双方の状況に詳しい、お互いの考え方を理解できる私たちが、JETの貴重な経験を生かし、共同発展を推進するべきなのです。

<「地方対話」分科会の会議の様子>

   日本に赴任する前に、北京で開催されたオリエンテーションで、日本国大使館の道上尚史公使(当時)が、「中日両国は違って当たり前である」という大切なことを教えてくださいました。中国と日本は国の状況、文化、生活習慣など何もかも違っていることはもちろんですが、その違いを十分に尊重することを前提として、双方の「共同発展」を図るべきだと思います。

   現在、私は下関との友情の絆を心に刻んで青島市外事弁公室に戻り、対日友好交流の窓口として勤めています。翻訳、通訳などの業務に限らず、友好都市との連絡、調整、イベントの計画と実施、国際会議の事務手配などの仕事で充実した毎日を送っております。今でも中国語講座受講生の皆さんと文通を続けていますし、10月にまた30周年の記念イベントで下関市に行きます。人生も仕事も新人の私はこれからも力を尽くし、中日友好交流の本当の意味の「架け橋」になるために一生懸命努力していきたいと思っております。

 


「大使公邸における日中交流会」に観光PRブースを出展!
(所長補佐 大山 佳伸(香川県派遣))

   当事務所は、9月27日(日)に北京の日本大使公邸において開催された「大使公邸における日中交流会」に参加し、日本の自治体の観光PRを行いました。

   今年は、当時の大平首相が中国を訪問し、日中文化交流協定に署名してからちょうど30周年という節目に当たることから、在中国日本国大使館、北京日本人会、中国日本商会による三者共催で日中交流会が開催されました。日中友好に貢献した関係者やこれからの日中関係を担う関係者約1,000人が参加した交流会では、北京大学の学生によるソーラン節の演出など日中両国による出し物があったり、日本の自治体や企業がブースを出展して飲食物や関連グッズを提供したりするなど、交流の場を大いに盛り上げていました。

   当事務所は、日本政府観光局(JNTO)北京事務所と共同で観光PRブースを出展し、各自治体のパンフレットや販促グッズを頒布することにより、個人旅行で日本を訪れる観光客に対してもビザが発給されることになった北京において観光PR活動を実施しました。

   なお、その他の日本の自治体については、岩手県大連事務所、宮城県大連事務所、高知県上海事務所、札幌市北京事務所、新潟市北京事務所がそれぞれブースを出展し、観光地や地場産品のPRを積極的に行っていました。

   新型インフルエンザ等の影響で世界各国からの訪日旅行者が減少する中、8月の中国からの訪日旅行者数は、対前年比較で突出した増加を示しています(※1)。これは、インフルエンザ関連の報道が沈静化されたことに加え、7月より個人観光ビザの受付が開始されたことや(※2)、中国政府による4兆元(56兆円。1元=14円で計算)規模の景気刺激策の実施などがその要因として考えられており、当事務所は、今後も訪日旅行者の増加が見込まれる中国において観光PRブースを出展し、自治体のPR活動をサポートしていく予定です。

※1 今年8月における訪日旅行者の対前年比較 ≪JNTO資料より≫
 

2009年8月

2008年8月

伸び率

韓国

191,000人

248,154人

△23.0%

中国

109,100

92,976

17.3

台湾

114,800人

119,255人

△3.7%

米国

58,000人

57,121人

1.5%

香港

47,200人

54,047人

△12.7%

豪州

13,400人

17,231人

△22.2%

タイ

8,100人

8,379人

△3.3%

英国

14,900人

16,274人

△8.4%

カナダ

13,400人

13,156人

1.9%

フランス

13,900人

13,637人

1.9%

ドイツ

8,600人

9,470人

△9.2%

シンガポール

6,900人

7,785人

△11.4%

その他

80,700人

84,537人

△4.5%

※2 個人観光ビザの発給状況 ≪外務省資料より≫
     2009年7月 ・・・ 1,033件(北京:347件、上海: 496件、広州:190件)
     2009年8月 ・・・ 1,294件(北京:303件、上海: 835件、広州:156件)
     2009年9月 ・・・ 2,108件(北京:696件、上海:1,059件、広州:353件)

ステージ上での出し物「昆劇」 大勢の参加者で賑わった会場
   
大盛況のクレア・JNTO共同ブース@ 大盛況のクレア・JNTO共同ブースA

 


第7回中国(済南)国際園林花卉博覧会に参加して
(所長補佐 和田 珠希(和歌山市派遣))

   和歌山市と済南市は友好提携を締結して26年目となりますが、済南市において開催中の「第7回中国(済南)国際園林花卉博覧会」に和歌山市が出展し、開幕式に参加する中、当事務所が活動支援を行いましたので、今回はこの博覧会についてご紹介したいと思います。

   初めに、開催地である済南市についてですが、孔子の生まれ故郷である曲阜や中国「五大山」の1つである泰山、ビールで知られている青島などがある、華北地方に位置した山東省の省都であり、北京市から飛行機で約1時間のところにあります。そして、今回会場として選ばれたのは、この済南市の市街地からバスで約50分のところにある、済南市長清区であります。

   次に、本題である博覧会についてですが、これは2年に1度開催されている中国最大の国際園林花卉博覧会であり、第1回が1997年に大連で開催されて以来、今回で7回目の開催となります。済南市政府によると、中国政府は毎年60億元(約840億円。1元=14円で計算)を緑化に投資してきたが、今年は建国60周年ということもあり、100億元(約1,400億円)を投資し、過去最大規模の博覧会である、とのことでした。

   今回の会期は、2009年9月24日から2010年5月までとなっており、“文化伝承、科学発展”をテーマとして、世界23カ国90都市から108の庭園が展示されています。敷地面積は、344.9ヘクタールで、使用された植物は、灌木46万株強、花卉101万株、水生植物6.9万株、そのうち95%は郷土植物で、新品種は200近くに上ります。

開幕式で披露された「ヤングー」 開幕式会場の様子

   済南市は湧水が豊富で、「水の都」と呼ばれておりますが、泰山や黄河に囲まれた地にあるこの会場も、1962年に建設されたダムを利用して造られた景観湖公園の跡地に造られ、会場内の至るところに池や川が造られるなど、自然環境を上手に利用していました。また、太陽光発電や地熱を利用したり、自然光を室内に取り込む技術を導入したりするなど、会場内の空調設備や照明設備には最先端の技術を駆使して、環境に配慮した取組みもなされていました。

   9月22日には、文化遺産である「ヤングー」という田植え踊りと太鼓で盛大に開幕式が行われ、一般開放初日となった9月24日には、平日にもかかわらず、済南市民を中心に観光バス60台、2万人の来場者がありました。

伝統園林展区 北京市庭園
都市現代展区 新疆ウィグル自治区
国際展区 和歌山市庭園

   長清区の発表によると、10月1日から8日までの大型連休期間中に32万人の観光客が来場するとともに、入場料等の収入は6,500万元(9.1億円)に上っており、これは、それぞれ前年比101%と70%の増加にあたる、とのことです。

   会場内は、大きく公共区、伝統園林展区、都市現代展区、国際展区、斉魯展区の5つに分かれています。公共区では、噴水や公共の花壇、湿地や展覧館などがあり、伝統園林展区及び都市現代展区では、中国国内の48都市から出展された48の庭園、国際展区では、世界19カ国21都市から出展された21の庭園、斉魯展区では、山東省内全17市から出展された17の庭園を見ることができ、建造物を含め、各地の文化や風景、民族などの特色を生かしてデザインされた庭園を見ることができます。国際展区にある「和歌山市庭園」は、和歌山城をモチーフに、中央に石垣を配し、灯篭、多重塔なども用いて日本文化を感じられるデザインでありながら、構図が大胆で現代的な印象を受ける庭園となっていました。その他にも、設計士が作った庭園や、台地や湿地など環境別に分類された庭園などがあり、それぞれの特色を観賞することができます。

   この会場を訪れると、広い中国各地の特色を全て観賞することができるだけではなく、世界各国の景色を楽しむこともできます。各地までわざわざ出かけなくても、園内に入れば世界中の各都市の特色を観賞することができ、写真で見るのとは違い、景色の中に入り込み、実感できるというのが素晴らしいところであると思います。

   今年8月より、関西国際空港と済南空港とを結ぶ直行便が就航し、月曜と金曜の週2便運行され(往復便)、関西エリアからのアクセスはより便利になりました。また、済南市をはじめとする山東省では、今年10月に第11回中国全国体育大会も開催されるということで、済南市においても、各種インフラや施設の整備が急速に進んでいます。

   皆さんも、是非一度この風光明媚な済南市で開催されている国際園林花卉博覧会を訪れてみてはいかがでしょう。

 


「第8回日中地域間交流推進セミナー」開催報告
(所長補佐 角森 一博(京都府派遣))

   8月25日(火)から27日(木)の3日間、鑑真の故郷であり、「日中友好交流の原点」ともいえる江蘇省揚州市において、中国外交部外事管理司及び揚州市人民政府の共催、さらに、在上海日本国総領事館、中国日本友好協会、江蘇省人民政府外事弁公室及び中国社会科学院金融研究所の後援の下、「第8回日中地域間交流推進セミナー」を開催しました。

   今回のセミナーでは、昨年秋に発生した世界的な金融危機を受けて、「地域経済の振興」及び「経済交流の促進」という2つの論点から、新しい形の地域活性化の可能性を探るため、経済問題克服に向けて日中両国の自治体が果たすべき役割を主なテーマとして設定しました。

   26日(水)に開催した本会議には、日中の地方自治体関係者をはじめとする、およそ150名の皆様にご参加いただき、午前中に、両国の自治体トップの方々から、各地域の特長を活かした経済活性化の方向性と具体的な取組みについてご講演いただきました。また、午後に入り、両国の有識者から、金融危機下における日本と中国のマクロ経済状況や日中間貿易・投資の現状、日中地域間経済交流の潮流やその促進に向けた新たな視点等についてご講演いただくとともに、両国自治体の国際交流担当の責任者の方々から、地域間経済交流の具体的事例についてご紹介いただきました。

   また、本会議の会場内には、観光面を中心とする両国の自治体が有する様々な魅力を紹介するPRパネルも設置し、本会議の開催に花を添えたほか、その他、日中両国の地方自治体関係者が多く集まる本セミナーの開催を利用して、「JETプログラム経験者との意見交換会」(後述)や「在中国(香港)自治体事務所会議」など多彩な行事も開催され、本セミナーの開催を通じて参加者の皆様へ多様な交流機会を提供することができました。

   当日の講演者及びその演題は以下のとおりですが、その内容を少し紹介しますと、奈良県の荒井知事からは、トップセールス等による魅力発信や「平城遷都1300年記念事業」など観光振興に係る5つの具体的戦略についてご説明いただくとともに、奈良県及び県内自治体をはじめとする日中韓3カ国の自治体が相互理解を深めるための定期的会合として設立した「東アジア地方政府会合」についてご紹介いただきました。

   また、徳島県の里見副知事からは、LED関連産業の集積を目指す「LEDバレイ構想」についてご説明いただくとともに、そのLEDを地域ブランドとして広く発信する、四国4県共同の「アンテナショップ」設置等により中国との交流を促進する、といった取組みをご紹介いただきました。

   さらに、佐賀県唐津市の吉田副市長からは、地球温暖化対策や少子高齢社会への対応等を推進するための臨時交付金事業や商工業対策、農林水産業対策及び雇用対策とともに、工業団地の造成や地域の特長を生かした教育機関誘致や大学との連携についてもご説明いただきました。

   一方、中国側の各自治体からは、国の景気対策と歩調を合わせる形で実施されている各地域の特長を活かした内需拡大等の取組みを通じて、経済危機を克服しつつあることが紹介されました。揚州市からは、新光源(LED等)、新エネルギー(太陽光発電等)、新素材(シリコン等)という「三新産業」の集積について、青島市からは、ハイアールをはじめとする青島ならではのブランド力の活用や沿海部に位置する地勢を活かした「藍色経済区」の整備及び海洋経済の振興について、重慶市からは、土地使用権制度の改革等を通じた都市部と農村部の二重構造の解消、浦東新区(上海)や濱海新区(天津)に匹敵する対外経済開放拠点となる「両江新区」と四川省、陝西省との連携による「西部デルタ経済圏」の整備構想について、それぞれ紹介されました。そして、いずれの都市からも、日本(及び日本の自治体)との経済、観光、人材交流等の分野での更なる連携を希望する旨が明確に示されました。

   このように今回のセミナーでは、講演者それぞれのお立場から、金融危機を克服するための地域経済の活性化に対して、非常に多くの貴重なご提言をいただきました。記載した以外にも様々なご意見をいただきましたが、これらは、今や「経済共同体」的な関係にある日中両国の自治体が幅広い分野において交流を進めていくうえで非常に示唆に富んだものでありました。今回皆様からいただいたご提言を関係機関が着実に実行することによって、経済分野を中心とする日中の地域間交流、さらには両国全体の交流が大きく発展するものと期待しております。

   私どもクレア北京事務所は、今後とも幅広い分野にわたる日中地域間交流の促進を図ることによって、両国の友好関係の発展に貢献していきたいと考えています。

※「第8回日中地域間交流推進セミナー」本会議登壇者及び表題(登壇者は敬称略)
【午前の部】「自治体トップセミナー」
   ・奈良県知事  荒井 正吾
      「奈良県の経済活性化と地域間経済交流」
   ・揚州市人民政府代市長  謝 正義
      「交流協力の強化による互恵関係の実現を目指す」
   ・青島市人民政府市長助理  武 鉄軍
      「お互いの協力関係を深め、共に繁栄を迎えよう!」
   ・徳島県副知事  里見 光一郎
      「徳島 TOKUSHIMA In Japan」
   ・重慶市発展改革委員会総経済師  黄 朝永
      「内陸部の飛躍 重慶市の先見」
  ・佐賀県唐津市副市長  吉田 勝利
      「唐津市の経済対策&交流事業」
【午後の部】「日中地域間経済交流セミナー」
   ≪特別講演≫
   ・中国社会科学院学部委員・副院長(金融研究所所長兼務) 李 揚 
      「金融危機と中国経済」
   ≪講演≫
   ・日本貿易振興機構北京センター経済信息部長  清水 顕司
      「金融危機と日中間経済」
   ・新潟大学法学部教授  田村 秀
      「日中地域間経済交流の活発化に向けた新たな視点
         〜食によるまちづくり(ご当地グルメ)の取組みを事例として〜」
   ・汕頭大学法学院長  杜 鋼建
      「日中経済一体化と地域経済活性化の取組み」
   ≪事例発表≫
   ・兵庫県産業労働部観光・国際局国際経済課長  緒方 孝昭
      「兵庫・神戸と中国との地域間交流促進に向けて」
   ・江蘇省人民政府外事弁公室副主任  黄 錫強
      「誠意ある日中地域間交流の土台を構築し、新たな互恵関係を創出する」

本会議会場の様子(於:揚州迎賓館) 意見交換会の様子

 


JET経験者意見交換会開催報告(in江蘇省揚州市)
(所長補佐 中司 弓彦(松江市派遣))

   クレア北京事務所では、JETプログラム経験者との連携とともに、JET経験者相互のネットワークを強化するため、JET経験者との意見交換会を定期的に行っております。

   今年度2回目となる今回は、「第8回日中地域間交流推進セミナー」に合わせて、8月25日(火)に江蘇省揚州市において、在上海日本国総領事館、中国外交部外事管理司、JET経験者(15名)、クレア本部など合計24名の皆様にご参加いただきました。

   1992年に中国初のJET青年として派遣された方から、今年春に任期を終えて帰国したばかりの方まで、幅広い世代の皆様にご参加いただきました。帰国後は各地方政府や教育機関など多方面で活躍されており、JET時代の思い出や近況報告などで会場は大いに盛り上がりました。

   参加者からは、日本での経験が人生にとって大きな影響を及ぼしていることや、日本に実際に行って日本の習慣や文化を体験することが、国際交流を進める上で欠かせないこと、あるいは帰国後も好きな日本語を使って日本との友好交流の仕事ができることが幸せである、といった意見が出されました。また、ある参加者からは、食品問題などで日本での中国に対する印象が悪くなった時期にJETとして派遣され、日本の市民に対し中国人として中国の本当の姿を伝えるよう工夫したという体験が紹介されました。現在、帰国後も多くのJET経験者が日本との交流を継続しており、中には家族を連れての初めての海外旅行先がかつてJETにより派遣された日本の地方であったという方もいました。

   JETへの参加により地域における国際理解を進め、任期終了後も日本の良き理解者として母国において日本の良さを伝えることは、JET事業の目的そのものであり、あらためてJET事業の効果とその裾野の広がりを感じました。

   当事務所では、今後もこのような意見交換会を通して、JET経験者相互のネットワークの強化を図っていきたいと考えています。

参加者全員で記念撮影 意見交換会の様子

 


「第11回日中韓3か国地方政府交流シンポジウム」報告
(所長補佐 和田 珠希(和歌山市派遣))

   本シンポジウムは、歴史的、地理的に密接な関係にある日本、中国及び韓国3か国の地方政府間の国際交流・協力をより一層促進することを目的として、1999年から3か国持ち回り制で毎年開催されています。本年は、8月5日(水)及び6日(木)の2日間、吉林省長春市において、中国国際友好城市連合会及び長春市市人民政府の主催により開催されました。

   今回のシンポジウムは、「地方政府の交流と協力を強化し、北東アジア地域の共同発展を促進」をメインテーマとして開催され、日本から37名、中国から151名、そして韓国から74名と、3か国全体で262名が参加しました。

   初日の開会式では、主催者である長春市人民政府の崔傑市長の司会のもと、吉林省人民政府の韓長賦省長と中国国際友好城市連合会の陳昊蘇会長の開会挨拶があり、本シンポジウムを開催する意義を述べるとともに、参加者に対する歓迎の意が示されました。続いて当協会の香山理事長から、開催に際して感謝の意を表するとともに「本シンポジウムはこれまでも国際交流に大いに貢献してきた。今回も実り多きものとなるよう確信している。」との挨拶がありました。

   翌日の基調講演では、「21世紀の北東アジア都市交流協力ネットワークを共に構築」と題して、清華大学国際問題研究所の劉江永教授が、「北東アジアの共同発展を促進するには、日中韓3か国の地方政府及び都市間の交流と協力が必要であり、あらゆる分野において交流協力ネットワークを構築することが必要である。」と述べるとともに、過去の戦争にも触れ、ネットワーク構築にとって国の政治的背景が障害になっており、これを打破するためにも地域間交流と都市間協力が必要であると、国際交流の重要性を述べられました。

   基調講演に引き続き、各国代表の主旨発表と代表発表が行われ、主旨発表では、メインテーマに基づき、日本からは長崎県の藤井健副知事、中国からは長春市の崔市長、韓国からは蔚山市の朴孟雨市長が、地方政府の交流と協力による北東アジアの共同発展の促進について発表され、代表発表では、サブテーマに基づき、日本からは札幌市の小澤正明副市長、中国からはハルビン市の張効廉市長、韓国からは大田市儒城区の陳東圭区長が省エネや環境保護協力による共同発展や青少年交流について発表されました。

   午後からはサブテーマに基づき、3か国の代表による実例発表が行われました。日本からは雲仙市観光物産まちづくり推進本部の中山孝部長、仙台市環境局の坪田忠宏局長、金ケ崎町の高橋由一町長、中国からは三亜市の王勇市長、南寧市の藩和鈞副市長、北京市外務局の田雁副主任、韓国からは慶尚南道南海岸経済室の安承澤室長、大邱市東区の李在晩区長、水原市環境事務所の李相浩所長が、青少年交流、省エネ・環境保全協力、金融危機のもとの地方政府間協力を通じたそれぞれの日中韓交流について、地方政府間の交流や歴史および現在取り組んでいる政策などについて発表を行いました。

   その後、自由討論が行われ、参加者からの質問の後、青少年交流について討論されました。参加者からの質問では、金ヶ崎町の実例発表の内容に対してごみ分別の方法やコスト面に関する質問があり、高橋町長から、燃えるものと燃えないもの、利用できるものと利用できないものという風にわかりやすく分別したことが成功につながったこと、ごみの排出量を削減することによりコストも抑えることができたこと、また町民と企業の環境に対する意識向上と協力によりそれが実現できたことを説明されました。

   青少年交流については、北京市の田副主任から、相手国の歴史や文化を理解することが重要であり、短時間の交流では成果が得られにくいため、趣向を凝らした大型の交流ができれば更に大きな成果が得られるのでは、と日中韓3か国の夏のキャンプ開催の提案があり、大邱市東区の李区長からも現在行っている交流のホームステイの期間を長くすれば効果的であり専門の施設が欲しい旨の発言がありました。また、過去の歴史にこだわらない青少年育成を行い、観光を通じて相手国の歴史文化を理解させ、3か国の交流を推進していきたいと思っており、将来彼らは北東アジアをけん引する力となるであろう、との発言がありました。さらに、日本からは、札幌市の小澤副市長が、日本の子供100人と海外の子供100人で子供サミットを開催し日本の環境大臣に報告書を提出した事例に挙げ、将来を担う子供たちのまちづくりへの関わりの重要性とそれが子供たちの人生観を変えるものとなり得ることを述べ、まちづくりなどテーマを決めた交流が必要であると述べられました。

   いずれも2国間の交流のみに留まらず、3か国間の交流を推進したものであり、子供たちの交流が子供たちを通して、家庭へと持ち帰ることにより情報発信源となり国際交流の推進につながる可能性と、その子供たちの成長に伴う友好交流の将来性に期待をかけた討論会となりました。

   閉会式では、長春市共産党委員会常務委員である随忠誠・常務副市長から閉会の挨拶があり、来年の開催地である長崎県の藤井副知事から長崎県の古くから異国との文化交流があった歴史や、豊かな自然、名所旧跡、祭り、グルメについて紹介がありました。最後には東北地方ならではの文芸演出も鑑賞し、大会は成功裏に閉幕いたしました。

   来年の本シンポジウムは、長崎県で開催される予定となっております。多くの皆さんのご参加をお待ちいたしております。

開会式の様子 自由討論会の様子

 


職員能力開発研修開催報告
〜世界的な金融危機を受けて日中両国地方政府が今後果たすべき役割〜
(所長補佐 中司 弓彦(松江市派遣))

   当事務所では職員が中国の行財政制度等について理解を深めるための研修制度があります。この研修の一環として、7月10日に汕頭(すわとう)大学法学院長の杜鋼建(と こうけん)教授を迎え、約2時間半にわたり、「世界的な金融危機を受けて日中両国地方政府が今後果たすべき役割」と題して講演を行っていただきました。

<能力開発研修の様子>

   杜教授は地域経済振興や地方政府のあり方に関する豊富な研究実績をお持ちであり、今回の講演では、現在日中両国が置かれている経済状況を概観したうえで、日中の両地方政府がどのような施策を実施する必要があるかという内容を中心にお話いただきました。また、多くの日系企業の誘致に成功している、江蘇省南通市や広東省東莞市石龍鎮を例に挙げ、地方政府が外資誘致に成功するために必要な条件は、政府や市民文化が外国企業に対しオープンであることが重要であるという説明がありました。そして、講演の終わりには、これらの成功例をモデルに、日本企業に域内の管理統制を委ねる一種の特区のような地域(杜教授の言葉を借りると「日本園区」)を中国国内にも作るべきという提案がありました。

   本研修会を通じ、地方政府が果たすべき役割の重要性を再認識するとともに、8月に江蘇省揚州市で開催される「第8回日中間地域交流推進セミナー」に向けた貴重な事前学習の場にもなりました。今後の能力開発研修でも、このような経済交流のテーマを中心に、ますます充実させていきたいと思います。

 


第8回日中地域間交流推進セミナー参加募集
〜「日中友好交流の原点」である揚州市から、金融危機克服に向けた日中両国自治体の新しい役割を探る〜
(所長補佐 角森 一博(京都府派遣))

   昨年秋以降の世界的な金融危機の克服に向けて、日中両国ともに大規模な財政出動を伴う雇用確保や内需拡大を中心とする景気刺激策が検討、実施されております。

   こうした中、日中両国の自治体においては、各地域が有する特長を十分に生かした地域経済活性化に資する取組みを検討、実施することにより、中央政府が講じる施策との相乗効果をもたらすことが期待されます。また、観光誘客や環境保全の分野で進められている両国自治体間の経済交流・協力を推進して、互恵関係をさらに強化することにより、金融危機の克服において先導的な役割を担うことも可能となります。

   こうした状況を踏まえ、地域経済振興と経済交流促進という2つの論点から、金融危機を受けて日中両国自治体による地域活性化の可能性を探るため、経済問題克服に向けて自治体が果たすべき役割を主なテーマとして、第8回目となる「日中地域間交流推進セミナー」を次のとおり開催することとなりました。

   セミナーの本会議では、日中両国の自治体首長や経済問題に詳しい有識者による講演や事例発表等を通じて、両国の地域経済活性化や地域間経済交流の構築事例を紹介・検討するとともに、今後、両国の自治体に求められる役割について提言等していただくことにより、両国の自治体をはじめとする関係機関が目指すべき地域経済活性化のあり方等について議論を深め、知見を共有することとします。

   地方自治体関係者をはじめ多くの皆様の参加をお待ちしております。

<第8回日中地域間交流推進セミナー開催概要>
1.開催期間 2009年8月25日(火)〜8月29日(土)
<内訳>   8月25日(火) セミナー受付等
  8月26日(水) セミナー本会議開催
  8月27日(木) 行政視察(揚州経済開発区、揚州港、痩西湖、大明寺)
  8月28日(金) 特別視察(蘇州市 拙政園等)
  8月29日(土) 解散
2.場  所  江蘇省揚州市 揚州迎賓館
3.テ ー マ 世界的な金融危機を受けて日中両国自治体が今後果たすべき役割
〜新たな形の地域経済振興及び経済交流促進の可能性を探る〜
4.主  催 (財)自治体国際化協会北京事務所
5.共  催 中国外交部外事管理司、揚州市人民政府
6.後  援 在上海日本国総領事館(予定)、中国日本友好協会、
江蘇省人民政府外事弁公室、中国社会科学院金融研究所(予定)
7.参  考
@ 中国側からは、外交部及び各省・市等の地方政府が参加予定
A セミナー参加費無料(旅費、宿泊費等は実費負担
B 世界文化遺産である「蘇州古典園林」を代表する「拙政園」や、鑑真ゆ
かりの「大明寺」等を視察するとともに、蘇州市では現地人民政府幹部
による日中地域間の経済交流や地域経済活性化について講演を予定
   
上記概要については、若干変更となる場合もあります。
参加申込みや詳細に関する問合せは、CLAIR北京事務所・角森(TEL:+86-10-6513-8790、e-mail:tsunomori@clair.org.cn)までお願いします。)

 


「2009北京国際旅遊博覧会」に出展しました!
(所長補佐 大山 佳伸(香川県派遣))

   2009年6月18日〜20日、世界の82の国・地域及び中国各地の観光機構・旅行社などがそれぞれの観光資源を紹介する「2009北京国際旅遊博覧会」が北京展覧館で開かれました。当事務所は、観光庁及び日本政府観光局(JNTO)が統括するジャパンパビリオン内に「日本各地展」を出展し、中国の旅行業者や市民に対して日本の自治体等の観光PRを行いました。この博覧会は北京市旅遊局の主催で毎年開催されており、当事務所の参加は4回目となります。

   その他の日本の自治体・団体については、北海道運輸局・北海道観光振興、新潟市、飛騨高山(高山市)、財団法人東京観光財団、横浜企業経営支援財団上海代表処(横浜市)、中部広域観光推進協議会(富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、静岡県、静岡市、浜松市、愛知県、名古屋市、三重県、滋賀県)、西日本・山陽連携(大阪府、兵庫県、岡山県、岡山市、広島県、山口県)、財団法人和歌山県観光連盟、財団法人沖縄観光コンベンションビューローがジャパンブース内にブース出展をしていました。また、山梨県、茨城県からの観光PRの要望を受け、当事務所のブースの一部を提供しました。

■ 北京の旅行業者、一般来場者の動向

   当事務所では、博覧会場においてアンケート調査を実施しましたので、その結果を抜粋してご紹介します。

   一般来場者91名、旅行業者97名の合計188名の方に協力いただきました。一般来場者については、男女比はほぼ半分(男性44名、女性47名)、年代は20代が30%と最も多くなっており、日本を旅行したことのない方が74%を占めました。

   当事務所としましては、この調査結果が各自治体の観光施策の一助となれば幸いです。なお、アンケート方法によっては回答が違ってくる場合がありますので、あくまでも参考としてご覧ください。

【問】 「日本で宿泊場所を選ぶとき、何を重視しますか。」(複数回答可)
【結果】 中国においては日本の温泉や本場の日本食に人気があることから、旅行業者、一般来場者ともに「温泉」「料理」を選択した人が多くなっており、「値段」や「地域」よりも重視する傾向にあることがわかりました。

 

【問】 「日本へ旅行に行ったときに最も体験したいのは何ですか。」(複数回答可)
【結果】 「山、海などの自然風景」、「日本料理」、「お寺、城などの文化遺産」、「買い物」、「温泉」を選択した人が多く、特に日本の各地域にある美しい自然風景に興味がある人が多いようです。こちらについても、旅行業者、一般来場者とも同様な結果になっていました。

 

【問】 「日本への旅行時期は何月が適していると思いますか。」
【結果】 最も多い回答は4月〜5月であり、次いで9月〜10月が旅行に適していると考える人が多いようです。

 

【問】 「日本への旅行期間は何日が適当と思いますか。」
【結果】 6日から9日と答えた方が全体の約6割を占めました。

【問】 「日本への旅行費用はいくらくらい出せますか(適当ですか)。」
【結果】 8,000元(約12万円。1元=15円で計算)以下との回答が70%を超えました。

【問】 「日本のどの都道府県の地名を知っていますか。」(複数回答可)
【旅行業者のみ調査】
【結果】 上位4県は昨年の北京国際旅遊博覧会時で実施した調査と同様、北海道(90.7%)、東京都(79.4%)、大阪府(65.0%)、京都府(56.7%)の順になっていました。昨年に続きトップであった北海道は、道東などを舞台にした中国映画「非誠勿擾」の影響と、上映終了後も中国において積極的に観光PRをしていた効果もあってか、10人中9人が北海道の地名を知っているという結果になっていました。また観光で来日する中国人の定番コースになっている「東京、大阪、京都」についても、昨年より知名度が高くなっていました。以下、5位が長崎県、6位が沖縄県、7位が広島県の順となっていました。

■ 7月1日から訪日観光が個人に開放

   7月1日より、個人旅行で日本を訪れる観光客に対してビザが発給されることになりました。当初の情報では、年収25万元(約375万円)以上が必須条件であるということでしたが、新聞報道等によると、年収基準はあくまでも参考条件であり、申請者の社会的立場なども含めて個別に判断されているとのことです。

   外務省によると、1年間は個人観光ビザの試行期間と位置づけられており、北京、上海、広州における在外公館においてのみビザ申請を受け付けることになっていますが、条件が整えば、中国全土(香港、マカオを除く)において受け付けを開始する予定にしているそうです。

   今回の個人観光ビザの発給開始により、訪日観光客の更なる増加が期待されます。

■ まとめ

   中国からの訪日旅行者は2003年には50万人に満たなかったものの、この6年間で2倍以上増加し、2008年には100万人を突破するに至りました(※1)。

   JNTOの統計によると、中国からの訪日旅行者が1回当たり支出するお土産代の平均消費額は7.87万円となっており、この額は調査対象国の中でトップとなっていました。またその調査の中で最も支出額が多かったのも中国からの旅行者であり、なんと330万円をお土産に使ったとのことでした。

   今年5月における中国人の訪日旅行者は、新型インフルエンザなどの影響により旅行者数が大きく落ち込みました。ただ、新型インフルエンザの影響がほとんどなかった1月から4月までの4カ間における訪日旅行者数については、世界的な金融危機や円高の影響などにより前年同期比で大幅に減少した各国と比べ、中国からの訪日旅行者だけは唯一増加していました。(※2)。

   世界的な金融危機によって低迷した国内経済を活性化するため、中国政府が進めている総額4兆元規模の景気刺激策の効果も徐々に表れていることもあり、中国人富裕層の外国旅行意欲も衰えていないとも言われています。

   このように、中国人の訪日旅行を示すデータを見ても、中国のパワーは底知れないものがあります。観光PRブースで3日間対応した感想として、ここ北京の訪日旅行のニーズは高いと思われ、7月からの個人ビザ解禁措置は訪日旅客促進の絶好のチャンスであるといえます。

   そのため、当事務所では、今後も中国各地で開催される旅遊博覧会等に出展して、日本の自治体の観光や物産等のPRを実施することにより、自治体のPR活動をサポートしていくこととしています。

   なお、今年度の博覧会情報やこれまでの博覧会出展については、下記のホームページをご参照ください。
   http://www.clair.org.cn/message_2009_02.htm

※1 中国の訪日旅行者数推移 ≪JNTO資料≫

2003年 

2004年

2005年

2006年 

2007年

2008年

448,782人

616,009人

652,820人

811,675人

942,439人

1,000,416人

※2 1月から4月までの訪日旅行客数日比較 ≪JNTO資料≫
 

2009年

2008年

伸び率

韓国

458,400人

897,745人

△48.9%

中国

381,200人

363,035人

5.0%

台湾

323,000人

457,476人

△29.4%

米国

212,700人

255,545人

△16.8%

香港

144,200人

175,925人

△18.0%

豪州

78,000人

91,450人

△14.7%

タイ

72,400人

81,030人

△10.7%

英国

63,900人

73,400人

△12.9%

カナダ

51,400人

61,565人

△16.5%

フランス

45,900人

48,359人

△5.1%

ドイツ

37,200人

42,582人

△12.6%

シンガポール

35,700人

45,999人

△22.4%

その他

280,800人

325,093人

△13.6%

   また、今回の博覧会出展にあたり、当事務所にパンフレット等を提供いただいた自治体は以下のとおりです。この場を借りて感謝申し上げます。

北海道小樽市、北海道北見市、北海道稚内市、北海道美深町、北海道遠軽町、北海道平取町、青森県、青森県弘前市、岩手県、宮城県、宮城県仙台市、宮城県大崎市、秋田県、山形県、山形県上山市、茨城県、群馬県、群馬県草通町、埼玉県さいたま市、神奈川県、神奈川県横浜市、神奈川県小田原市、石川県、山梨県、岐阜県飛騨市、岐阜県下呂市、静岡県静岡市、静岡県熱海市、静岡県島田市、静岡県掛川市、静岡県下田市、愛知県名古屋市、愛知県常滑市、愛知県田原市、三重県、三重県伊勢志摩観光コンベンション機構、滋賀県、京都府、京都府京丹後市、大阪府、大阪府大阪市、兵庫県宝塚市、和歌山県和歌山市、和歌山県白浜町、鳥取県、島根県松江市、岡山県、広島県広島市、広島県竹原市、徳島県徳島市、徳島県三好市、香川県、愛媛県、愛媛県今治市、高知県、福岡県、福岡県太宰府市、長崎県、熊本県、宮崎県、鹿児島県、鹿児島県奄美市、沖縄県、沖縄県那覇市(合計64自治体・団体)

<会場となった北京展覧館> <ジャパンパビリオン入口>
 
<クレアブースは大盛況>  

 


自治体職員協力交流事業(LGOTP)意見交換会 開催報告(陝西省)
(所長補佐 瀧口 達弘(北九州市派遣))

   6月24日に、陝西省西安市において、自治体職員協力交流事業(LGOTP)経験者と私どもクレア北京事務所との意見交換会を実施いたしました。

   このLGOTP経験者との意見交換会は今回初めて実施したものであり、当日は、顔 鵬飛氏(2004年度:香川県受入)、程 津慶氏(2006年度:京都府受入)、馮 英姿氏(2006年度:香川県受入)、杜 麗娜氏(2008年度:京都府受入)の4名に参加いただきました。現在の勤務先は、陝西省外事弁公室、省内の旅行会社や大学(日本語教師として勤務)など様々ですが、日本での研修時の感想や現在の活躍状況について意見交換を行いました。

<意見交換会終了後の記念撮影>

   LGOTP経験者からは、日本での研修が非常にいい経験になっている、当時日本でお世話になった方たちと現在でもお互いに連絡を取り合っている、あるいは仕事上でお付合いがある、日本での研修が今の仕事に役立っている、といった話があり、この事業が日中の地域間友好交流に大きく寄与していることを改めて認識することができました。

   LGOTP事業は1998年度に開始され、これまで中国から397名の方が研修員として日本に派遣されております。当協会では、このようなLGOTP経験者との意見交換会を今後も実施することで、LGOTP経験者との連携強化を図り、日中の地域間交流が更に推進されるように努めていきます。

 


JET経験者からのメッセージ

   前号より「JET経験者からのメッセージ」の掲載を開始したところでありますが、今回は、5月4日に開催した「総務大臣との意見交換会」にご参加いただいた2名のJET経験者からメッセージが届きましたので、以下に掲載します。

@李 栄氏(1999年−2000年岐阜県派遣。現在、山東省外事弁公室副主任)

   5月4日、クレア北京事務所の招待を受けて、中国におけるJET経験者の代表として、北京で開催された総務大臣との意見交換会に参加しました。その際に感じた思いを幾つか紹介させていただきます。

   今回の意見交換会は昼食会を兼ねて開催されました。鳩山総務大臣(当時)は着席される前に、我々8名のJET経験者の前に来られ、一人一人と親切に握手を交わすなど、写真で見るよりも優しい方であるように感じられました。

   会議では、まず鳩山大臣と中国外交部外事管理司の陳育明司長から、それぞれJETプログラム事業に対する回顧と評価を含めた挨拶が行われ、我々の自己紹介の後、大臣の質問を受ける形で、各自が日本での生活や仕事のよき思い出を振り返りつつ、活発な意見交換を行いました。

   私は、帰国以来10年間、毎号欠かさず届く当時の勤務先であった岐阜県国際交流センターの情報誌「世界は一つ」をいつも懐かしい思いで熟読しておりますが、意見交換を通じて、1年間暮らした岐阜県で訪れた長良川(鵜飼)、下呂温泉、合掌村、岐山グランドホテルといった観光名所や、一緒に仕事をした岐阜県国際交流センターの同僚のことが頭の中に次々と浮かび、思い出で胸が一杯となりました。

   意見交換会では、参加者全員が懐かしい思い出話に花を咲かせる一方、日中両国の自治体間の交流などについても提案を行いました。私は、国際交流で最も大事なのが人、つまりお互いに理解し合える人材であると発言しました。現在、中国の各省、市外事弁公室の対日本交流担当者の多くは、このJETプログラムに参加し、日本に長期滞在した体験を有しています。こうした方々は現在、日中友好交流の大事な架け橋として、両国の自治体間交流を企画、実行する際の主たる役割を担っていることから、このJETプログラムは非常に有意義な事業で、ぜひ継続して、ますます拡大していただきたいとも提案いたしました。また、将来は日本の多くの青年たちが中国に興味を持ち、「国際交流員」として中国で勤務を行い、双方からの「JET青年」派遣が実現されることを期待しています。

   意見交換会への参加に先立ち、インターネットで鳩山大臣の情報をチェックし、政治理念も少し拝読しましたが、中でも日本文明についての独特な説明に、大変感銘を受けました。大臣によると、
   @日本文明は自然を支配する文明ではなく、「自然と共生する文明」である。
   A日本文明は稲作を中心とする「永劫の再生と循環を信じる文明」である。
   B日本文明は敵を作る文明ではなく、「和をなす文明」である。
   C日本文明は力と闘争の文明ではなく、「美と慈悲の文明」である。

   これらの言葉を目にしたとき、私の頭の中に美しく、優しく、桃源郷のような光景が出てきて、中国の「和諧」という言葉を思い出しました。国の体制が違っても、人種が異なっても、慈悲の心、平和と美を追い求める心は同じであると感じました。

<李栄氏(旅行先の京都市で撮影)>

   ある外国の言葉が分かり、その国に関連する業務に従事することは非常に幸運なことだと思いますが、実は私もそのひとりです。大学を卒業してから20数年来、ずっと山東省人民政府外事弁公室で日本との交流を担当してきました。山東省と日本は地理的な優位性があるとともに、経済面での補完性も強いことから、長期間にわたり、姉妹提携先である山口県と和歌山県に止まらず、兵庫県、群馬県、富山県など日本の数多くの自治体と幅広い交流を展開しています。特に、一昨年末に日本の福田康夫総理大臣(当時)の山東省訪問、今年初めの在青島日本国総領事館の開館を契機として、今後、山東省と日本の間では環境や省エネ分野などでの経済協力が更に強化され、青少年と文化、観光などの交流もますます拡大されていくものと思います。私は省外事弁公室のアジア処と領事管理処を所管する副主任として、必ずJETでの経験を十分に生かし、山東省と日本との交流のために、全力を尽くして行きたいと思っております。

   最後に、岐阜県に滞在中大変お世話になった方々に改めて感謝の意を表しますと同時に、皆様の山東省へのご来訪を心からお待ちしています。

A王 冬氏(2006年−2007年長崎県派遣。現在、北京市人民対外友好協会勤務)

   5月4日に、クレア北京事務所の招待を受けて総務大臣との意見交換会に参加しました。JETで経験した日本のことについて話が弾んでいるうちに、長崎での1年間が私の記憶の隅々から湧き出ました。

   2006年から2007年まで、長崎県庁及び長崎県日中親善協議会で国際交流員として勤務しました。翻訳や通訳は勿論ですが、主な仕事は県民向けの中国語講座でした。

   長崎は、グラバー園や幻想的な彩りを灯す新地中華街など長崎ならではの眺めから、長崎ちゃんぽんやカステラ、角煮饅頭などの名物に至るまで、いずれも外国、特に中国と深い関わりがあるように感じました。古くからの国際都市であるためか、中国人や韓国人などアジア系については、あまり外国人扱いされないようであり、そのお蔭なのか私もあまり外国にいる思いも感じることなく楽しく暮らしていました。

   担当していた中国語講座はレベル順に5講座あり、受講生は総勢で100名あまりおりました。受講生は全員、多少なりとも中国に興味を持っている方々ばかりで、年齢も10歳の小学生から90歳のご年配の方まで幅広く、皆様が張り切って中国語の勉強に取り込んでいる様子にいつも感動しながら、「こうした中国への気持ちを大切にしなければ」と考え、講座ではあまり教材にこだわらずに、「中国歳時記」や「北京イメージ」といったシリーズ物のプリントを作成して、四季折々の中国や北京の佇まいを紹介したり、餃子教室を開いたりするなど、独自の講座を実施しました。そのため、私は自分のことを単なる一講師ではなく、「草の根交流」の使者であると自負しており、長崎との絆を北京まで持ち帰って、北京の職場で再出発しました。

   私が勤務している職場は北京人民対外友好協会であり、北京と外国との民間レベルの交流事業を行うという北京の民間交流窓口としての役割を担っております。民間外交という言葉自体は戦後の日中関係から生まれたイメージを大部分の方が持たれているものと思います。実際、日本との交流事業は本協会の業務の半分以上を占めており、職員が一番多いのは日本部です。その一員として、通訳に限らず、交流事業に関する資料準備や連絡、調整、事務手配に追われている毎日です。つい最近も、本協会と東京都日中友好協会との共催による、約400人が参加した「北京−東京友好都市提携30周年記念行事」のため、身の引き締まる日々を過ごしていました。

   振り返ると、初めて日本を訪問した際も、非常に印象深いものでした。日中国交正常化30周年に当たる2002年の夏に、300人の北京市青少年訪日団と1週間の訪問に同行したのですが、日本の高校生との交流は感動的な場面ばかりでした。片言の英語や筆談で、また共通語である笑顔で、非常に盛り上がり、同行していた私もこうした場面に心を打たれ、別れ際には、自分も涙もろくなってしまいました。記念写真をとったり、住所を交わしたりし、今でも文通を続けている人も少なくないようです。自分が携わることのできた交流の姿を見て、幸福感で胸が一杯になりました。

<JET時代、日本の友人に囲まれて>
(左から3人目の花束を持つ女性が王冬氏)

   また、長いようで短かった国際交流員としての1年間も感慨無量でした。その1年間で「草の根交流」の使者だという考えを常に念頭に置きながら、北京での仕事の延長線であると考え頑張ってきました。中国語講座では教える立場でしたが、いつも受講生の方々からの思いやりや励ましに助けられてきました。もちろん、いつも穏やかで、楽しいことばかりだったわけではありません。最初の頃、梅雨やその後の酷暑、台風など生まれて初めて経験した大自然からの試練や、外国人であることに甘えたい気持ちと裏腹に感じた寂しさやホームシックなどに悩み、北京に戻る日を指折り数えながら待っていたこともありました。しかしながら、JETプログラムから与えられた喜びや悲しみ、友達などすべてが、私にとって素晴らしい経験や糧となって、成長することができました。

   最後に、心からJETプログラムに有難うと一言言わせてください。

 


自治体職員協力交流研修員、日本に向け出発
(所長補佐 瀧口 達弘(北九州市派遣))

<歓送会の様子>

   5月24日(日)の早朝、2009年度の自治体職員協力交流事業の研修員として中国から参加する22名が日本に向けて出発しました。

   出発前日には、北京市内のホテルで、当事務所主催による歓送会を開催し、研修員22名のほか、外交部や中国青年国際人才交流中心、過去の本事業の参加者など、合わせて38名が参加しました。歓送会の席上、研修員は、来賓の方々から激励を受けたり、過去の参加者の経験談を聞いたり、研修員同士での会話を弾ませたりするなど、研修前最後の夜を楽しく過ごしました。

   この事業は、1996年度に開始され、既に13年が経過し、中国からは初年度に14名が参加して以来、今年度の22名を含めて合計397名が参加しております。

   研修員は、日本に渡った後、半年から11カ月にわたり研修を受けることとなります。最初の1カ月で、日本語の習得や日本の地方自治制度等に対する理解を深めるための全体研修を受けた後、事前に決められた日本各地の地方自治体に各自配属され、専門研修を通じてノウハウや技術等を学ぶこととなります。なお、専門研修の分野は、一般行政、観光、環境、経済交流、教育、福祉、農業など多岐にわたっております。

   過去の参加者は、この研修で得た貴重な経験を自国で活かすとともに、日本の地方自治体と中国地方政府との交流の架け橋として活躍しています。

<歓送会を楽しむ研修員> <研修員及び参加者の全体写真>

 


総務大臣とJET経験者との意見交換会開催報告(in 北京市)
(所長補佐 中司 弓彦(松江市派遣))

   鳩山総務大臣とJET経験者との意見交換会を5月4日(月)、北京市内のホテルにおいて開催しました。当日は、総務大臣、岡崎大臣官房総括審議官ら総務省から7名、在中国日本大使館より3名、当協会から6名、中国外交部より2名、JET経験者8名、合計26名が参加しました。

   JET経験者からは、1995年から2008年にかけて岐阜県や北海道などの自治体にそれぞれ派遣され、現在は中国の省級人民政府の外事弁公室や人民対外友好協会などで国際交流業務に従事している方々が参集しました。

   冒頭、大臣からJET事業への協力に対するお礼の言葉が述べられ、中国からのJET事業への参加がさらに拡大するよう、総務省としても努力していくこと、また日中両国の交流をさらに推進するために、日本のよき理解者であるJET経験者が両国の架け橋となるよう期待している旨の発言がありました。

   意見交換会は終始なごやかな雰囲気で行われました。JET経験者からは、国際交流のためには相手の国の文化を知ることが不可欠であり、そのためにJET事業が大きな役割を果たしていることや、地方政府の外事弁公室にJET経験者がいることが国際交流の推進に大きく役に立っていること、また文化交流だけでなく経済や観光の部署での交流が重要であることなどの意見が出され、今後のJET事業の充実に向けて有意義な会合となりました。

   当協会では、このようなJET経験者との意見交換会を定期的に実施しておりますが、今後は、意見交換会の実施のほかに、各種セミナーへの招へいやニューズレター等による情報提供などを通じ、JET経験者との連携を更に強化し、日中間の交流が更に推進されるよう努めていきます。

 


「北京大学中日文化祭」に観光PRブースを出展しました
(所長補佐 大山 佳伸(香川県派遣))

   当事務所は、5月10日(日)、北京大学(学生総数:約37,000名)で開催された「第2回中日文化祭」に観光PRブースを出展しました。日中平和友好条約締結30周年を記念し日中青少年友好交流年と位置付けされた昨年、北京大学の学生達の手によって「第1回中日文化祭」が開催され、メディアにも取り上げられるなど好評だったことから、今年も引き続き第2回が開催されることとなりました。

   観光PRブースでは、北京大学の学生や教授、文化祭に訪れた他大学の学生等に対して各地域の観光PRパンフレットを配布したり、アンケート調査を実施したりするなど、積極的な観光PRを実施しました。

   今年の文化祭のテーマは「環境保護」とされており、世界に誇る環境保護技術を持つ日本企業の取組みなども、展示ブースやパネルにおいて紹介されていました。当協会においても、環境保護分野を含めて専門的な技術や知識、経験を持つ自治体職員を中国各地へ派遣する『自治体国際協力専門家派遣事業』のパネルを作成し、同文化祭において紹介しました。

■ アンケート調査の結果

   当事務所が参加している旅遊博覧会と同様に、訪日旅行の動向をつかむことを目的としたアンケート調査を実施しました。

   アンケート調査には94名の方にご協力いただきました。集計結果において、日本に対して興味を持っている人が多いことや、日本の観光地に求めるもの(温泉、日本料理など)はこれまでの旅遊博覧会の集計結果と同じ傾向でした。

   ここでは、先月の「第6回東アジア国際旅遊博覧会(大連)」で実施したアンケート調査と比較し、特筆だった結果が出たもののみをご紹介します。

【問】  「日本への旅行期間は何日が適当と思いますか。」
【回答】 「第6回東アジア国際旅遊博覧会」と比べると、日本での滞在期間を長めに考えている人の割合が多くなっていました。回答者のほとんどが学生であったためではないかと思われます。

 

(7日以上の回答者の割合)
  ・北京大学中日文化祭 ・・・ 74%
  ・第6回東アジア旅遊博覧会 ・・・ 45%

≪北京大学中日文化祭≫
≪第6回東アジア国際旅遊博覧会≫

【問】  「日本への旅行費用はいくらまで出せますか。」
【回答】 10,000元(約15万円。1元=15円で計算)以上との回答が13%を占めています。これは、「第6回東アジア国際旅遊博覧会」の6%を大きく上回っています。比較的裕福な学生が多いことが考えられます。

≪北京大学中日文化祭≫
≪第6回東アジア国際旅遊博覧会≫

【問】  日本の情報を知りたい場合に何を利用しますか。(複数回答可)
【回答】 「第6回東アジア国際旅遊博覧会」と比べると、多くの人がインターネットと答えています(回答者の3分の2の人がインターネットを選択)。日本に限らず、物心がついた頃からパソコンを使いこなしている大学生の特徴であると思われます。

≪北京大学中日文化祭≫ ≪第6回東アジア国際旅遊博覧会≫
回答者数:94名 回答者数:195名

■ まとめ

   観光分野における日中間の交流を促進するため、今年の7月1日より個人観光客に対しても日本へのビザが条件付きながら発行されます。9年前に日本への団体観光ツアーが解禁になったときと同様、対象地域が限定されており、北京大学のあるここ北京もその地域の中のひとつに入っております。

   今回は将来の富裕層を対象とした観光PRと位置付けて、日本各地のPR活動を実施しました。ただ、来場者から相談を受けたり、パンフレットの要求に応じたりしたときの感想として、日本各地の知名度という点では、北海道、仙台(魯迅の留学先)、東京、京都、大阪以外の地方都市の知名度はかなり低いように感じられました。

   当事務所では、今後もこのような観光PRの機会を利用して、日本の地域の知名度向上を図るために、自治体のPR活動をサポートしていきます。

多くの人がブースを訪問しました 真剣にアンケート調査に答えてくれる大学生

 


中国人JET青年56名が日本へ出発!
(所長補佐 前之園 毅 (奈良県派遣))

   2009年4月7日、北京市内において2009年度JETプログラムにより日本へと出発する中国人JET青年のオリエンテーション及び歓送レセプションが在中国日本大使館主催のもと開催されました。

   今回、日本へ派遣されるのは中国各地域から選抜された国際交流員48名、外国語指導助手8名の計56名です。

   オリエンテーションでは、まず日本大使館の川上文博参事官から「日中関係の現状について」と題しての講演があり、引き続いて当事務所の緒方所長より日本の地方自治制度と当事務所の概要の説明が行なわれました。

   その後、JET−OB参加者3名による体験談の発表があり、当事務所の職員である高調査員も元国際交流員の一人として長崎県で勤務した経験を発表しました。日本での生活を目前に控えたJET青年にとって、先輩の体験談は大変興味深いものであったようであり、真剣な眼差しで聞き入っている様子が印象的でした。

   また、歓送レセプションでは、川上参事官と郁序忠中国外交部外事管理司副司長がそれぞれ挨拶に立ち、JET青年が日本において充実した生活を送ることを願うとともに、日中間の相互理解、地域間交流の促進に尽力し、帰国後も引き続き日中の架け橋として活躍されるよう激励がありました。レセプションは終始和やかな雰囲気のうちに終了し、翌日、JET青年の皆さんは日本へと旅立っていきました。皆さんの日本でのご活躍を心よりお祈りしたいと思います。

      ※「JETプログラム」とは

   日本の地域レベルでの国際交流及び外国語教育の充実を図り、日本と外国との相互理解、地域の国際化の推進に資することを目的に、世界各国から青年を招致し、地方自治体の国際交流担当部局や小・中学校や高等学校において国際交流事業や語学指導に従事する事業。JETプログラムによる中国青年の日本への派遣は、1992年に始まり、2008年まで延べ1,008名に達しています。

   当協会ではこのJETプログラムを円滑に実施するため、日本の関係省庁及び受入団体との連絡調整、受入団体への外国青年の斡旋・配置、受入団体への助言・指導、外国青年に対するオリエンテーション・研修、カウンセリング及びJETプログラムに係る広報活動などを実施しています。

 


「第6回東アジア国際観光博覧会」に出展して
(所長補佐 大山 佳伸(香川県派遣))

   当事務所は、2009年4月17日から19日の3日間、遼寧省の大連市で開催された「第6回東アジア国際観光博覧会」に出展し、日本の地方自治体の観光PRを行いました。

   この博覧会は、中国国家旅遊局、遼寧省政府、大連市政府が共同で主催するもので、当事務所の出展は昨年に引き続き3回目となります。

   例年夏から秋にかけて開催されていましたが、金融危機のもと今年は国内の旅遊交易会と同時に開催されることになり、この時期に開催されることになりました。

   展示総面積は2万uと東アジアの中でも規模の大きい観光展のひとつであり、「第6回東アジア国際観光博覧会」には、海外からは日本、韓国、ロシアなど25の国・地域が参加しており、年々国際色が豊かになってきています。主催者側の発表によると、来場者数は7万8千人(業界関係者4.8万人、一般来場者3万人)でした。

   日本の自治体関係としては、帯広市観光連盟、岩手県、宮城県、新潟県、富山県、山梨県、熱海国際経済交流会、和歌山県観光連盟、九州観光推進機構が出展しました。各ブースとも観光パンフレットを配布したり、アンケート調査を実施したりするなど積極的な観光PRを展開しました。

■ 大連における訪日旅行の動向

   当事務所では、今回、訪日旅行の動向をつかむことを目的にアンケート調査を実施しましたので、その結果を抜粋してご紹介します。

   アンケート調査には195名の方にご協力いただきました。男女比はほぼ半分(男性99名、女性96名)、年代は20代が26.2%と最も多く、約5分の1の方が日本を旅行したことがあると回答し、予想外に多く感じましたが、これは旅行業者の方が中に含まれていたためではないかと思われます。

【問】 「日本で宿泊場所を選ぶとき、何を重視しますか。」(複数回答可)
【回答】 「温泉」を選択した人が最も多く、次いで「料理」、「サービス」と続き、「値段」や「地域」よりも重要視していることがわかりました。

 

【問】 「日本へ旅行に行ったときに最も経験したいのは何ですか。」(複数回答可)
【回答】 「山、海などの自然風景」、「お寺、城などの文化遺産」、「日本料理」、「買い物」、「温泉」を選択した人が多く、特に日本の自然風景を見たい人が多いようです。

 

【問】 「日本への旅行時期は何月が適していると思いますか。」(複数回答可)
【回答】 4月〜6月が旅行に適していると考える人が多いようです。

 

【問】 「日本への旅行期間は何日が適当と思いますか。」
【回答】 6日から9日と答えた方が全体の5割以上となりました。

【問】 「日本への旅行費用はいくらまで出せますか。」
【回答】 8,000元(15円/1元計算で約12万円)以下との回答が7割を超えました。

   アンケート調査の集計結果は、昨年度参加した「北京国際旅遊博覧会(6月)」「東アジア国際観光博覧会(10月)」「広東国際旅遊文化節(11月)」における集計結果と同じ傾向であることがわかりました。これは、中国全体的にいえることなのか、現在のところはっきりしませんが、今後も観光展や機会ある毎に調査を実施し、訪日旅行の動向について、日本の地方自治体へ情報提供していきたいと考えています。

■ まとめ

   日本への団体観光ツアーについては、2000年9月から北京市、上海市、広東省の3地域限定で販売が開始され、2004年9月に天津市、遼寧省、山東省、江蘇省、浙江省にまで拡大されました。その後、2005年7月には地域的な規制はなくなり中国全土において訪日団体ツアー商品の販売が可能となりました。

   今回出展した日本の自治体関係者から話を聞くと、大連市及びその周辺地域では、観光PRがすぐに訪日旅行につながる段階ではないが、潜在的な需要は相当に高いと考えているようです。

   確かに一般来場者の動向を見ていると、日本旅行に興味を持ち始めた段階で、より多くの情報を集めるために、パンフレットをかき集めているように感じられました。

   また、東京、京都、大阪、北海道といった中国で知名度の高い地域のパンフレットを要求する人が多く、日本の地方都市の知名度はかなり低いと感じられました。

   当事務所では、今後も中国各地で開催される観光展等に出展して、日本の地域の知名度向上を図るために、自治体のPR活動をサポートしていきます。

   最後に、今回の出展にあたり、当事務所にパンフレット等をご提供いただいた自治体は以下のとおりです。この場を借りて感謝申し上げます。

北海道、北海道札幌市、北海道旭川市、北海道帯広市、北海道室蘭市、北海道稚内市、北海道岩見沢市、北海道新得町、北海道十勝観光連盟、岩手県、岩手県花巻市、岩手県奥州市、宮城県、宮城県仙台市、秋田県鹿角市、山形県米沢市、福島県、福島県郡山市、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県さいたま市、千葉県、東京都、東京都中央区、東京都板橋区、東京都八王子市、東京都武蔵野市、神奈川県、神奈川県川崎市、神奈川県横浜市、神奈川県箱根町、新潟県、新潟県新潟市、富山県、富山県富山市、石川県、福井県、山梨県、長野県軽井沢町、岐阜県、岐阜県高山市、岐阜県下呂市、静岡県静岡市、静岡県伊豆市、静岡県伊豆東海岸国際観光モデル地区整備推進協議会、愛知県名古屋市、愛知県蒲郡市、滋賀県、京都府、京都府京都市、京都府京丹後市、京都府舞鶴市、大阪府、大阪府東大阪市、大阪観光コンベンション協会、兵庫県、兵庫県神戸市、奈良県、奈良県橿原市、鳥取県鳥取市、鳥取県伯き町、島根県、島根県松江市、岡山県倉敷市、広島県広島市、広島県神石高原町、山口県、山口県山口市、山口県萩市、徳島県、徳島県鳴門市、香川県、愛媛県、愛媛県今治市、愛媛県松山市、福岡県、福岡県太宰府市、佐賀県、佐賀県嬉野市、長崎県、熊本県、鹿児島県、鹿児島県奄美市、沖縄県、九州観光推進機構

会場となった「大連世界博覧広場」 当事務所ブース
多くの人がブースを訪問しました アンケート調査

 


第8回日中地域間交流推進セミナー開催地決定!
〜鑑真ゆかりの江蘇省揚州市から新たな地域活性化の方向性を探る〜
(所長補佐 角森 一博(京都府派遣))

<悠久の歴史を有する「揚州」>

   揚州市は江蘇省の中部に位置する地級市で、面積は6,634ku、人口は459万人(2007年時点)であります。北は淮水と接し、南は長江に臨み、それら2つの大河を結ぶ「京杭大運河」が街のすぐ近くを通っております。

   揚州の歴史は、春秋時代の紀元前486年に呉王であった夫差がこの地に城を築いたことに始まり、それ以来およそ2500年に及ぶ悠久の歴史を有する都市であります。隋代に整備された「京杭大運河」により、揚州は南北の水運交通の要衝となり、隋及び唐代には交易が著しく発展しました。また、かの鑑真の故郷でもあり、唐の天宝年間に揚州から日本へ向けて出港したとされているともに、日本から派遣された遣唐使の多くが揚州を経由して長安に入っていったことからも分かるように、日中間の交流にゆかりのある街であるとも言えます。

   明代以降は塩の集積地としても重要な地位を占めるようになり、こうした豪商達の支援を受け、清代の「揚州八怪」をはじめとする文人(画家等)を数多く輩出してきました。

<近年の経済発展を支える交通インフラ整備と揚州経済開発区>

   近年に入り、揚州と長江対岸に位置する鎮江とを結ぶ中国最大の吊り橋である「潤揚大橋」が2005年に開通した他、2011年の開港に向けて空港も建設中であるなど、交通インフラの整備が急速に進められているとともに、鑑真の時代から国際港として機能してきた揚州港は、万トンクラスのバースが5箇所存在し、5万トンクラスの船舶も停泊可能な国家級のT類開放港湾として重要な位置を占めております。

   また、市の南西部に位置する「揚州経済開発区」は、1992年から建設され、1993年に江蘇省人民政府から省級の開発区として認可されましたが、「新光源、新エネルギー、新素材」という「三新産業」に重点を置き、半導体照明産業や太陽エネルギー産業の集積を進めております。

   JETROの情報によると、現段階で揚州市全域に進出している日系企業は87、駐在邦人数は150名程度ですが、今後のビジネスチャンスが数多く存在している地域であるとも言えます。

<バランスの取れた居住環境と教育環境>

   南北朝期の宋代大明年間に創建された、鑑真ゆかりの大明寺やその南に隣接する痩西湖、塩の集積地として栄えた時代の街並みを保存している双東歴史街区などの観光名所を有しているとともに、こうした歴史的景観と近年の都市化との両立を実現していることから、2006年には、居住環境の改善に著しい成果をあげた団体等に贈られる「国連人間居住計画(ハビタット)賞」を受賞するなど、揚州は世界的に見ても居住環境の優れた街であると言えます。

   また、こうした優れた居住環境を有する揚州とその周辺には、数多くの教育機関が立地しており、110万人に及ぶ労働適齢人口が存在しております。こうした教育機関の代表とも言える揚州大学は、24の学院、47の学部、88の専攻分野を擁する総合大学であり、在校生は5万人余りに達しております。

鑑真ゆかりの大明寺(写真は鑑真記念堂)

揚州最大の観光地とも言える痩西湖

<2009年8月下旬開催「第8回日中地域間交流推進セミナー」>

   2002年度からクレア北京事務所主催で開催している本セミナーは、毎回、日中両国の自治体関係者を中心に多くの方にご参加いただいております。第8回目となります今回は「世界的な金融危機を受け日中両自治体間の新しい形での地域活性化の可能性を探る(仮)」という経済問題に係るテーマを設定し、各界有識者による基調講演や地域経済振興・日中地域間の経済交流に係る先進事例の発表、パネルディスカッション等を行い、実質的かつ有益な議論を展開する予定としております。会議参加料は無料(旅費、宿泊費等は実費負担)となっておりますので、自治体関係者、特に産業振興や国際経済の分野で活躍している皆様をはじめ数多くの方々にご参加いただき、本セミナーで展開される議論等を通じて、各都市・地域において実施される地域活性化施策への一助となれば幸甚です

 


JET経験者意見交換会開催報告(in吉林省)
(所長補佐 前之園 毅(奈良県派遣))

   去る3月20日に、吉林省長春市においてJET経験者意見交換会を開催しました。

   当事務所では、JET経験者の方々との連携を深めることを目的として、中国各地で年2〜3回程度「JET経験者意見交換会」を開催しており、今回で17回目となります。今回は、吉林省在住のJET経験者11名に加えて、在中国日本国大使館、中国外交部外事管理司、吉林省外事弁公室からもそれぞれご出席いただき、総勢18名の会合となりました。

   意見交換会では、JET経験者の方々に近況報告やJET事業に関するご意見を伺いました。ほとんどの方が帰国された今も日本と接点のある業務に携わっておられ、JETとしての経験を活かして日中地方交流の最前線で活躍されている様子が覗えたほか、JET事業の発展のため、受入れ側の自治体がどのようにJET青年を活用するべきなのか等、経験者ならではの示唆に富んだご意見も頂戴しました。また、同席していただいた日本大使館や中国外交部のJET担当者も出席者の発言に熱心に耳を傾けておりました。

   日本の地方を舞台として活躍されたJET経験者の方々は、良き日本の理解者であるとともに、日中地方交流の現場で活躍された貴重な人材であり、日中交流を推進していく上で、その皆様との連携を強化していくことは大変重要です。当事務所としましても、このような意見交換会を今後も開催していくともに、今回いただいたご意見を参考にしながら、JET経験者の皆様とのネットワークづくりを模索していきたいと思います。

 


自治体国際協力専門家派遣事業・被災地視察同行報告(四川省・震災復興及び環境保全)
(主任調査員 金 丹実)

   2008年5月の大地震により被災した四川省からの要請を受けて、クレア及び日本の自治体として、できる限りの震災支援と国際貢献を行うべく、自治体国際協力専門家派遣事業のスキームを活用して、省内各地方政府を対象に開催された研修の講師として、3名の自治体職員を派遣しました。

   この研修は「災害復旧及び四川生態省(環境保全と経済成長の調和という観点から、各種指標により国が指定したモデル地域)づくりについて」というテーマに基づき、同年10月28日に四川省の省都である成都市で開催されたものであり、汶川県など主要被災地を含む68県(県級市、市轄区)と一部の地級市の首長をはじめとする幹部職員が約90名参加しました。中国環境保護部の幹部職員等と並んで、震災復興の経験を有する兵庫県と新潟県、そして尾瀬国立公園を有する群馬県から派遣された、震災復旧と環境保全の専門家の皆様が講師として、環境に配慮した震災復興と環境保全の取組み事例を紹介しました。

   また、研修終了後に被災地を視察し、被災状況や再建の進捗等について説明を受けた際にも、日本の被災事情や復興経験を踏まえた助言を行いました。今回は同行通訳として立ち会ったその一部始終を紹介させていただきます。

○上記研修における専門家3名の講義概要
<その1> 兵庫県の震災復興経験に基づく市街地震災復興と都市計画

   兵庫県上郡土木事務所の土木調整専門員である斉藤和夫氏が講師を勤め、阪神・淡路大震災の被災状況や兵庫県の震災復興に向けた取組みを説明されました。特に、市街地の震災復興の中で都市機能の代替性や防災機能を強調した都市計画や震災から5年後の復旧作業検証事業については、四川省にも参考になるとのコメントが寄せられました。

<その2> 中越地震:応急対策から創造的復興に向けて〜持続可能な地域再生を目指して〜
   新潟県長岡地域振興局企画振興部参事の渡辺斉氏が講師を勤められたが、山間部・農村部の被災が甚大という点で四川大地震は中越地震と共通点を有することから、中山間地域の壊滅状況、再生構想や復旧住宅の設計内容、その過程における住民の合意形成のプロセス、被災者への補償や支援等に対して強い関心が寄せられました。休憩時間においても、住民との合意形成や、補償の実態、被災者への持続的な支援のあり方などについて、被災地の首長から質問が相次ぐなど、財政基盤の弱い県級地方政府の厳しい様子も伝わってきました。

<その3> 日本における地域環境保全〜生態都市建設に向けて〜
   群馬県衛生環境研究所主席研究員の中島右氏が講師を勤められ、群馬県と四川省の地形、産業などの類似点や相違点を比較しながら説明することで、群馬県及び日本の環境課題に参加者の関心を引き付けるとともに、日本の公害経験や自治体が地域環境保全に果たした役割を説明し、群馬県の大気汚染、水質汚濁、企業への監督や指導、自然保護事例(尾瀬)、技術開発事例を紹介されました。講義終了後も予定時間を超えて質疑応答が相次ぎ、現地における問題意識の高さや環境課題の大きさを感じることができました。

○四川省の環境保全に係る意見交換
   また、四川省環境保全局の幹部職員が出席する中、自治体が行う環境問題への取組みについて意見交換会が開催され、先方からの質問に対して、3名の専門家がそれぞれの自治体の事例を挙げて回答しました。この意見交換会を通じて、四川省においては、日本における環境アセスメント制度及びその運用状況、生態環境保全の取組み状況、環境汚染の監督システムと市民参加、震災発生後の汚染物除去対策、地下水のモニタリング等に関心が高いことが分かるとともに、中国の省級政府と日本の都道府県では、環境部局の職能や業務で一致する部分が多いことも確認できました。

○被災地の視察
   さらに、同年10月29日及び30日の両日にわたり、各被災地を3名の専門家が訪問しました。その場でも質疑応答が盛んに行われましたが、各被災地を訪問した概要を以下で紹介します。(ただし、データは昨年10月末時点のもの)

<その1> 綿竹市
   全人口51万のうち11,104人が死亡するとともに、90%の家屋が倒壊したため、合わせて46万458人が仮設住宅で暮らしていました。特に、人命被害が集中し街全体が被災した漢旺鎮では、地震発生時刻の午後2時28分で止まった時計台(下記左写真)が、震災の大きさを物語っているようでした。
   その後訪問した東方タービン工場(下記右写真)では、約900人の死者を出して操業がストップしている様子を目の当たりにして、被災状況の厳しさを痛感させられました。

<その2> 什邡市
   震災で5,924人が死亡し、全人口43万人のうち、41万2000人が被災し、約34万人が仮設住宅に暮らしているとの話でした。震災直後には、大手燐肥工場である什邡仕化公司(右写真)でアンモニア漏出による二次災害が危ぶまれたため、国や省環境保全局からも現場に要員が派遣され、市環境部局職員らは全力で危険物質除去作業を行い下流域の飲料水の安全を確保したそうです。同市環境保護局は官舎が被災したため、訪問時でもプレハブハウス内で執務していました。

<その3> 都江堰市
   最後に訪問した都江堰市は、世界遺産に登録された2200年前の水利工事である都江堰で有名ですが、震源地と20kmしか離れておらず、今回の震災では3,069人の命が奪われ、世界遺産の一部である二王廟(都江堰ダムを建造した李氷父子を祀った寺)がほぼ全壊するなどの被災を受けました。
   今回訪問した際に見た都江堰ダム本体にも、川の流れを分ける「魚嘴」といわれる部分にひびが入るなど、震災の傷跡の深刻さを垣間見ました。

<その4> 仮設住宅の様子
   四川大地震では1000万人以上が被災し、400万戸の仮設住宅に約800万人が暮らしていました。仮説住宅は概ね20u均一の4人家族向けで、台所、洗面台、トイレは5、6世帯の共同使用となっております。被災者には、政府から1人1日あたり10元(約150円)の震災手当が年末(2008年末)まで支給されるほか、国内外から集まった寄付物資により、基本的な生活は保障されている模様でした。
   現地住民の話によると、政府は、震災で家を失った被災者をできる限り村単位、企業単位で1つのエリアにまとめ、コミュニティ機能の維持・復活に努めており、保健所も設置されておりました。また、住民においても自主的に売店を運営するなど、以前の賑わいを取り戻しつつあるようでした。

<その5> 現場視察を終えた専門家の感想
   まず、兵庫県の斉藤氏は、住民の生き生きとした顔に強い印象を持たれるとともに、被災者が仮設住宅で売店や理髪店等を営む姿を見て、「日本では仮設住宅に店舗を出すことが法律で禁じられているが、被災者が未来を持って生きていくためにも、中国のこうした対応を日本でも参考にすべきではないか」との意見を出されました。

 写真左から、渡辺氏、仮設住宅で保健医を努める
 女性、斉藤氏、中島氏

   また、新潟県の渡辺氏は、通路を挟んで向かい合っている仮設住宅の配置を見て、「日本では阪神・淡路大震災の後期に孤独死が発生したことから、中越地震ではこの教訓を生かして、仮設住宅の入り口を向かい合わせにし、住民が声を掛け合えるよう工夫したが、ここでは既に取り入れられ、コミュニティが形成されている」とコメントし、経験を共有するため、新潟への訪問を要請されました。
   さらに、群馬県の中島氏は、「中国では50年前の建築でもアスベストを使用していないとの話だが、改めてアスベストの有無を検査する必要がある」とコメントし、地下埋設物からの有害物質の漏出や地下水への影響は徐々に表面化することから、継続的にモニタリングを行う必要があるとのアドバイスを四川省環境保護局職員にされました。


○おわりに

   今回の同行を通じて、専門家からは被災地に対する経験を踏まえたアドバイスや激励が、四川省側からは地元の制度・文化から被災状況に係る説明がそれぞれなされ、双方の間で心と心の交流が生まれたことを目の当たりにしました。自治体レベルの、こうした交流の積み重ねが真の相互理解と信頼関係を構築し、互恵的な経済交流といった展望も開けてくるのではないかと率直に感じました。
   最後に、この場をお借りしまして、ご多忙中にもかかわらず四川省にお越しいただいた3名の専門家の皆様と、震災復興に向けてこの専門家派遣事業を活用していただいた四川省人民政府の関係者各位に心から御礼を申し上げます。


JTB旅行情報センターの開設
(所長補佐 和光 達夫(山梨県派遣))

   2009年1月、JTB CHINAグループに所属する「JTBコンサルティング北京有限公司」は、中国国内では初めて一般の中国人を対象にした常設の旅行情報センター(JNTO公認中国内第一号店:140u)を開設した。

   同センターは、北京市北西部のイオンモールショッピングセンター内にあり、ターゲット層は周辺のベットタウンに居住する富裕層としている。車20分圏エリアには200万人が居住すると推定され、実際、週末には3,000台の収容能力がある駐車スペースが埋まると聞く。

   また、同センターの特徴として、店舗内にイベントスペース・観光プロモーションエリア(有料:約40u)を設けていることである。エリアでは、展示台での各種展示・ポスター掲示・パンフレット設置・DVD放映が常時可能となっている。

   当事務所では、このスペースを利用することにより、日本の地域の観光PRを効果的に図れるのではないかと着目している。また、隣接するスーパー部門のジャスコにおいて物産PRも同時展開できることから、地方自治体にとっての活用度は高いと思われる。実際、1月の春節(旧正月)前に青森県知事がリンゴPRのトップセールスを実施している。

   さらに、ジャスコでは月3回、10万枚のチラシを周辺地域に配布している。日本の新聞折込広告と同様のものであるが、観光・物産PR実施時には同チラシへの掲載もできるため集客も図りやすい。

※詳細については下記へご連絡ください。

・所在地    北京市昌平区北清路1号
          イオン北京国際商城ショッピングセンター専門店街105区画
・開店時間  年中無休 午前10時〜午後10時(職員常駐)
・担当者    JTBコンサルティング北京有限公司 小林経理
           TEL:(86-10)8070-0821
           FAX:(86-10)8070-0822
           E-mail:skobayashi@hqjtbchina.com.cn

(JTB旅行情報センター) (イベントスペース)

 


職員能力開発研修報告〜日本への効果的な観光誘致策について〜
(所長補佐 橋本浩之(京都市派遣))

   当事務所では職員が中国の行財政制度等について理解を深めるための研修制度があります。

   この研修の一環として、3月12日(木)、中国の旅行番組の人気司会者である那威氏を当事務所に講師として招き、約2時間にわたり、中国における日本への効果的な観光誘致策についての学習会(研修)を行いました。

   中国からの観光客誘致は日本の多くの地方自治体にとり重要なテーマで、前回の毛丹青氏に続き、今回の研修でも、中国からの効果的な観光客誘致には何が必要で、現在、何が不足しているかなど、時折、ユーモアを交えながら那氏自身が日本を訪問した際に感じたことなどを中心に貴重な話を聞くことができました。

   那氏によると、自身の旅行番組を通じて世界のほとんどの国を旅行した経験があるということで、日本へもプライベートを含め数回、旅行に行ったことがあるとのことでした。

   講義では、まず那氏個人の日本への印象、一般中国人が持つ日本への印象を話され、その後、そういった印象を持つ中国の人々に対し、どのような誘致策を展開すれば効果があるのかということを、具体例を示しながら話されました。

   効果的な日本への中国人観光客誘致策として那氏が強調したのは以下の3点です。
   @ 持続的なPRが重要
   A 有名人を利用したメディアの活用
   B 観光地の特徴を「特化」

   まず@の「持続的なPR」についてですが、那氏によると観光客を誘致するということは困難なことだが、短期的で即効性のある効果を求めるのではなく、継続的に観光PRを行っていくことが重要であるということです。

   A の「有名人を利用したメディアの活用」ということでは、紙媒体の新聞・雑誌ではなく、テレビなどの視覚メディアにお金をかけることが重要であることを、中国の有名な歌手である孫悦さんが韓国の観光イメージ大使に就任し、視覚メディアにおいて韓国への観光をPRしたところ、中国から韓国への観光客が急増した例を挙げながら説明されました。

   B の「観光地の特徴を「特化」」ということでは、那氏は、1つの例として中国人観光客に知られていない日本の地名を挙げ、その「知られていない」という点を逆に特徴とし、「最も知られていない秘境」等、観光客を引きつける「物語」を作り出し、PRをすることが効果的であると強調されました。

   これらの提言は、那氏が長年、旅行番組の取材のため、世界各国の観光地を訪問し、那氏自身が1人の「観光客」として感じたことから得た結論に基づくもので、非常に説得力がありました。

   今回の講演を通じ、日本への効果的な観光誘致策等について改めて理解することができ、非常に有意義な学習会となりました。

 


自治体国際協力専門家派遣事業同行報告(災害医療・四川省広元市)
(主任調査員 金 丹実)

   当協会では、日本の自治体関係者が有する技術や知識を国際協力の分野で有効に活用し、海外地方政府の技術力の向上を図り、友好協力関係を強化する目的で、自治体国際協力専門家を、派遣要望のある海外自治体へ派遣して指導を行う事業を実施している。

   昨年は農林業、医療・災害救援、震災復興、環境保全などの分野で計10件、12名の専門家を中国に派遣し、現地の課題解決に資すると同時に、当該地域との交流を深めた。

   そのうち大震災で甚大な被害を受けた四川省人民政府からの要望により、災害医療、震災復興・環境保全分野の自治体国際協力専門家計4名を広元市と成都市に派遣し、指導を行ったので、2回にわけて同行報告を掲載する。

1 概 要
  (1) 同行日程(指導日程) 9月11日(日)〜18日(木)
  (2) 派遣先及び指導内容 四川省広元市中心病院  経皮気管切開術・災害医療
  (3) 専門家職氏名 札幌医科大学高度救命センター  丹野克俊 氏

2 内 容
(1)派遣経緯等
   この案件は、四川震災後に、当事務所から義捐金の送付とともに、金銭以外の形式でどのような支援が可能かと地元政府に打診したことに対してあがってきたニーズである。

   当事業では、当協会が専門家の渡航費を負担し、受入側地方政府が滞在費を負担するほか通訳を用意することが原則であるが、広元市が先般の震災で死亡者4480人の人命損失を出した重大被災地であること、現地で医療通訳が可能な通訳者の確保が困難であることなどから、特例措置として、当事務所職員が同行・通訳を行うこととなった。

(2)現地の対応
   9月11日(日)の朝、北京市内のホテルで専門家と合流し、CA141便にて北京首都国際空港を出発し、12時30分、成都に到着。事前調整においてコーディネーターを務めた広元市中心病院の心臓外科主任・殷君太先生と同科研科・何科長の出迎えを受け、四川省外国専門家局主催の意見交換会に出席。侯局長以下幹部が出そろい、当協会がこれまで同省に農林業、都市計画、環境分野での専門家を派遣してきた実績を評価し、今回の医療専門家の緊急派遣に対し、謝意を表明した。その後、専用車で約3時間半の移動後、広元市に到着。広元市中心病院主催の歓迎夕食会終了後、ホテルにチェックイン。広元市滞在中、公開講座や指導日程の合間に、同病院および市人事局などとの間で様々な形で交流の機会が設けられた。

(左から)広元中心病院何科長、四川省外国専家局楊副局長、
丹野専門家、侯局長、金(筆者)、王前副局長、殷主任

(3)指導の状況
公開講座(1):気管経皮切開術(穿刺)について 9月12日(金)午前9時〜11時30分

   広元市人事局羅科長が冒頭あいさつで派遣経緯を説明し、当協会と専門家本人に謝意を述べ、高院長からは、体調不良にもかかわらず講座を続行される専門家に敬意が表された。丹野専門家も、前夜世話になった病院側に陳謝、同病院の施設、医療水準に敬意を表した。

   続く公開講演は、中国語に翻訳済みのパワーポイントやDVD映像を使って、気管経皮切開術の原理、操作プロセスを説明し、3種類のチューブセットの操作要領について、サンプルを用いて説明。心臓外科や救急医療科の医師、看護婦など約100人が、専門家の説明に聞き入り、施術条件、指標などについての質疑が相次ぎ、同技術へのニーズの高さを窺わせた。プレゼンに用いられたサンプル3セットは同病院に寄贈された。

   講座終了後、最も使いやすい先進タイプに関心が殺到。院長や複数の科の医師が手放さず、購入意欲を示したが、医療機器の輸出入規制がきびしい旨を伝え、メーカー名を示すにとどめた。

☆ 経皮切開術
   在来の気管・胸腔切開術などと違って、わずかな切り口からチューブを挿入して患者へのダメージを最小限にし、ベッドサイドで施術可能な新手法。気管チューブと胸腔チューブがある。

   気管チューブ:呼吸停止又は呼吸微弱の際に呼吸を補助する目的で用いる、挿管しての人工呼吸管理。胸腔チューブ:胸腔ドレーンを用いての排液、脱気。気胸もしくは血胸の際の排液、脱気を目的に用いる。

公開講座(2):日本の災害医療支援活動について 9月12日(金)午後 15時〜17時30分

   写真や映像、パワーポイント資料を見せながら、日本災害派遣医療チーム(TMAT)の仕組みや日本国内における活動、四川震災時に広元市青川県に派遣された日本国際緊急救助隊(JDR)のレスキュー事例などを紹介した。

   特に青川県に派遣された日本の国際救助隊員らが丹野専門家と一緒に訓練している場面や、隊員らの生の声が紹介されると会場がざわついた。震災など大規模災難が発生した際、救助における優先順位、医療マニュアル、現場経験をふまえた心得などは、医療関係者などに参考になると感じた。

公開講座(3):日本における外傷初期診療について 9月16日(火)16:00〜17:30

   現地入りしてから追加実施した講座である。医師らが経験豊富であることから、当初、2回を予定した動物実験を1回に減らし、日本で若手医師を対象に実施している災害医療&緊急医療研修プログラムを急診科医師やその他の若手医師らを対象に行うことを提案、即実施が決定した。

   受講者は、同病院の若手医者、実習医・看護婦ら計80名余り。前半は、パワーポイントを用いた講演により日本の外傷初期診療においてよく発生するミス、診療手順の骨子や診療の注意事項を紹介。後半は複数名の医者の協力を得て、緊急外科患者を診療するプロセスや留意点についての実演だったが、専門家のユーモアあふれる説明に、時折笑い声があがり、診療経験の少ない若手医者や実習医らから、大変参考になる講座だったとコメントをいただいた。中堅医師からは、先進国の緊急医療の基本を知ることは、同病院の外傷初期診療体制を点検する参照になったと評価を受けた。

公開講座(4):動物を用いた気管経皮切開術の実演  9月17日(水)15:00〜17:30 

   犬を用いて、経皮気管切開術及び胸腔ドレナージの施術を行った。初日のプレゼンを通じ、医師らが要領を把握できたとの判断のもと、胸外科の殷主任と麻酔科の趙主任に執刀してもらい、3名の看護婦が協力し、専門家が付き添って指導した。

   医師らが犬に詳しくないため、麻酔に手間取り、また犬の気管が狭すぎるため、ガイドワイヤの挿入が困難になり、専門家の指導でようやく挿入に成功した。日本から持参した手術セットは成人用であるため、ガイディングカテーテルや気管チューブの挿入がとうてい無理と判断し、ガイドワイヤの挿入だけで気管切開術の実演を終了した。胸腔ドレナージについては、殷主任が執刀。犬の胸腔を切開し、ガイドワイヤを正確に挿入するまで5分しかかからず、順調であった。

(4)現地視察
   当事業では、自治体専門家側にとっても、収穫が得られるように、現地視察や関係者 との意見交換の場を設けている。

   指導日程の合間に、殷主任らの案内により、広元市同病院の急診室、輸液室、留置室、手術室及びICUなど救急施設を見学。途中で、SARSのときに日本政府から同病院に寄付した医療器材を病院関係者が見せてくれ、専門家に向け、日本への謝意を表明する場面もあった。医療講師である専門家にとって、中国の地方病院をじっくりと視察できたことは、参考になったのではと思われる。

   なお、丹野専門家が現役の国際緊急救助隊員であることから、重要被災地・青川県の視察を事前に設定していたが、マグニチュード4.4、5.2度の余震が相次ぎ、また雨が降り続いていたため、慎重を期して同計画を取りやめた。

   その代案として提案のあった広元周辺視察でも、いたるところで痛ましい震災の爪痕が目立った。市内から20キロ離れた三国志ゆかりの剣門関や、則天武后ゆかり皇則寺、秦の時代の古桟道等はいずれも補修のため限定開放中であり、復旧への道程は遠いと感じた。

   市内では、仮設住宅が時折目に入り、テントも一部残っていた。まだ余震が続いているので、撤去しないという説明だったが、市民らは余震に慣れているらしく、100キロ先の青川県でマグニチュード5.5の余震が起き、市内で実際、震度4前後の地震を体感した際も、街は普通に賑わい、市民らの精神的な強さを感じた。

3 感想
   医療分野の技術指導の成果をすぐに数字で示すのは難しいが、四川省外国専家局、広元市人事局、同市病院関係者等が同事業に重ねて謝意を表し、『人民日報』(政府系全国誌)海外版9月30日付で今回派遣の報道が掲載されたことから、現地地方政府への貢献は概ね評価できると思われる。

   特に今回は、滞在期間中により多くのノウハウを伝えようとする専門家の熱意とスキルが関係者に高く評価されていると感じた。

   ちなみに、震災後、外国専門家がやってきて医療分野の指導を行うのは日本が初めてというコメントもあり、青川県での日本国際救急隊員の活躍と合わせて、感謝を持って受け入れられた。震災の痛みが生々しい時点で、的確に対応し、現地に専門家を派遣できたことも、事業効果をいっそう高めたと思う。

   最後に、自治体専門家派遣事業の大きな特徴は、所定分野での業務指導を通じて課題解決に資し、当該地方政府と派遣自治体の交流・連携が図られるほか、自治体専門家と現地の人々との顔の見える草の根交流を通じて、日中の相互理解と友情が大きく増進されることである。余震のため被災地視察を取りやめた日、広元市周辺を案内したガイドの徐麗さん(20歳、上の写真)は青川県出身で、震災後、孤立した山村で救援を待っている時に現れた救援部隊の中に、日本の国際緊急救助隊員の姿があったという両親の感激を専門家に語ろうとした時、徐さんは思わず涙を浮かべ、「震災を機に、日本人へのイメージが変わった。感謝しています」とも話した。今回、病中でも中国側へ礼儀を持って対応し、指導業務をこなされた丹野専門家のことも、現地にとって、また1つ日本人の伝説になるかもしれない。

   本案件で当協会職員がフル同行し、指導の全日程の通訳を務めたことも、当協会、そして日本の自治体のPRになり、微力ながら四川省とのギブアンドテイクのウインウイン関係の構築に繋がったのではと期待している。

 


職員能力開発研修報告〜中国における効果的な観光誘致政策について〜
(所長補佐 橋本浩之(京都市派遣))

   当事務所では職員が中国の行財政制度等について理解を深めるための研修制度があります。

   この研修の一環として、2月9日(月)、作家でYOKOSO!JAPAN大使でもある毛丹青氏を当事務所に講師としてお招きし、約2時間にわたり、中国における効果的な観光誘致策についての学習会(研修)を行いました。

   中国からの観光客誘致は日本の多くの地方自治体にとり重要なテーマで、今回の研修では、中国からの効果的な観光客誘致には何が必要で、現在、何が不足しているかなど、時折、ユーモアを交えながら毛氏の自らの体験に基づく貴重な話を聞くことができました。

   毛氏によると、@地理的関係(海を隔てた隣国)A文化関係(同じ漢字を使用)B政治関係(現政権の対日政策)の3つの点から今後、中国から日本への観光客が増え続けることは間違いないということです。ただそれに対応する日本国内の体制、特に中国語のガイドが不足しており、この問題の解決が急務であるということです。こうした外国人観光客の受入体制整備の必要性という点は、ややもすると誘致策一辺倒になりがちな私達、地方自治体に勤める者にとって、示唆に富む話でした。

   また毛氏が考案したメディアを使った新しい形の誘致策も紹介していただきました。

   これは、多くの日本の地方自治体がこれまで実施している旅行博への出展、ファムトリップと呼ばれる旅行造成担当者を対象とした定形的な下見招待旅行ではなく、一般大衆を魅了するような資質・技能を持った人、「カリスマ」と一緒に日本を旅行し、その「カリスマ」を通じて日本の魅力を中国の人々に紹介していくという方法です。実際にこれまで、毛氏は中国の著名な作家と日本を旅行し、その旅行記を本として出版、その本がベストセラーとなり、日本への関心を高める等、多くの効果を上げているとのことでした。

   今回の学習会では、私たち地方自治体職員が中国人観光誘致策を推進していく上で、どういった方法が効率的で、また最大の効果を得ることができるか等、改めて理解することができ、非常に有意義な研修となりました。

 


「第5回東アジア国際観光博覧会」に出展して
(所長補佐 和光 達夫(山梨県派遣))

   当事務所は、2008年10月10日から12日の3日間、遼寧省の大連市で開催された「第5回東アジア国際観光博覧会」に出展し、日本の地方自治体の観光PRを行いました。

   この博覧会は、中国国家旅遊局、遼寧省政府、大連市政府が共同で主催するもので、当事務所の出展は昨年に引き続き2回目となります。

   展示総面積は2万uと東アジアの中でも規模の大きい観光展のひとつであり、海外からは日本、韓国、ロシアなど22の国・地域、中国国内からは25の省・都市が参加しました。ブースの数は前年度よりも160多い820ブース、そのうち海外ブースは160となり、年々国際色が豊かになってきています。来場者数は主催者側の発表で4万8千人でした。

   日本の自治体関係としては、東北観光推進機構、新潟県、神奈川県、熱海市、富山県、和歌山県、北九州市、沖縄県観光コンベンションビューローが出展しました。各ブースとも観光パンフレットを配布したり、商談会に参加したりして積極的な観光PRを展開しました。

■ 大連における訪日旅行の動向

   当事務所では、今回、訪日旅行の動向をつかむことを目的にアンケート調査を実施しましたので、その結果を抜粋してご紹介します。

   当初は、一般来場者と旅行業者を分けて調査する予定でしたが、10日の初日から一般来場者数が多かったことから、一般来場者向けの調査のみを実施しました。

   アンケート調査には205名の方にご協力いただきました。男女比では女性がやや多く(男性92名、女性113名)、20歳未満を除き20代から60歳以上まで、ほぼ平均していました。約3割の方が日本を旅行したことがあると回答し、予想外に多く感じましたが、これは旅行業者の方が中に含まれていたためではないかと思われます。

【問】 「日本で宿泊場所を選ぶとき、何を重視しますか。」(複数回答可)
【回答】 「温泉」を選択した人が最も多く、次いで「料理」、「部屋」、「サービス」と続き、「値段」や「地域」よりも重要視していることがわかりました。

 

【問】 「日本へ旅行に行ったときに最も経験したいのは何ですか。」(複数回答可)
【回答】 「山、海などの自然風景」、「お寺、城などの文化遺産」、「日本料理」、「買い物」、「温泉」を選択した人が多く、特に日本の自然風景を見たい人が多いようです。

 

【問】 「日本への旅行時期は何月が適していると思いますか。」(複数回答可)
【回答】 4月〜5月、10月が旅行に適していると考える人が多いようです。

 

【問】 「日本への旅行期間は何日が適当と思いますか。」
【回答】 5日から7日と答えた方が全体の約7割となりました。

【問】 「日本への旅行費用はいくらまで出せますか。」
【回答】 8,000元(15円/1元計算で約12万円)以下との回答が7割を超えました。

   アンケート調査の集計結果は、意外なことに「2008北京国際旅遊博覧会」(6月)における集計結果と同じ傾向であることがわかりました。これは、大連市と北京市が地理的に近いためなのか、それとも中国全体的にいえることなのか、現在のところはっきりしませんが、今後も観光展や機会ある毎に調査を実施し、訪日旅行の動向について、日本の地方自治体へ情報提供していきたいと考えています。

■ まとめ

   日本への団体観光ツアーについては、2000年9月から北京市、上海市、広東省の3地域限定で販売が開始され、2004年9月に天津市、遼寧省、山東省、江蘇省、浙江省にまで拡大されました。その後、2005年7月には地域的な規制はなくなり中国全土において訪日団体ツアー商品の販売が可能となりました。

   今回出展した日本の自治体関係者から話を聞くと、大連市及びその周辺地域では、観光PRがすぐに訪日旅行につながる段階ではないが、潜在的な需要は相当に高いと考えているようです。

   確かに一般来場者の動向を見ていると、日本旅行に興味を持ち始めた段階で、より多くの情報を集めるために、パンフレットをかき集めているように感じられました。

   また、東京、京都、大阪、北海道といった中国で知名度の高い地域のパンフレットを要求する人が多く、日本の地方都市の知名度はかなり低いと感じられました。

   当事務所では、今後も中国各地で開催される観光展等に出展して、日本の地域の知名度向上を図るために、自治体のPR活動をサポートしていく予定です。

   最後に、今回の出展にあたり、当事務所にパンフレット等をご提供いただいた自治体は以下のとおりです。この場を借りて感謝申し上げます。

北海道、北海道旭川市、北海道帯広市、北海道室蘭市、北海道稚内市、北海道新得町、北海道十勝観光連盟、岩手県、岩手県花巻市、岩手県奥州市、宮城県、宮城県仙台市、秋田県角鹿町、福島県、茨城県、茨城県つくば市、栃木県、群馬県、千葉県、東京都中央区、東京都板橋区、東京都八王子市、東京都武蔵野市、神奈川県、神奈川県川崎市、神奈川県横浜市、新潟県、新潟県新潟市、富山県、富山県富山市、福井県、山梨県、長野県軽井沢町、岐阜県、岐阜県高山市、静岡県静岡市、静岡県伊豆市、静岡県伊豆東海岸国際観光モデル地区整備推進協議会、愛知県名古屋市、愛知県蒲郡市、滋賀県、京都府、京都府京丹後市、大阪府、大阪府東大阪市、大阪観光コンベンション協会、兵庫県、兵庫県神戸市、奈良県、奈良県橿原市、鳥取県鳥取市、鳥取県伯耆町、島根県、島根県松江市、岡山県倉敷市、広島県広島市、広島県神石高原町、山口県、徳島県、徳島県鳴門市、香川県、愛媛県、愛媛県今治市、愛媛県松山市、福岡県、福岡県大宰府市、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、沖縄県 (合計71自治体・団体)

会場となった「大連世界博覧広場」 当事務所ブース
多くの人がブースを訪問しました アンケート調査

 


2008年度地方公務員中国派遣研修事業報告
(所長補佐 伊藤篤宣(新潟市派遣))

   2008年10月25日(土)〜11月1日(土)の期間、地方公務員中国派遣研修というプログラムのもと、北京市、湖南省、上海市を訪問しました。このプログラムは、総務省・全国市町村国際文化研修所(JIAM)、自治体国際化協会が共同で実施しており、日本の中堅及び若手の地方公務員と地域国際化協会の職員及び、地方自治体の推薦を受けたNPO等民間団体の職員・スタッフ等を対象に、中国の地方行財政制度に対する理解を深めることを通じて、日本の地方自治の現状や課題を再認識し、国際感覚を養い、今後の日中地方政府間交流に資することを目的としています。

   今回の研修は、当協会東京本部の米谷支援協力部長を団長とし、各地方自治体からは、神奈川県厚木市、石川県金沢市、大阪市、大阪府箕面市、大阪府泉大津市、島根県松江市、徳島県高松市、北九州市、沖縄県那覇市、沖縄県浦添市と事務局スタッフの合計13名での参加となりました。

   今年は北京五輪の年でもあったことから、「オリンピックを契機とした都市整備と市民サービスの向上を目指して」というテーマを掲げ、建設ラッシュに沸く中国の大都市の現状と、ソフト面における市民意識の変化を感じ取ることができました。

   北京市では外交部外事管理司、中国国家行政学院、北京市朝陽区麦子店社区(コミュニティーセンター)、日本大使館新聞文化中心などを訪問しました。その中でも、北京市朝陽区麦子店社区では、地域住民への研修・教育・高齢者や障害者向けのサービスの拠点や、外国人と共存する地域の現状について視察できたことは、外国人と接する機会の多い自治体職員にとって大いに参考となりました。

   湖南省長沙市では、長沙市人民政府への表敬、湖南大学学生との交流、岳麓書院の視察などを行いました。長沙市人民政府との懇親会では、そのような雰囲気に慣れていない団員に対して、温かくまた丁寧な対応で訪問団をもてなしてくれました。また、湖南大学では、日本語学科に学ぶ生徒たちとマンツーマンで会話できたことは、中国の若者の生の声を聞ける貴重な経験となりました。

   参加していただいた皆様には、今回の研修において得た貴重な経験をもとに、帰国後、各部署でのご活躍を祈念すると共に、このような人的交流の輪が広がることで、日中両国の更なる良好な関係が築かれることを期待します。

   最後にこの場をお借りして、今回の研修において格別のご配慮をいただいた外交部外事管理司、中国国家行政学院、長沙市人民政府、在中国日本大使館の皆様に、心からお礼申し上げます。

   ※本事業についてはこちら
   http://www.clair.or.jp/j/jinzai/hakenkensyu.html(本部HP)
   http://www.clair.org.cn/act_cont_2_3_5.htm(当事務所HP)

朝陽区麦子店社区 上海市外灘

 


JET意見交換会開催報告(IN山西省)
(所長補佐 牛丸剛一(高山市派遣))

   2008年10月29日、山西省太原市において、JETプログラム事業に参加されたJET経験者15名と在中国日本国大使館、新潟産業促進中心(新潟市北京事務所)、日中経済協会からも参加いただき総勢27名で意見交換会を行いました。この意見交換会は、今回で16回目となります。今回の会議では、「JET経験者の近況報告と帰国後の日本とのかかわり、JET経験者とCLAIR・在中国日本大使館との連携強化をどのように行っていくか」などが話し合われました。

   以下に皆様からいただいたご意見を一部紹介させていただきます。

  • 帰国後は、国際交流担当をしています。その関係で訪問団の派遣・受入、企業誘致などを行っていて、日本には年1〜2回出張をします。現在も日本語の勉強を続けています。
  • 現在は元の職場である旅行社で働いています。毎日、日本語を使う仕事をしています。最近では、日中が共同で行うイベントなどで通訳などをしています。
  • 帰国後は、連絡を取り合いよい関係を続けてきましたが、日本の行政改革(市町村合併)によって派遣されていた町が無くなってしまった。個人的に連絡を取ることができても自治体間で何かをすることができない。とても寂しく残念に思っています。
  • 同じ省から派遣されたJET経験者との連絡が取れるよう名簿の作成などを行ってはどうか?
  • 日本に行く機会があっても、派遣されていた地域に行くことはないので短期間でもいいのでもう一度派遣先に行ってみたい。
   

<過去の開催地>  

@ 98年12月 山東省
A 02年01月 北京市
B 02年05月 福建省福州市
C 03年01月 北京市
D 04年02月 広西チワン族自治区南寧市
E 04年07月 黒龍江省チチハル市
F 05年07月 新疆ウイグル自治区ウルムチ市
G 06年05月 上海市

H 06年05月 陝西省西安市
I 06年11月 上海市
J 07年01月 江蘇省南京市
K 07年02月 広西チワン族自治区南寧市
L 07年07月 四川省成都市
M 07年09月 広東省広州市
N 07年11月 北京市

 


「2008広東国際旅遊展覧会」に出展して
(所長補佐 和光 達夫(山梨県派遣))

   当事務所は、2008年11月29日から12月1日の3日間、広東省広州市で開催された「2008広東国際旅遊展覧会」にブース出展しました。

   この展覧会は、中国国家旅遊局、広東省政府が共同で主催するもので4回目となりますが、当事務所単独での出展は今回が初めてとなります。

   海外からは15の国・地域の参加があり、当事務所はJNTO(日本政府観光局)と連携し、日本ブースとして日本各地の観光PRを積極的に展開しました。

■会場の様子

   展覧会は天河体育中心という総合スポーツ施設の屋外を会場としました。この施設は緑が多く、またボーリング場などのレジャー施設があるなど、日頃から市民の憩いの場となっているようです。入場料が無料ということもあり、大勢の方が当ブースを訪問しました。主催者側で正式な統計はとっていませんが、3日間で18万人程度の来場者があったとのことです。

   広東省は気候が温暖であること、展覧会の開催が11月末であることから、雪景色やスキーなどのウインタースポーツをPRするブースが多く見られました。来場者の話では、日本の雪景色としては北海道が特に人気のようです。

   日本の自治体関係としては、当事務所の外に群馬県が出展しました。開幕式に群馬県知事、群馬県議会議長が出席され、またブースにて観光PRを行う様子が地元マスコミに取材を受けるなど注目を集めていました。今回の展覧会は開催案内が出されたのが9月下旬と遅かったことが日本の自治体の参加が少なかった要因と思われますが、このように他の自治体が参加しないところへ出展してPRすることは、大規模な国際旅遊博への出展よりも効果的といえるかもしれません。

■広東省における訪日旅行の状況

   JNTOによると2007年の訪日団体観光旅行の送客地は、広東省・上海市・北京市が全体の56%と3大市場になっており、その中でも広東省が約22%を占め、最大の送客地となっています。

   また、広之旅国際旅行社の訪日旅行担当者によると、以前の旅行商品は、本州7日間のゴールデンルート(東京〜大阪間)と本州+北海道7日間の2種類が主流でしたが、現在は目的地・期間・価格とあらゆる面で多様化しているとのことです。

   また、年齢層は30代〜50代が主流を占め、女性6割、男性4割となっており、夏休みと旧正月などの連休には家族旅行が多くなっていること、日本旅行のポイントとしては、美食、ショッピング、温泉、自然風景、文化体験、子供の見識を広げることなどがあげられ、旅行商品の品質の高さ、行き届いたサービス、おいしい食事、美しい自然は旅行者にとって魅力となっているようです。

■アンケート調査結果

   当事務所では、今回も北京(6月)、大連(10月)に引き続き、訪日旅行の動向をつかむことを目的にアンケート調査を実施しました。

   当初は、一般来場者と旅行業者を分けて調査する予定でしたが、会場が屋外で一般来場者数が多かったことから、一般来場者向けの調査のみを実施しました。

   アンケート調査には197名の方にご協力いただきました。男女比では女性がやや多く(男性90名、女性107名)、20代が約46%と半数近くを占めました。

   なお、日本へ行ったことがない人は約8割でした。以下、調査結果を抜粋してご紹介します。

【問】 「日本で宿泊場所を選ぶとき、何を重視しますか。」(複数回答可)
【回答】 「温泉」を選択した人が最も多く、次いで「料理」となりました。「温泉」や「料理」が「値段」や「地域」よりも重要視されていることは、北京・大連の結果と同様でした。

 
   

【問】 「日本へ旅行に行ったときに最も経験したいのは何ですか。」(複数回答可)
【回答】 「山、海などの自然風景」、「美食・日本料理」、「お寺、城などの文化遺産」、「スキーなどのウインタースポーツ」、「温泉」、「買い物」を選択した人が多く、日本の自然風景を見たいと答えた方が最も多いのも、北京・大連の結果と同様でした。

 
   

【問】 「日本への旅行時期は何月が適していると思いますか。」(複数回答可)
【回答】 10月、12月、4月と答えた方が多くありました。

 
   

【問】 「日本への旅行期間は何日が適当と思いますか。」
【回答】 5日と7日〜9日と答えた方が全体の半数以上となりました。

【問】 「日本への旅行費用はいくらまで出せますか。」
【回答】 7,000元(15円/1元計算で約105千円)以下との回答が7割弱となりました。

   アンケート調査の集計結果は、北京や大連の結果と比較的同じ傾向であり、中国全土で共通していると言えるかもしれません。

   広東省の特徴としては、日本へ行ったときに経験したいもので、「美食・日本料理」や「ウインタースポーツ」を選んだ比率が高かったことがあげられます。料理を重要視するのは、グルメで有名な地域を反映しており、また、ウインタースポーツを体験したいのは、地元ではできないものを旅行に求めている結果といえます。当然のことではありますが、このような地域性に着目して観光商品を企画することがポイントとなります。

■おわりに

   当事務所における今年度の観光展への出展は、「2008北京国際旅遊博覧会」(6月:北京市)、「第5回東アジア国際旅遊博覧会」(10月:大連市)に引き続き3回目となりました。

   今後も引き続き、中国各地で開催される観光展等に出展して、日本の地域の知名度向上を図るために、自治体のPR活動をサポートしていく予定です。また、機会ある毎にアンケート調査を実施し、訪日旅行の動向について、日本の地方自治体へ情報提供していきたいと考えています。

   最後に、今回の出展にあたり、当事務所にパンフレット等をご提供いただいた自治体は以下のとおりです。この場を借りて感謝申し上げます。

北海道、北海道旭川市、北海道帯広市、北海道室蘭市、北海道稚内市、北海道岩見沢市、北海道新得町、北海道十勝観光連盟、岩手県、岩手県花巻市、岩手県奥州市、宮城県、宮城県仙台市、秋田県角鹿町、福島県、福島県郡山市、茨城県、茨城県つくば市、栃木県、群馬県、千葉県、東京都中央区、東京都板橋区、東京都八王子市、東京都武蔵野市、神奈川県、神奈川県川崎市、神奈川県横浜市、新潟県、新潟県新潟市、富山県、富山県富山市、福井県、山梨県、長野県軽井沢町、岐阜県、岐阜県高山市、静岡県静岡市、静岡県伊豆市、静岡県伊豆東海岸国際観光モデル地区整備推進協議会、愛知県名古屋市、愛知県蒲郡市、滋賀県、京都府、京都府京丹後市、大阪府、大阪府東大阪市、大阪観光コンベンション協会、兵庫県、兵庫県神戸市、奈良県、奈良県橿原市、鳥取県鳥取市、鳥取県伯き町、島根県、島根県松江市、岡山県倉敷市、広島県広島市、広島県神石高原町、山口県、山口県萩市、徳島県、徳島県鳴門市、香川県、愛媛県、愛媛県今治市、愛媛県松山市、福岡県、福岡県大宰府市、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、沖縄県(合計74自治体・団体)

当事務所ブース 大勢の方がブースを訪問しました
熱心な問いかけもありました 事務所スタッフ

 


「上海万博セミナー」に出席して
(所長補佐 前之園 毅(奈良県派遣))

   2008年12月17日にジェトロ上海主催により開催された「上海万博セミナー」に出席しましたので、その様子をご紹介いたします。

   今回のセミナーは、上海万博開幕までちょうど500日という日に、現地上海において「上海国際博覧会情報センター」を設けて情報提供を行なっているジェトロ上海の主催で行なわれました。内容は「上海万博の進捗状況」、「日本館の進捗状況」の二部構成でした。

   セミナーの冒頭、講師の方より当初150人定員のところ応募多数のため200席を設けたとの話がありましたが、その200席もざっと見たところでもほとんどが埋まっている状況で、更にその出席者のほとんどが企業関係者だったように見受けられました。それだけ多くの日系企業がこの上海万博をビジネスチャンスと捉えて注目しているということでしょう。しかしながら、実際に企業が万博に関わるのはそう簡単なことではなさそうです。

   上海万博に企業が参画する方法として、まず初めに挙げられるのが企業館の出展やスポンサー契約ですが、これらの方法は言うまでもなくかなりの投資が必要とされるため実際には大手の企業でなければ難しいでしょう。他に考えられる方法としては、物品やサービスの納入、会場内で行なわれるイベントのスポンサーなどがありますが、前者については表立って企業名を打ち出せる機会がなく、後者についても企業名の露出には制限がかけられる可能性があるうえにそもそもイベントスポンサーという制度が設けられるかどうか未定とのことでした。したがって、どちらにしても大きな宣伝効果をどこまで得ることが出来るのかは未知数と言えるかもしれません。本セミナーの講師も言われていましたが、日系企業としては上海万博本番での直接的な宣伝効果を狙うよりも、万博というビッグプロジェクトにかかわった実績が今後中国でビジネスを展開していくうえでプラスに働くのではという効果を期待して関わっていくことになるものと思われます。

   一方、自治体の場合は、都市生活の向上のための新しいモデルを展示するエリア「ベストシティ実践区」に共同出展をする大阪府・大阪市の例を別とすれば、参画の機会は日本館のイベントスペースでの催事出展ということになるものと思われます。当然ながら必要経費は自治体側が負担する必要があり、催事の内容も万博のテーマに沿ったもので無ければならないなど諸条件はあるものの、目標入場者数7,000万人、しかもその95%が中国人(もちろん入場者全員が日本館に来館するわけではありませんが)という「舞台」は日本の自治体にとって魅力的なものになるのではないでしょうか。

   また、本セミナーとは直接関係ありませんが、今回の上海訪問を利用して地下鉄8号線に乗り浦東側の万博会場附近へ足を伸ばしてきました。最寄り駅である「耀華路」駅は出口を出て道路を渡るとすぐ目の前が会場という極めて便利な場所にあることから、この8号線も主要アクセスの一つとなるものと考えられます。現在の会場周辺の街並みは一言で言えば、まだ中国の一地方都市と言った風情で、お洒落な街並みが広がる中心部や高層ビルが林立する浦東の中心地区と比べると開発から取り残されている感もありましたが、万博開幕に向けて会場周辺の整備も大規模に進められているところであり、数年後には一変した街並みが広がっていることと思われます。万博会場にはさすがに立ち入ることは出来ませんでしたが、外からでも中国館やテーマ館等主要なパビリオンの建設工事の様子を伺うことができました。2010年5月の開幕に向けて、着々と準備が進められているようです。昨年の北京オリンピックに続いての国家的ビッグイベントとなる2010年上海万国博覧会。当事務所としましても、これからますます注目していきたいと思います。

*参考
<2010年上海万国博覧会概要(予定)>
   会期:2010年5月1日〜10月31日(184日間)
   場所:上海市中心部を流れる黄浦江の南浦大橋と盧浦大橋間の両岸(浦東と浦西)
   開場時間:9:00〜24:00(パビリオンは9:30〜22:30)
   入場券:160元(大人1日券)
   テーマ:「より良い都市、より良い生活」(中国語 「城市,生活更美好」)
   会場面積:328ヘクタール
   目標入場者数:7,000万人
                     →過去最高だった1970年の大阪万博の6,400万人を抜く予定。
                     →上記中、95%を中国人、5%を外国人と見込んでいるとのとこと。
   日本の出展:日本館、日本産業館、
                    大阪府・大阪市(ベストシティ実践区への共同出展)

上海万博開幕まであと500日を示す電光掲示板
   

上海万博のメインパビリオンの一つである「中国館」の建設現場

 


海外自治体幹部交流協力セミナー実施報告
(所長補佐 牛丸 剛一(高山市派遣))

  (財)自治体国際化協会は、7つの海外事務所管内の自治体幹部職員などを日本に招へいし、地方自治の現状及び課題について意見交換及び情報交換を行うことにより、お互いの地域の地方自治制度について理解を深めるとともに、日本の文化などについても理解を深めてもらうことを目的に平成7年度から毎年、このセミナーを実施しています。

* 北京事務所では、事務所設立の翌年度、平成10年度より中国の中央政府や地方政府などの幹部を推薦し、平成19年度までに68名の幹部職員に参加をいただきました。

1.平成20年度参加者一覧
・外交部外事管理司 司長/三等書記官
・黒龍江省外事弁公室 主任
・福建省外事弁公室 副主任
・上海市外事弁公室 副処長
・中国日本友好協会 部長
・北京市外事弁公室 副主任
・湖北省対外友好協会 副会長

以上8名

2. 行程

日  程

項  目

場  所

内       容

10月18日

事前説明会

北京市内

北京事務所主催によるCLAIR事業概要などの説明。
訪日壮行会の開催。

10月19日〜21日

東京セミナー

東京都

当協会東京本部主催による日本の行財政制度や地方自治制度についての講義。

10月22日〜25日

地方交流事業

宮崎県

宮崎県の主催による『文化・教育分野における取り組みの現状と課題』についての意見交換。
地域の特色のある観光資源や文化などの視察。

10月26日

帰国

 

 


<クレア本部歓迎レセプション> <宮 崎 県 学 校 訪 問>

3.北京事務所主催事前説明会(壮行会)

 
<クレア本部歓迎レセプション>  

4.参加者のコメント

   今回、この海外自治体幹部交流セミナーに参加させていただき、日本の社会・文化・教育分野について理解を深め、我が省と日本との今後における益々の友好交流にとって大変有意義であったと思います。ありがとうございました。
   
   日中の地域間交流は、両国人民の相互理解と友情の増進、両国の友好協力の促進に寄与し、日中友好親善にとって重要な一環を担っており、日中双方は、文化、教育の分野でさらに交流と協力を深める必要があります。文化や教育分野における交流は、両国の国民同士が相手を理解し、意思疎通を図る上で基本となる道筋であり、政治外交、経済交流を補完する役割をも有しています。多様な文化交流イベントを通じてふれあいの機会を増やすことは、感情的なわだかまりや誤解を取り除き、食い違いやトラブルを解決する上で重要な意義があります。日本では教育の発展を非常に重要視し、各自治体がそれぞれの地域の教育発展計画を立て、人間性を重んじ、各生徒の適性を生かし特色ある教育を実施しており、将来の社会に役立つ人材の養成を目指しているような印象を受けましたが、これは中国にとって大変参考になる取組みでした。
   日中両国の青少年同士の相互理解と友情を絶えず増進していくことは、両国の世々代々の友好と協力関係の基盤を強固にするものです。青少年は両国の未来の担い手であり、青少年交流は、正しい歴史観や価値観を樹立し、グローバルスタンダードや平和友好の理念を育むうえで大変有意義です。そのため両国の関係者は、さまざまな形態の日中青少年交流を仕掛け、子どもたちが日中関係の過去、現在の真実をより正確に理解しあい、紆余曲折を経て築いてきた今日の日中両国間の友好関係を維持し発展させるため自主的に取り組むよう、方向付ける必要があります。

5.担当より
  幹部職員の選考に際しては、過去にこの事業に参加していただいたことの無い地域、日本からの活動支援が今後見込まれる地域、地域バランス等を鑑み、決定いたしました。この事業を通して今後益々の地域間交流が深まることを期待しています。

 


北京「長崎フェア」の開催について
(所長補佐 和光 達夫(山梨県派遣))

  10月18日(土)から25日(土)の8日間、北京市内にある高級百貨店「新光天地」を中心に、長崎県の物産・観光・歴史・文化・産業を総合的に紹介する「長崎フェア」が開催されました。経済がめざましく発展している中国で、長崎の観光・物産などをPRし、「長崎ブランド」を確立させることがねらいですが、日本の自治体がこれまで北京にて開催したフェアとしては最大規模となります。
  当事務所は後援団体として、また、事務所備品を貸し出したりと長崎県の活動を支援しました。このフェアの概要と開催結果から自治体の物産・観光等をPRする上で参考となる点について紹介します。
  開催結果:http://www.pref.nagasaki.jp/koho/hodo/upfile/20081031113036.pdf

「長崎フェア」の概要
   「新光天地」をメイン会場に、物産・観光・水産・農産・教育部門での複合的な展開に特徴があります。また、自治体としての長崎県だけではなく県内4市や県内経済団体とも連携して開催しており、下記はイベント内容の一部ですが、実に多彩な内容となっています。

@ 新光天地」5階(メイン会場)
オープニングセレモニー(10/18)
長崎と中国との交流・歴史・文化の紹介
長崎県観光、産業の紹介
長崎県産品の販売(陶磁器、カステラ、お茶等)
佐世保市、平戸市、長崎市、雲仙市の日の実施
お茶教室、ステージによる各種イベント
修学旅行に熱心な学校への感謝状贈呈式(10/19)
現地学生友好交流スピーチ大会(10/19)
A 「新光天地」地下1階スーパー
長崎県産品の販売(鮮魚、酒類、うどん、調味料等)
実演販売、マグロ解体ショー
B 「北京展覧会」食品博覧会(10/18〜10/20)への出展
長崎県産品の展示・商談
C 「北京市内高級ホテル」(10/17〜10/31)
長崎の食材を使ったメニュー展開
長崎県主催開催前夜レセプション(10/17)
D 「日本料理店」(10/18〜10/25)
長崎の食材を使ったメニュー展開
   
メイン会場の見せ方
   メイン会場に入ると、長崎と中国との交流・歴史・文化の紹介コーナーとなります。過去から現在までの様子を興味深く眺めながら進んでいくと、学校交流等の感想文が目に入り、書かれている内容もなかなか面白いものがあります。さらにその先に観光PRコーナーやイベントステージ、県産品の販売コーナーと続いていきます。入口から出口まで、訪れた来場者に興味を持たせる巧みな配置となっており、会場の見せ方は大切であると改めて感じました。
   実際に来場者の反応は、長崎県を被爆地として知っている方は多かったけれども、中国との歴史、様々な文化、美しい観光地があることを初めて知った、感動したという感想が多かったようです。
   
物産の販売
   73アイテムの販売商品のうち、焼酎の販売が好調であった反面、清酒の販売に苦戦しています。その理由は、清酒が中国でなじみが薄いためとされていますが、値段が日本で購入する2倍近くになってしまうということもひとつの要因と思われます。多くの自治体にとって清酒は重要な地場産品であることから、今後、販売展開の留意すべき点といえます。
   また、日本産食品の安全性に対する評価が高く、価格よりも安全性や高級品を志向する消費傾向が多く見られたようです。その例として155元(約2,325円)/130gのお茶の方が95元(約1,425円)/100gのお茶よりも売れたとありますが、こうした傾向は中国の富裕層をターゲットにしていく上での販売戦略の参考となります。
   来客者の中には、高級な陶磁器やカステラをまとめ買いするなど、日本ではあまり見られない購買行動も見られたようです。
   
現地マスコミの活用
   「新光天地」には会期中、約3万5千人の来客者が訪れました。フェアの様子は、北京電視台BTVや中央電視台CCTVのニュース番組で報道され、北京晩報をはじめ新聞7誌や新華社等の5つの報道機関のホームページに記事が掲載されました。
   マスコミを使った宣伝効果は極めて効果が高いため、フェアへの集客のみならず、長崎の知名度向上にもつながっていると思われます。
   中国におけるイベント等での開催では、このようにマスコミをいかに活用してPRを図るかが成功の鍵といえます。

おわりに
   今回のように大規模なフェアの開催は、長崎県単独では難しいものがあります。
   フェアには中国国際貿易促進委員会北京市分会の共催や中日友好協会をはじめとした多数の後援を受けています。このように協力・支援を受けられたのは、長崎県が中国と長い友好交流の歴史を刻んできたということもありますが、長崎県知事自らが何度も北京を訪問され関係機関を回られた熱意と思われます。そしてフェアの成功は、担当職員が開催までの長い期間、関係者との調整など鋭意努力されてきた賜物といえるのではないでしょうか。

<メイン会場入口> <感想文コーナー>
   
<観光PRコーナー> <物産コーナー>

 


「CITM2008中国国際旅遊交易会」に参加して
(所長補佐 和光 達夫(山梨県派遣))

  11月20日(木)から23日(日)にかけて、上海新国際博覧センターで「CITM2008中国国際旅遊交易会」が開催されました。
  関東1都9県で出展する「国際観光圏関東推進協議会」へのサポート等を行うため、上海へ出張してまいりましたので、その状況等についてご紹介いたします。

中国国際旅遊交易会(CITM)
  中国国家旅遊局等が主催する中国最大の国際観光展であり、上海と昆明において隔年で開催されています。今回は106の国・地域の参加があり、来場者数は9万人(業界関係者6万人、一般客3万人)と主催者側から発表されました。
  日本パビリオンは、JNTO(日本政府観光局)と観光庁が組織し、展示面積は900uで過去最高の44社・団体が出展しました。自治体としては、京都市、高山市など自治体単独での参加に加え、東北、関東、中部、瀬戸内海、九州といった広域で連携した団体としての出展が目立ちました。また、百貨店や家電量販店などの流通業界からも多数参加しているのが特徴的でした。
  交易会の会場は5つのホールに分かれており、海外エリアとしては米国が最も広いように思われました。日本パビリオンは一番奥のホールであったため、入場口からまっすぐ歩いていっても15分程度かかりましたが、多くの来場者に足を運んでいただき、訪日旅行の人気の高さが伺えました。

日本主催事業
  交易会の開催に併せ、20日(木)にはオークラガーデンホテル(上海花園飯店)にて、日本主催事業が実施されました。
日中観光交流昼食会
  日本パビリオン出展者と上海市、北京市、広東省を中心とした旅遊局、旅行関係者等を集めた昼食会が立食スタイルで行われました。昼食会では、日本の観光親善大使であるハロー・キティも登場し、会場を盛り上げていました。
   
商談・情報交換会
  昼食会の後には、商談・情報交換会が開催されました。日本パビリオン出展者側には専用のテーブルが設けられ、中国の旅行関係者が自由にテーブルを回る形で行われました。出展者側は熱心に観光PRを行いましたが、北京、上海、広州という訪日旅行三大市場の旅行関係者が中心であったことから、日本の地方の情報にも精通している方が多かったように見受けられました。 
   
講演会
  訪日旅行市場の最新動向や展望、日本の観光関係者に対する要望や課題等をテーマとした中国三大市場(北京・上海・広州)の旅行会社キーパーソンによる講演が実施されました。
  それぞれの地域における訪日旅行の概況について説明があり、共通点としては最近の傾向として6日間の旅行が多くを占めているようです。また、中国の旅行者は旅行代金を比較して、より価格の安い旅行ツアーを選ぶ傾向がありますが、低価格ゆえに質が落ちてきているので、この低価格競争からの脱却を図らなければいけないといった意見が聞かれました。
  質疑応答では、2010年に開催される上海万博や2009年に開港される富士山静岡空港が訪日旅行にどのような影響を与えるかといった質問がありました。

おわりに
   交易会の会場では、中国の旅行社がいくつもの訪日旅行商品を販売していました。その中で、5泊6日3,580元(約53,700円、燃油料を除く)という東京〜富士山〜京都、大阪間のいわゆるゴールデンルートと呼ばれる団体旅行商品がありました。旅行中のオプションは別料金になりますが、その価格の安さに驚きました。こうした低価格の商品は今後も販売されていくとは思いますが、日本へのリピーターは値段が高くてもそれに見合う顧客満足度の高い商品を求める傾向にあると思われます。そのためにも、自治体が広域的に連携してPRする手法は効果的といえますが、より実効性を高めるためには自治体の職員だけではなく地元の旅行業者との連携が今後の課題と思われます。
   なお、当事務所も中国各地で開催される国際観光展等に出展して、日本の自治体のPRを実施しております。出展前には各自治体へPR要望を確認しておりますので、ご活用いただければと存じます。これまでの博覧会出展については、下記のホームページをご参照ください。
http://www.clair.org.cn/activity_2.htm

○CITMの様子

<日本パビリオン> <東北観光推進機構>
   
<国際観光圏関東推進協議会> <中部広域観光推進協議会>
   
<瀬戸内海(広島・山口・愛媛・岡山)> <九州(福岡・熊本・鹿児島)>

 

 


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