日本国自治体国際化協会北京事務所
Council of Local Authorities for International Relations(CLAIR),BEIJING


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中国最大級の食品飲料見本市 FHC CHINA 2007で実感!
(所長補佐 金丸徳男(宮崎市派遣))

  『食品、飲料・フードサービス等見本市(FHC CHINA 2007)』が11月14日から16日までの3日間、上海浦東新国際博覧中心で開催されました。食品飲料の見本市としては中国最大級とも言われ、今年で11回目の開催となります。

上海浦東新国際博覧中心
 
会場内様子
 

 この見本市には、35の国と地域から800以上の団体が出展し、現地バイヤーや業界関係者(来場者数 約17,000人)を対象に中国で販売・取引が可能な自慢の特産品の熱心な商談・PRが行われ、中国市場に対する世界各国と地域の大きな期待を感じました。

 この見本市における日本の取組みは、農林水産省の農林水産物等海外販路創出・拡大委託事業を受託している日本貿易振興機構(JETRO)が『日本パビリオン』を設置していました。

 日本パビリオンには、公共団体等7団体、加工食品業者7社、魚介類関係7社、農産品2社、飲料1社、酒類1社が出展(合計25団体)し、日本産農林水産物および日本製加工食品・飲料または日本産農林水産物を主原料とした加工食品・飲料が幅広く展示され、各ブースは盛大な賑わいを見せていました。中でも、今年から輸入が再開された日本産米のブースは比較的人気が高いように見えました。


日本パビリオン様子

  日本パビリオンを訪れていたバイヤーへのインタビュー結果(主なもの)は以下のとおり。
@ 日本産米に興味がある。
A 米と一緒に食する海産珍味の加工食品にも興味がある。
B 日本商品は、「安全」「美味」「健康に良い」というイメージが強い。
C 日本商品の価格はやや高いという感じ。(物による)

―終わりに―
  高度の経済成長を背景に急速な所得増加と富裕層の増加が見られる中国では、更なる高級食品と食材の消費拡大が期待できます。また、最近では健康志向の気運も高まっていることから「安全」、「美味」、「健康に良い」というイメージが強い日本商品にとっては、品質に信頼がありアドバンテージがある状況と考えられます。
  今回の見本市で象徴されるように世界の各国と地域が中国市場を魅力的な市場と捉え、期待感を露にしている状況の中で油断は禁物ですが、日本商品のイメージと信頼が確実に消費拡大に結びつくことを大いに期待できる見本市でした。

【参考】
スペイン
展示品はワイン一色。
展示面積bP
     
ニュージーランド 
マオリパフォーマンスで注目度bP


江西省視察ミッションに参加
(所長補佐 牛丸剛一(高山市派遣))

  2007年11月15日(木)〜17日(土)の3日間、中国日本商会主催の視察ミッションに参加し、江西省南昌市に出張をしましたのでご報告いたします。
今回のミッションには、多くの日系企業の方が参加されていました。主な目的としては、沿海部地域の加工貿易企業と産業を中西部に移行する政策に伴う内陸部の投資環境の調査と関係機関との連携強化でした。

■江西省概要

  省都は、南昌市。人口は、4,384万人(2007年)。約17万平方キロメートル(岡山県の20倍)で長江の中・下流域の南岸に位置しています。
  気候は温暖で多雨。農業が盛んで米、菜種、綿花、茶、果物などの栽培が行われています。
  江西省の省都である南昌市は、1927年に起こった南昌八一起義※1の地として有名です。また、国務院によって1986年には国家歴史文化都市に認定されました。
  江西省は岡山県と平成4年6月に友好都市提携を行っています。 南 昌 市 内

■投資環境
  南昌市は、唯一長江デルタ、珠江デルタ、福建省東デルタの3つの地域と隣接するなど、地理的位置に恵まれています。また、交通面では、全国で2番目に大きい貨物輸送駅や長江を使った水運・沿海部へ繋がる高速道路などが発達しています。市内には、ハイテク産業開発区、経済技術開発区、輸出加工区という3つの国家級の開発区を有しており、GDPは6年間連続15%以上伸びており、工業成長率は毎年26%伸びています。現在、江西省をはじめ内陸部の省では沿海部からの企業誘致のため優遇措置(例えば、沿海部から内陸部へ移動したことによる輸送コストの一部を省が負担するといったこと)を行っており投資環境が整いつつある地域です。

滕 王 閣

■観光資源
  市内には、江南の三大名楼として有名な滕王閣があります。江西省には、1996年に認定された廬山国立公園※2をはじめ、景徳鎮といった日本に馴染みのある観光地があるにもかかわらず、日本からの観光客数は年間3,000人程度であるため、今後は積極的な観光誘客を行う予定だということでした。

※1 南昌八一起義・・・「起義」は武装蜂起の意。1927年8月1日 午前2時に、周恩来、朱徳、賀竜、葉挺、劉伯承らの指揮のもと中国共産党が国民党に対して武装闘争を起こした最初の地であり、この時の軍隊が後の中国人民解放軍となった。

※2 廬山国立公園・・・盧山の歴史は古く、『書経』や『史記』などの紀元前の書物にも名前があがっており、道教、仏教、儒教など宗教にゆかりの深い山であるとともに、『香炉峰の雪は簾を掲げてみる』の一節で知られる白居易や李白などをはじめとする多くの詩人が隠棲した場所である。



緑豊かなまち・長春市 〜更なる経済発展と日本とのより活発な交流に期待〜
(所長補佐 菅原 大介(仙台市派遣))

■はじめに
  中国東北地方に位置する長春市。都市としての歴史は200年余りと浅いのですが、従来から「森林都市」「緑色食品都市」「国際自動車都市」「映画のまち」などと呼ばれ、中国国内では有名な都市の1つとなっています。
  日本でも、歴史的には満州国の首都・新京が置かれていた都市として、また最近では第6回アジア冬季競技大会が開催された都市として知られている同市は、今後の更なる経済発展が期待されること、また近年友好交流にとらわれない交流事例が増えていることなどから、今後ますます注目されるものと思われます。

■長春市の概要
  長春市は、吉林省の省都で、同地域の政治・経済・文化・交通の中心地です。面積20,571km2(うち市区面積3,911km2)、人口743万人(うち市区人口315万人、2006年末現在)で、市内には漢族、朝鮮族、回族、モンゴル族、など、計47の民族が居住しています。
  市内には、前述した歴史に由来する建築物が数多く残されており、現在は文化財に指定されているとともに、地方政府関係庁舎や病院などとして活用されています。
  気候は四季が明瞭で、冬が長いことが特徴です。長春市では、この気候を活かして従来から「長春氷雪祭」を開催しているほか、今年から新たに「涼しい夏」というイメージをPRし観光振興につなげるための「長春消夏(避暑)祭」を開催しています。

■人と自然の調和が取れたまちづくり
  長春市は、「森林都市」と呼ばれるように、緑豊かなまちとして知られています。市内の緑化被覆率は40%を超え、市内の至るところで緑を目にすることができます。
  まちづくりの基本方針は「人と自然の調和が取れたまち」「持続発展可能なまち」で、これまで水資源保護と汚水管理を重点とした「浄水プロジェクト」や、生態模範区の建設を重点的に行う「緑色プロジェクト」等が実施されてきました。
  また現在、市内の再開発が進められていますが、アジア最大の人工森林を有する「浄月潭国家森林公園」を中心に「森林に囲まれたまち、木々の緑が映えるまち、緑や水が通り抜けるまち」を造成するという「浄月生態都市一世紀プロジェクト」や、「流緑都市(緑が流れるまち)」をコンセプトとした第二市街地の建設に見られるように、長春市のまちづくりの基本方針に変わりはありません。

■二大基幹産業と外資誘致を軸とした経済発展
  長春市では、肥沃な黒土地帯を利用したトウモロコシ生産、そしてそれを原料としたバイオ製品の開発と生産が盛んで、年間生産高でアジア最大を誇る「大成集団」がその中心的役割を果たしています。
  また、「国際自動車都市」としても有名で、中国自主ブランドメーカー「第一汽車(自動車)」、日系企業「トヨタ自動車」等が重要な役割を果たしています。市内には経済技術開発区やハイテク産業区のほかに、自動車製造企業、自動車に関する知識の集積地域である「長春自動車経済貿易開発区」(市政府批准)が設置されています。
長春市は沿岸部に比べ経済発展で立ち遅れているのが現状ですが、2003年に国家プロジェクト「東北振興政策」が提唱されて以降、同市での経済発展
博覧会での「日本ブース」の様子
への気運はさらに高まっています。同市では、今後もこれらを市の基幹産業とし経済発展を進めていくとともに、2005年から同市で毎年開催される「中国吉林・北東アジア投資貿易博覧会」等の機会を利用して、外資誘致にも積極的に取り組んでいくこととしており、今後の更なる経済発展が期待される地域と言えます。
長春市について、日本の関係者からは「国営企業の意識改革が必要である」等の指摘があるものの、多くの高等研究機関を有し優秀な人材が多いこと、そして日本に近くその経済動向は日本経済にも大きく影響することが考えられることから、今後日本との協力・連携が活発化していくことが予想されます。

■活発化する日本との交流
  長春市は、現在世界41の都市と友好交流を行っており、海外との交流が非常に活発な都市です。また、博覧会や国際イベントも多く開催されており、経済・産業面では上記博覧会のほか、「長春国際自動車博覧会」が2年に一度開催されています。
  さらに、中国の映画事業のゆりかごと呼ばれる「長春映画製作所」を有し、「映画のまち」として知られていることから、1992年から2年に一度「長春国際映画祭」を開催し、映画を通して文化芸術振興や国際協調、経済活性を図っています。また、1997年からは「中国長春国際彫刻作品招待展」を開催しており、近年は「彫刻のまち」とも呼ばれるようになっています。
  日本との関係では、友好都市である仙台市、また岩手県金ヶ崎町や北海道千歳市との交流のほか、世界冬の都市市長会の会員都市である札幌市や青森県青森市との交流、「北海道銀行」との経済交流、今年7月の福岡との直航
ジャパンウィークでの「裏千家による茶道実演」の様子。
便開設(仙台、名古屋、成田に続いて4番目)等、友好交流にとらわれない交流も近年盛んに行われています。
また、今年9月には在瀋陽日本国総領事館主催で「2007年長春ジャパンウィーク」が開催されたり、現在「国際交流基金日中友好センター」のプロジェクトによる「ふれあいの場」の建設が検討されていたりするなど、文化面での交流も盛んになりつつあります。長春市人民政府外事弁公室でも日本との交流を重視していることから、今後日本との交流がますます活発になるものと考えられます。

■おわりに
  私は、派遣元である仙台市からの業務依頼により、行政研修のため約2ヶ月長春市に滞在させていただきました。研修を通して、長春市の概要、経済・産業・国際交流の現状について理解を深めることができたことはもちろん、同市の街並みや豊かな自然、そして長春の方々の人柄を肌で実感することができました。
  今後、仙台市職員として、長春市との友好交流に微力ながら貢献していくことはもちろんですが、一個人としても、多くの方に長春の魅力をお伝えすることで日本と長春市との交流の一層の発展にお役に立てればと考えています。



CLAIRでのインターン研修
(インターン生 朱琳)

  2007年9月13日から10月14日まで、私はインターン生として、自治体国際化協会北京事務所(CLAIR)で働くことになりました。CLAIRは、日本の各地域の国際化を一層推進するための地方公共団体の共同組織で、主な活動は調査研究、国際交流・国際協力の推進、情報発信、自治体の海外活動支援、自治体からの依頼調査、中国における自治体のPR、関係機関との連携強化などだということでした。

  私は、このCLAIRで実習するにあたり、3つの目的を掲げました。1つめは、自分が今まで勉強したことを応用することにより、日本語のレベルを引き上げること、2つめは、日本企業の執務モデルを経験すること、3つめは、事務室で必要な各種技能を修得することです。

  この1ヶ月間、私は上記の目的を達成するため、一生懸命に努力しました。私に与えられた主な仕事は、情報の収集でした。日本の新聞から中国についてのニュースを選び出したり、日本向けに情報提供すべきニュースを中国の新聞から探し出したりしました。この仕事によって、日本側の中国に関する報道について知ることができ、日本に対する認識を深め、自分の視野を拡げることができました。また、ニュース、地方紹介、日程表、履歴書等を翻訳する仕事にも携わりました。このことを通じて、自分が授業で勉強したことの応用が必要となり、日本語のレベルが著しく引き上がったことを実感しました。その他、コピー機とファックス機の使い方を勉強して、事務室設備の使用方法を習得することができました。これらは、学校で勉強できないことなので、大変有意義でした。

  もちろん、この1ヶ月の実習生活の間に、自分の欠点にも気づかされました。話したいことを話せなかった時や、ニュースの翻訳の際、いろいろな専門用語が分からなかったときなど、日本語の勉強が不十分だと痛感しました。しかし、幸いにも、クレアの皆さんがとても優しく、熱心で、たくさん助けていただきました。心から感謝しております。今後も自分の欠点を補うため、頑張ります!




JET意見交換会開催報告(in 広州)
(所長補佐 周藤はるみ(松江市派遣))

  9月20日、広東省広州市において、JETプログラム事業により日本で国際交流員として活躍されていた11名が集まり、意見交換会を行いました。外交部外事管理司、在広州総領事館からもご参加いただき、総勢16名にて開催しました。
  広東省からはJETプログラムに、1996年度から2006年度までで19名の方が参加されています。また、今年度も2名がそれぞれ兵庫県と徳島県に派遣されています。ほとんどのJET経験者の方が、現在でも日中交流の最前線で活躍しておられ、仕事上で交流があるそうです。また、広東省外事弁公室内には、日本語ができる方々で「日本語サロン」を結成し、定期的に日本語の勉強会や親睦会を開催しているとのお話も伺いました。経験者の間では、大学の同級生や先輩・後輩の関係にあたる方もいらっしゃり、大変なごやかなムードの中で、JETプログラムで派遣された際の日本の各地方自治体での経験やその後の仕事の状況について、意見交換が行われました。
 

  この意見交換会は今回で8回目になります。そのうち第1〜4回及び第7回は当事務所主催の日中地域間交流推進セミナー開催等に併せて中国全土のJET経験者が一つの都市に集まるという形態にて開催しました。それとは別の形態として、当事務所の所員が各地域に赴いて地域ごとに開催もしております。これは、今回の広東省広州市のほか、江蘇省南京市(第5回)、広西チワン族自治区南寧市(第6回)にて開催しています。このような形態で開催した場合のメリットとしては、より多くの、また帰国後の職務について多様なJET経験者にご参加いただけることです。例えば今回、現在大学で教鞭をとられているJET経験者から『日本語と中国語の差異』についての研究プログラムを立てたという、直接的な日中交流と一味違う角度からの、けれども日中交流推進の一助となるお話を伺うことができました。
  また、今回は広東省外事弁公室の協力の下、意見交換会の実施を前にアンケートをさせていただき、CLAIRの媒体に掲載したい話題の提案やJET経験者間の連携強化のためのアイデアをいただきました。それらについて、今後検討、調整し、JET経験者という日中交流にとって他では得難い貴重な人的資源を充分活用させていただきたいと考えております。


中国(チチハル)第七回 緑色食品博覧会参加報告
(所長補佐 牛丸剛一(高山市派遣))

  8月26日から30日まで黒龍江省チチハル市で開催された、『中国(チチハル)第七回 緑色食品博覧会』に参加しましたのでご報告いたします。

 <概 要>
  チチハル市は、黒龍江省ハルビン市の西部に位置し、人口約557万人、面積は43,000平方キロメートル(東京都の約2倍)あり、漢族、回族、モンゴル族など20以上の少数民族が住む、黒龍江省第二の都市です。主な観光地としては、市内から26km離れたところにある扎(さつ)龍(りゅう)自然保護区(約210平方キロメートル)です。ここでは、タンチョウヅルの人工繁殖も行われており、世界中から愛鳥家が訪れます。

○扎龍自然保護区○

<1日に2度、檻から出て散歩(1〜2分飛行すると自ら檻に戻る)>

<緑色食品博覧会>
  黒龍江省は、無公害食品の生産拠点面積、総生産量、生産額について中国国内でトップであり、緑色食品の生産に力を入れている地域です。
  チチハル市では毎年1回この時期に緑色食品博覧会を開催しており今回で7回目をむかえ市民にも広く知られ、市をあげて盛大に行われました。
  中国の東北地域以外では、韓国の高陽市(チチハル市の友好都市)や台湾からのブース出展もあり、博覧会での黒龍江省の出展ブースは合わせて600ブース、同時に行われた農業科学技術博覧には200ブースの出展がありました。

 
  <全体の風景> <農業科学技術博覧ブース>

  緑色食品とは、汚染の無い安全で良質、さらに栄養も考慮した食品です。しかし、緑色食品は中国政府が定めた化学肥料や農薬、添加物を規定以内の量で使用することが認められているため、100%有機食品というわけではありません。


インターン研修で学んだこと
(インターン生 張博学)

  私は七月から、日本国自治体国際化協会北京事務所で研修をしました。約1ヶ月の短い期間でしたが、本当にいい勉強になりました。

  事務所での主な仕事は、前半では、四川省で行われた「第6回日中地域間交流推進セミナー」の仕事に従事しました。セミナーで放映するスライドの校正や、晩餐会の招待状発送、日程表の翻訳など、いろいろな仕事を手伝いました。中国も日本も豊富な観光資源を持っています。今回のようなセミナーを開催することによって、中日の地域間交流が促進するだけでなく、両国の理解もより一層深まっていくものと思います。私は今回、そのような中日交流に関わる仕事を手伝えたことだけでも、大変意義深いと思いました。

  後半では、新聞の情報整理をしました。日本の主要な5つの新聞を読んで、中国に関する記事を探し出しました。これにより、中国と日本の政治、軍事、文化・日常生活などの違いや、各方面におけるに報道のあり方について理解することができました。新たな見識が広がり、本当に良い勉強になりました。

  日常生活の中には、さまざまなチャンスやチャレンジがありますが、私は、どんな小さい仕事であれ一生懸命取り組んできたつもりです。そしてこれからも、怖がらず、ためらわず、勇気を出して全力を尽くすことが大事だと考えています。

  私は毎日、職場の皆様と働いているうちに、次第にこの職場の雰囲気に馴染め、この事務所が一層好きになりました。と同時に、自分が大学3年間で習ったことを実際に社会で活用するには、まだまだ勉強不足であると、つくづく感じました。それには、もっと自分の日本語のレベルアップをしなければなりません。

  就職活動はだんだん近づいています。今後は、ここで学んだことを、実際の社会の中で活用することが一番大事なことだと考えます。

  1ヶ月足らずの短い研修期間でしたが、今振りかえってみて、とても嬉しかったです。ここで学んだことを活かして、これからも頑張っていきたいと思います。




「第9回 日中韓3か国地方政府交流シンポジウム」報告
(所長補佐 伊藤篤宣(新潟市派遣))

  本シンポジウムは、歴史的、地理的にも密接な関係にある日本、中国及び韓国の地方政府国際交流機関相互の協力関係の強化を図るとともに、各国地方政府における国際交流・協力をより一層推進することを目的として、1999年度から開催されています。開催は毎年1回、3カ国の輪番制となっており、日本においては2001年9月の東京大会、2004年8月の新潟開催に続き、中国・韓国ともに歴史的・文化的にも深い関係がある奈良県のご協力をいただき、奈良県新公会堂を会場として、去る8月27 日から28日までの2日間の日程で開催されました。

  今回のシンポジウムは「北東アジアにおける交流の拡大と地方政府の役割」をメインテーマとして開催され、日本から約210名、中国から約90名、韓国から約50名、3カ国約350名が参加しました。

  初日に行われた開会式は、まず主催者側を代表として、当協会の香山充弘理事長、協力団体として、中日国際友好城市連合会の井頓泉副会長、韓国地方政府自治体国際化財団の李相昊理事長の挨拶で始まりました。当協会の理事長挨拶では「地方政府間交流を基礎に、地域の振興や発展を図るという課題は、多くの地方政府の関心ごとであり、東アジアが経済発展を続けるなかで重要な課題である。各国の取り組みや努力について活発な討論がなされ、それを通じて各国・各地域の発展が図られること、相互理解・協力関係が深まることを願う」と述べられました。

  翌日の基調講演では、「還流する文化―北東アジアをめぐって」と題して、奈良県立万葉文化館の中西進館長よりお話をいただきました。講演の中では、「古代のアジアは交易が盛んで、正式な朝廷間を結ぶ交流より各地域同士を結ぶ交流が多く、十分に効果があった。今日の地方自治体の国際交流にも参考にすべきものが多いのでは」と指摘され、国家間とは別の地方レベルでの広がりを持った交流の大切さを強調しておられました。

  基調講演に続き、奈良県知事の荒井正吾氏、中国黒龍江省外事弁公室副主任の王英春氏、北京市外事弁公室主任の氏、韓国全羅南道副知事の金瑛氏、済州特別自治道国際諮問大使の金塾氏が各国発表を行いました。この中で奈良県の荒井知事は、平城遷都1300年記念事業を2010年に実施することをアピールし「地方政府が独自性を発揮し、特徴を活かした交流・活動を行うことにより、その成果は地域の発展のみならず、わが国の文化・観光都市政策等への寄与、さらに多様な文化交流を通してわが国の国際貢献に資するものとなる」と国際交流の大切さを述べられました。午後からは、各国2名ずつのパネリストによるパネルディスカッションが2つの分科会形式で行われました。第一分科会では「東北アジアにおける観光交流の活性化を通じた地域づくり」と題して、第二分科会では「グローバル化・ボーダレス化する経済活動と地方政府の対応」と題して活発な意見交換が展開され、閉会式において分科会総括として、第一分科会コーディネーター、奈良県立大学教授の村田武一郎氏、第二分科会コーディネーター、飛鳥藍染織館館長の渡辺誠弥氏より各分科会の総括をご発表いただきました。

  最後に、地方政府間の交流・協力を通じ続けることは、今後、一層の相互利益と増進に繋がっていくことから、引き続き、姉妹・友好提携等を通じて、3か国地方政府相互の絶え間ない交流と協力の推進が必要かつ重要であることを旨とした「奈良宣言」が採択され、シンポジウムは成功裡に閉幕しました。

  なお、来年度の第10回シンポジウムは韓国の全羅南道で開催される予定です。

中西進館長の基調講演
第一分科会の様子


海外活動支援便宜供与事業〜日中友好交流演奏会の支援〜
(所長補佐金丸徳男(宮崎市派遣))

  8月20日、宮崎ジュニアオーケストラ(以下『宮崎ジュニア』)と北京市東直門中学校金帆シンフォニーオーケストラ(以下『東直門シンフォ』)の日中交流演奏会が北京市東直門中学校の音楽ホールで盛大に開催されました。

  CLAIR北京事務所は、この演奏会の実施について宮崎市から海外活動支援依頼を受け、北京市人民政府外事弁公室を窓口に交流先の選定から会場の確保等の調整を行いました。

  事前調整では、今年は日中国交正常化35周年の記念すべき年であること等もあり、北京市人民政府外事弁公室や東城区外事弁公室、東直門中学校の強力な支援をいただくことができたほか、演奏団体同士の交流に留まらず広く一般市民や駐在の日本人を招待してはどうかという積極的な提案もいただき準備は順調に進みました。

宮崎ジュニアオーケストラ演奏
  当日、交流演奏会は一般市民が来場しやすい時間帯の夕方6時から開演し、音楽ホールは事前に配布されたチケットとパンフレットを持った300人以上の招待客で溢れました。

  宮崎ジュニアは、初めての海外公演と予想以上の来場客数に緊張を隠
せない様子でしたが、日頃練習に練習を重ねた自慢の曲を力強く演奏し、会場の喝采を得られました。

  一方、東直門シンフォは中国でも有名な管弦楽団で、自信に満ち溢れた堂々とした様子で、演奏開始の瞬間は、ホール中が息を呑むほどの迫力がありました。

交流記念写真(総勢150名)
  演奏終了後は、両楽団による記念撮影やプレゼント交換など交流を深 め、交流演奏会は成功裏に終了しました。

  当事務所が行う活動支援便宜供与事業は、日本の地方自治体及びその関係団体等が中国において行う諸活動が円滑に遂行されるよう、必要
な支援を行うものであり、今回のような支援のほか、現地情報の提供(当
事務所での現地事情説明、資料提供)や便宜供与(訪問先アポイント取り付け、視察同行、通訳斡旋等)等の活動支援を積極的に実施するとともに、多様化する地方自治体のニーズにも的確に対応できるよう支援内容の 充実を図りたいと考えています。

 


自治体国際協力専門家派遣事業

  この事業は、日本の自治体関係者が有する技術や知識を国際協力の分野で有効に活用し、海外における技術力の向上や人材の育成に寄与するとともに、日本の自治体と海外の自治体等との友好協力関係を促進するため、国際協力に関するノウハウを有する自治体職員(退職者も含む)を登録している「国際協力人材バンク」から選考し、海外の地方自治体等の要請に基づいて、自治体国際協力専門家として派遣するものです。

  中国には、1998 年3名、1999 年6名、2000 年6名、2002 年1名、2005 年2名、2006年16名、合計34名の派遣を行いました。2007年度は、甘粛省、山東省、新疆ウイグル自治区、河南省、雲南省へ12名の専門家を派遣する予定になっています。

  * 2007 年度4月現在、国際協力人材バンクには1,350 名(農業、教育、環境保全、保健衛生、林業など32分野)の専門家にご登録をいただいております。

  詳しい問い合わせは(http://www.clair.org.cn/act_cont_2_3.htm

  〜四川省濾州市における梨の栽培指導〜

 

  派遣者:鳥取県立鳥取二十世紀梨記念館 長柄 稔氏
  派遣期間:2006年10月9日〜10月20日


第2回中国(寧夏)国際イスラム食品・用品展・寧夏投資貿易商談会参加報告
(所長補佐 橋本浩之(京都市派遣))

  8月16日から19日まで寧夏回族自治区の銀川市で開催された、第2回中国(寧夏)国際イスラム食品・用品展・寧夏投資貿易商談会に参加しました。「民族ブランドを創設し、寧夏の更なる開放及び寧夏への投資促進」をテーマに開かれた今回の博覧会には、国内にイスラム教徒の多いタイ、マレーシアをはじめ世界21 ヶ国及び中国国内17省・市・自治区から政府関係者及びビジネス関係者等、1,500人が参加するという比較的規模の大きいものでした。会場内を歩いていると、イスラム風の衣装を着た方が多く、これまで参加したことのある他の博覧会とは雰囲気が少し違いました。

  期間中、イスラム食品・用品展、イスラム料理技能競技大会、参加企業と地元政府間の個別商談等、多彩な行事が行われました。

  イスラム食品・用品展を見学しましたが、商務大臣をトップに計160人もの人数が参加したタイは、多くのブースを使って、特産の果物、イスラム教徒用のハラル食品(※1)など、多くの商品を積極的に紹介していました。他の国や中国国内の地方政府・企業等も食品の他、教徒用の服装・帽子等、生活用品の紹介・販売ブースを設け、博覧会参加者や市民の間で大いに賑わっていました。今回、初めて知ったのですが、ビスケットやクッキーも原料に獣脂を使うとハラル違反になるということで、製菓企業のブースで展示・販売されていたクッキー等にも原料に獣脂が使われていない旨がはっきりと書かれていました。

イスラム食品・用品展会場(タイ国ブース)  イスラム食品・用品展会場(イスラムファッションブース)

  開催地の銀川市を区都とする寧夏回族自治区は、中国にある5つの少数民族自治区の1つで、総人口約600万人のうち三分の一に当る約200万人がイスラム教徒である回族で、自治区内には清真寺(モスク)が多く、イスラム教徒用の料理店も街で普通に見られる等、街の雰囲気も中国の他の地域とは少し趣が異なります。

  今回の博覧会では、イスラム教徒が多く居住するという特性を生かし、自治区内で生産される教徒向けのハラル食品やイスラム用品を、教徒を多く擁する国や地域に広く紹介することにより、独自の「寧夏ブランド」創造を目指すとともに、豊富な天然資源や200万人というイスラム人口を有する寧夏地域を投資先として広く世界に宣伝し、教徒向けビジネスの広がりを求め、その中心地となろうとする寧夏回族自治区政府の熱い思いが伝わってきました。

現代風民族衣装を着た回族女性(イスラム食品・用品展会場)

  (※1)ハラル食品・・・イスラム法によって許容されている食品のこと。ハラルはアラビア語で「許可された」という意味。


CLAIRでのインターン研修を終えて
(インターン生 朱麗松)

  1か月の短い間、CLAIRで研修を受けさせていただき、皆様に感謝申し上げます。

  CLAIR での研修は、皆様の優しさや熱心さは無論、仕事に対する真剣な態度に深い印象を受けました。それに感動して、私も一生懸命研修に励みました。

  最初は、仕事の仕方もわからず不手際でしたが、皆様に助けてもらい、だんだん仕事を理解していきました。いろいろな経験を得られたことは、私のこれからの人生にとって勇気を与えてくれることと思います。

  CLAIR での主な業務として、まず中国と日本の主な新聞から両国の記事のスクラップをしました。最初は不慣れでしたが、スタッフの皆様に助けられ、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。なかでも、知事訪中の記事を探すことを頼まれた時などは、幾度も内容を間違えたにもかかわらず、皆様に丁寧に説明いただいたときには、優しさを覚えました。

  また、中日地方政府幹部協力セミナー資料の打ち込みや、翻訳などのお手伝いしましたが、資料の翻訳は、現地調査員さんから指導いただき、大変勉強になりました。

  その他、仕事のノウハウについても、スタッフや現地調査員から教えていただいたため、仕事の時間も楽しく過ぎていきました。

  CLAIR は本当に素晴らしい事業を行っている職場だと思います。それは簡単に言えば、CLAIR は中日交流の欠かせない「窓」だと思います。無論、中国外交部と日本国外務省との交流は一番重要な交流ルートであり、すなわち両国の「門」と言えますが、CLAIR の「窓」も欠かせません。国家の政治、経済の交流以外、両国各地の文化、科学技術、スポーツなどの交流がCLAIRのお陰で進んでいます。外交ルートの「門」の場合、独自の国家利益を優先しますが、CLAIR で促進している交流は、両国地方政府の友好協力を繋げ、両方の共同繁栄を図ります。それは、中日両国人民の心からの願いではありませんか。

  私はこの「窓」を絶対閉めません。それは、未来の平和と繁栄には、必要であると考えるからです。

  1ヶ月という短い間でしたが、CLAIR の皆様には大変お世話になりました。CLAIRでの研修期間中は、中日友好の願いを持つ皆様と一緒に過ごせた時間でもあり、忘れられない一生の経験です。大学に入学するとき、中日友好のために日本語を専攻した私は、今後も自分の力を発揮して、今後、両国の友好関係のために頑張っていきたいと思います。


第6回日中地域間交流推進セミナー開催報告
(所長補佐 金丸徳男 (宮崎市派遣))

  7月24日から7月26日の3日間、四川省成都市において日中地域間交流推進セミナーを開催しました。今年で第6回目を迎える本セミナーは、日中双方の地方自治体による観光客誘致に向けた取組みが活発化していることを踏まえ、「都市間連携による観光交流の拡大」をテーマとしました。今回のセミナーには、日中両国の自治体関係者、旅行業界関係者など160 名以上が参加されました。25 日午前中の本会議では、観光交流の促進に向けて先進的な取組みをされてきた山梨県知事や成都市人民政府副市長をはじめとする地方自治体代表者の方々、また民間から実践的な取組みとして観光交流の指導的なお立場の方々に、ご講演や施策報告、取組発表をいただき、多くの貴重なご提言をいただきました。

本会議(山梨県横内知事講演)

  今回ご講演いただいた内容を少し紹介しますと「日中観光交流促進に必要な要因」として、日中双方が自らの地域の魅力を改めて客観的に見つめなおすとともに、誘致を進める相手方の特性や文化を十分理解することが重要であり、その上で、日中が協力して幅広いテーマ型観光コースの開発や人材育成を進めること、効果的な情報発信に務めること、観光交流を促進するための制度や環境の整備を図ることなど、具体的かつ効果的なアドバイスをいただきました。
  また、その中で「地方自治体の役割」は何かということについては、従来から行っている受入体制の整備やプロモーションに加えて、各部門にわたる体制の整備や、行政だけでなく地域全体あげての活動が必要だというご意見もいただきました。その他にも数多くの有益なご意見をいただきました。それらは観光に限らず、様々な分野の交流を進めていくうえで非常に示唆に富んだもので、今回のセミナーでいただいた提言を関係機関がひとつひとつ実行することによって、日中の地域間の交流、ひいては両国の国民全体の幅のある交流を大きく発展させるものと期待できます。

日中都市観光交流展(ブース会場)
四川省伝統芸能公演(変面)

  午後からは、会場を成都イトーヨーカドー2号店に移して「日中都市観光交流展」を開催しました。
  交流展では日中併せて29団体がブース出展し、一般市民に対して直接、それぞれの地域の特徴ある観光資源のPRを行うとともに、舞台上では開幕セレモニーのひとつとして、川劇変面吐火実演、生け花の実演等、日中伝統文化の実演を行いました。
  今回の会場である成都イトーヨーカドー2号店は地元で非常に人気の高いデパートということもあり、多くの市民が来場され、各出展者が準備したパンフレットが1時間足らずで無くなるほどの賑わいを見せ、手ごたえのある観光PRの場となりました。
  そのほか、日中両国の地方自治体関係者が多 く集まる本セミナーの開催を利用して、「JETプログラム経験者との意見交換会」、「成都市投資環境説明会」、「在中国(香港)自治体事務所会議」等、多彩な行事も開催され、本セミナーの開催は、全参加者へ多様な交流の機会を提供できたものと考えています。
  私どもCLAIR北京事務所では、今後とも日中地域間交流の促進を図ることによって、両国の友好関係の発展に貢献していきたいと考えています。


JET経験者意見交換会開催報告(in 成都)
(所長補佐 周藤はるみ(松江市派遣))

  7月24 日、中国各地からJETプログラムに参加し、日本で国際交流員として活躍した経験を持つ14 名が四川省成都市に集まり、意見交換会を行いました。同時期に成都市で『第6回日中間地域間交流推進セミナー』が開催されたこともあり、当協会から専務理事、国際情報課長、当協会シンガポール事務所長、また外交部外事管理司、在重慶日本国総領事館、総務省自治行政局国際室からもご参加いただき、総勢25名にて開催しました。
  この意見交換会は、今回で7回目になります。1987年に始まったJETプログラムに中国からの参加者が加わったのは1992年からですが、この15年余りの間に、中国のJET参加者の延べ人数は930名を超えました。近年、日中の地域間交流が友好交流都市の枠にとらわれない形態へと変化している中で、JET経験者の方々に日中交流の架け橋として、一層ご活躍していただける環境を整備するため、当事務所とJET経験者の連携及びJET経験者相互の連携を強化することを目的として、このような意見交換会を開催しています。
  今回は「日中地域間交流におけるJET経験者の役割とJET経験者間の連携について」をテーマに、各JET経験者の近況報告、JET経験者相互の連携、当協会への要望について、ざっくばらんに意見交換を行いました。
  ほとんどのJET経験者の方が、現在でも日本と接点のある職務に就き、日中交流の最前線で活躍しておられるので、各地の日中交流事業の状況についてご報告いただきました。また、現在、日本と直接関わりのない部署に勤務されている方からも『派遣先の地方自治体の住民との交流が続いている』など、私的な部分において日中交流の推進に尽力していただいていることをご報告いただきました。
  JET経験者相互の連携については、湖北省の方から事例を発表していただきました。湖北省では、省内のすべてのJET経験者の連絡先を把握しあっており、日中交流事業を展開する際には、直接的に日本との関わりのない部署にいるJET経験者とも協力をし合っているということでした。
  現在、世界15 カ国において、JETーAAという団体が組織されています。これはJET経験者有志を中心に構成された親睦団体です。当協会では、JET−AAの本部事務局を引き受けるとともに、JET―AA活動助成要綱により、各国のJET−AA支部が行う諸活動を助成しています。しかしながら、中国では、未だJET−AA支部を設置するまでの活動にはなっていないのが実情です。
  このような状況を踏まえながら、日中交流の推進において他では得がたい財産である、JET経験者のネットワークづくりを模索するため、これからも様々な機会を活用し、このような意見交換会を実施していきたいと考えています。JET経験者及び現在、JETプログラムに参加されている方で、このネットワークづくりに対してご意見、ご質問等がある場合、または、周囲に「この『事務所だより』を新たに送って欲しい」というJET経験者、参加者がいらっしゃる場合は、当事務所までご連絡ください。
  また当事務所への要望として、次のような声(⇒以下は当協会からのコメント)がありました。
  @協会発行のニューズレター等の印刷物を送付して欲しい。
  ⇒残念ながら、全ての印刷物をJET経験者にお送りするのは困難ですが、当事務局だより等各種情報をメール送信しているほか、ニューズレターなどは、当事務所ホームページでご覧いただけます。

  ニューズレター http://www.clair.org.cn/newsletter.htm
  事務所だより http://www.clair.org.cn/act_cont_3_1.htm
  自治体国際化フォーラム http://www.clair.or.jp/j/forum/forum/index.html

  A雲南省は日本との友好交流都市締結の相手を探している。今後、雲南省にふさわしい都道府県があれば紹介して欲しい。
  ⇒現在、当協会のホームページ(下記URL参照)にも掲載し、紹介しています。
  http://www.clair.or.jp/j/simai/kibou/china.html

   


〜北京オリンピックを一年後に控えた現在の中国の様子〜
(所長補佐 牛丸剛一(高山市派遣))

  北京オリンピック開催まで残すところ1年。オリンピックに向けて変わり行く中国の様子をご報告いたします。

<カウントダウンイベント>
  2007 年8月8日午後8時より北京市内天安門広場にて盛大なカウントダウンセレモニーが催されました。
  当日は、中国共産党と北京市の指導部、国際オリンピック委員会(IOC)の会長と役員、205 カ国(地域)のオリンピック委員会代表団および代表者、各国の中国駐在使節と国際ゲスト、オリンピックパートナーおよびスポンサー企業の代表、各界の来賓、市民代表約1万人らが招待され、天安門広場は多くの人々で賑わっていました。午後1時頃に天安門広場の近くを通ったときには、もう既に場所取りが始まっていました。また天安門広場の周りは車両通行止め、地下鉄の天安門東駅(最寄り駅)には電車が止まらないなど、本番さながらの警備・交通規制が行われていました。

 
      天安門西駅の天安門広場側        天安門広場会場付近

<環境・交通>
  北京市は、オリンピックに向けての環境改善の一環として、「通行車両の減少が大気にどの程度影響するか」データ収集を行うため、8月17日〜20日の4日間、6時〜24時まで、偶数・奇数の車輌ナンバーによる交通規制を行いました。(パトカー、消防車、救急車、救難車などの特殊用途自動車、公共のトロリーバスと路線バス、タクシー、郵便配送車等は規制の対象にはならない。)
  新聞などでは、前日16日の汚染指数は「三級(軽度の汚染状態)」であったが、17日12時〜18日12時までは、評価は上から2番目の「二級(良)」になったと報じられました。

  車両規制を行ったことが、大気に影響したかどうかはわかりませんが、20日と21日の午後3時に職場前の建国門南大街の交通量は明らかに違いました。

 
  <交通規制時(8月20日(月)午後3時)> <普段の様子(8月21日(火)午後3時)>

  <建設>現在、オリンピック施設の建設が急ピッチで進んでいます。また、市内では地下鉄やモノレールの路線延長といった交通網拡充が行われています。

 
       国家体育場<鳥の巣>      国家遊泳中心<水立方>

<チケット>
  チケットの入手の機会は3回あります。第一次は2007年4月〜6月30日に行われたインターネットによる申込み抽選方式による販売。第二次は2007年10月〜12月まで行われるインターネットと電話による先着順の販売。第三次は2008 年4月〜オリンピック終了まで行われるインターネットと中国銀行、電話による販売と試合開催1週間前から会場での直接購入という方法があります。日本でのチケットの販売は少ないため、旅行会社のツアーに参加する方法が一般的だと思われます。

  北京オリンピックまであと一年ですが、北京に住んでいて、テレビのCMや街中で見かけるオリンピックのロゴマークやスローガン「One World One Dream/ひとつの世界、ひとつの夢」よりも、作業員が建設現場で朝早くから夜遅くまで働いている姿に象徴されるように、経済発展や人々の活気を身近に感じるときのほうが、この街がオリンピックに向けて一歩一歩進んでいることを実感させてくれます。



「青島市」〜オリンピックを控えて盛り上がる〜
(所長補佐 菊池礼仁(青森県派遣))

  中国沿岸部の経済都市で、経済技術開発区を中心に多くの外資系企業が進出し、日系企業も多数進出している青島市。ドイツ統治時代以来の特産品「青島ビール」は、日本でも良く知られていますが、2008年オリンピックのセーリング競技会場であることもあって、今後益々注目されそうです。
  多くの日系企業が進出しており、日本の物産販売・観光誘致の売り込み先としても有望であるにも関わらず、日本自治体がこれまでそれ程活発に活動しておらず自治体駐在事務所もない状況にあります。この青島市の概要をご紹介します。

1.位置・人口・気候
  山東半島の南端、北緯36.4度(日本の金沢市、宇都宮市あたり)、東経120.2度(日本と時差1時間)に位置します。中国国内では、北京市と上海市の中間(それぞれ約600q)、遼東半島島最南端の大連市のちょうど向い側にあたります。
  総人口約749.38万人(2006年末)、中心部人口約271万人(同)で、市区部(7区)と衛星都市5市からなります。
年間平均気温12.8℃(2005年)の比較的温暖な気候と、美しい海岸風景やヨーロッパ調の美しい街並みなどで中国では有名な観光地の一つです。

2.経済状況
  中国でトップクラスに位置する山東省(省別GDPで広東省に次ぐ2位)における経済のけん引役で、山東半島製造業基地建設の「龍頭都市」と言われています。
  GDPは、10年連続の2桁成長中で、中国主要都市別では、国内10位に位置します。一方、最低賃金は沿海地域では最低レベルにあり、これが製造業集積理由の一つとなっています。この製造業の強さが大きな特徴で、食品加工、繊維、家電等の分野が特に強く、大手家電メーカー(ハイアール、ハイセンス)の本拠地でもあります。
  京津冀地域(北京、天津、河北省)と長江デルタの間に位置することもあって、その狭間で埋没せず独自の優位性を如何に保持しつづけるか、産業構造の高度化が必須の状況下3次産業をどれだけ育成できるか、がポイントと言えそうです。

3. 交通・インフラ
  航空便は、国内路線が47都市(北京13便、上海15便ほか)に就航しています。国際路線は、日本の東京・大阪・名古屋・福岡のほか、韓国各地、ハバロフスク、シドニー(計画中)等へ路線があります。港湾をみても、貨物取扱量国内5位、国際コンテナ3位(上海、深に次ぐ)を誇ります。
  また、市街地と開発区の間にある海を、跨ぐ橋と海底自動車道路が建設されるなどインフラ整備が着実に進められています。また、地下鉄建設の計画もあるとのことです。
  経済発展に伴うオフィスビルやマンションのほか、2008オリンピック来客を見込んだホテルの建設も進んでおり、街中の至る所で高層ビルの建設工事をみかけます。
  また、上下水道、電気等の生活インフラは安定的に供給されています。なんと、上水道は、引用可能な水準を目指すとの情報もある程です。

4. 大きい韓国の存在感
  韓国人の在留数10万人と言われるほど、韓国社会の存在が大きく、韓国以外では世界で最も韓国人の多い都市とも言われています。ちょうど、在留日本人が8万人超といわれる「日本にとっての上海市」といったところでしょうか。
  韓国駐青島領事館があり、これが青島市に所在する唯一の在外公館となっています。また、街では、ハングル文字の看板や韓国料理店などを良くみかけます。

5. 日本との関わり 
  在留日本人は約3,500人。日本人学校が2004年4月に開校され、またジェトロ青島事務所も2004年9月に開設されたところです。日本領事館の開設運動も強力に展開されているようです。
  日本の自治体駐在事務所はありませんが、下関市、鳴門市、福岡市、神戸市が友好交流の取組みをされています。また、日本の企業・団体向けの投資商談会やジャパンウィークなどが毎年開催されています。

6. 観光・オリンピック
  中国では有名な観光地で、「青島ビール」だけではなく、ドイツ占領の名残を残すヨーロッパ風の街並み(統一された屋根の色)、美しい海岸、神々が住むとも言われる山の風景など、多くに観光資源に恵まれた街です。 
中でも、美しい海岸は大きな観光資源で、最盛況時には一つの海岸での海水浴客が30万人に上ることもあるそうです。
  2008オリンピックのセーリング会場となっており、街はオリンピックムード一色です。北京と同じように、開幕へのカウントダウンパネルが市内各所に設置されているほか、駅の改修、ホテル建設(再掲)、海岸のライトアップなども施されています。ボランティア育成はもちろんのこと、オリンピックに合わせたタクシーの更新まで計画されています。
  会場は、現在建設中ですが、既に06年夏にプレ大会を実施(07年夏も計画)するなど運営面での準備が周到に行われています。
 
  この青島は、中国都市生活環境ランキングで2位に選ばれ、この中で市民の満足度アンケートでは満足度トップとなる等市民満足度が高い街といわれています。実際に訪問して、地元の旅行社、現地ガイド、飲食店従業員などと話しても、青島での生活に満足している様子が随所に感じられました。   訪問してみて私も、「この街なら住んでみたいなあ」と感じました。このような、住みやすさ・環境の良さは、街の大きな強みと言えそうです。2008年オリンピックで国際的知名度が更に高まることもあって、今後も注目が続きます。



「2007青島ジャパンフェスタ」を視察して
(所長補佐 和光達夫(山梨県派遣))

  昨年7月、北海道において初めて日本、中国、韓国の観光担当大臣による会合が開催され、第2回の会合が今年の6月26日に青島で開催されることを受けて、青島ジャパンフェスタが6月24日〜26日に同時開催されました。
  また、日中韓3カ国の観光交流拡大の趣旨により、「2007中国青島・アジア太平洋国際旅遊博覧会」として、ジャパンパビリオンに隣接して韓国パビリオンも出展され、別フロアでは中国国内旅行の観光PRも行われました。
今回は、この青島ジャパンフェスタの開催状況等について紹介いたします。
 
■ジャパンパビリオンの状況
  今回の青島ジャパンフェスタには、日本の自治体、旅行業者、航空会社など計31団体58ブースが出展しました。
  開催地の友好都市である山口県や下関市をはじめとした単独自治体による出展と並び、自治体の広域的な連合組織による出展が多く見られました。
  私の派遣元である山梨県は、関東1都9県の国際観光圏関東推進協議会として県職員2名が参加するとともに、山梨県独自に民間業者と連携し観光キャラバン隊を編成して、観光PR活動を行いました。
  各ブースとも趣向を凝らした様々なイベントを催しており、特に仙台市の「仙台すずめ踊り」は、軽快な囃子でパビリオン全体を祭りの賑やかさで包み込み、ジャパンフェスタを盛り上げることに大きく貢献しているように感じられました。

■一般来場者の状況
  開幕日24日は一般開放日であり、日曜日でもあったことから、開幕と同時に非常に大勢の方が各ブースを訪れ、それぞれの地域について興味深く質問をしていました。この様子から、中国において知名度の高い北海道や京都などの地域だけではなく、いろいろな地域に対しても興味を持っていることが感じられました。
  また、茶道を紹介するコーナーでは、多くの来場者がその立ち居振る舞いに目を凝らすなど、日本文化に対しても興味があると思われました。
  ダーツ大会などの来場者参加型のイベントは特に人気があり、整列開始時刻と同時に参加希望者が殺到し、一瞬のうちに定員となりました。

■中国旅行社との商談会
  2日目の25日には、中国の旅行社を対象とした商談会が開催され、各出展者は旅行社の担当者に対して、観光資源の魅力を熱心に説明しました。
  商談会を通して、中国の旅行社は、いわゆる東京〜名古屋〜大阪というゴールデンルートとは違った新たな魅力のある観光ルートを求めていることを再認識しました。
  近年、複数の自治体が連携し、各地の観光をPRする多都市間ネットワークの構築が効果的であるとの認識から、広域的な連合組織による出展が増えていますが、実際、今回の宣伝活動に触れてみて、単独自治体で行うよりもはるかに効果的であると感じられました。
  また、山梨県の観光キャラバン隊も、官民連携した中で効果的な観光宣伝ができていたと思われます。

■おわりに
  最終日の26日には、青島市内において日中韓の観光大臣会合が行われ、「日中韓の観光交流・協力の促進に関する青島宣言」が発表されました。同宣言により、日中韓の観光交流・協力を強化することが重要であるとの共通認識が確認されました。
  今後、この宣言を弾みに3国間の人々が互いの理解を深め、相互の友好関係が促進されることを願っております。
  また、昨年の中国からの訪日旅行者は81万人と前年比24%と大幅に増加しましたが、今年は、青島ジャパンフェスタなどのイベントを弾みに目標である100万人を突破できることを期待しています。

 
            <東北地域>           <関東地域>           <九州地域>
 
         <商談会の様子>    


トピック:中国のシリコンバレー・中関村サイエンスパークの概要と取り組み
〜中国自前の経済成長を目指して〜
(所長補佐 伊藤篤宣(新潟市派遣))

■はじめに
  中国経済は、これまで積極的に外資を導入することにより、順調に成長を続けてきました。その一方、今後も引き続き高い経済成長を維持していくためには、新しい技術の産業化を進めることが不可欠との認識の下、現在、ハイテク産業の育成を推進するとともに、国内企業の新技術開発、国際競争力を向上させるための取り組みが行われています。その拠点として注目を浴びているのは、全国53ヶ所に建設されている「国家級ハイテク産業開発区」であり、中でもハイテク開発区第1号の「中関村サイエンスパーク(中国語名は「中関村科技園区」)は中国内外でも有名な区域となっています。以下、中関村サイエンスパークの概要とそこでの取り組みについて紹介します。

■中関村サイエンスパークの概要
  「中関村」とは、北京市北西部・海淀区内に位置する地域・地名で、以前から北京大学や清華大学、中国科学院といった中国を代表する高等教育・研究機関が集まっていることで有名な場所でした。
  改革開放後の80年代、この場所で大学発ベンチャーブームが巻き起こり、以後、研究開発は北京市郊外にも拡大しました。現在、北京市内に点在する全10のパークが「中関村サイエンスパーク」に指定されています。
  「中関村」という言葉は、今や一地名としてのみならず「中関村サイエンスパーク」、ひいては北京市全体のハイテク・先進産業を指す代名詞としても使われています。

  中関村サイエンスパークの総面積は232・で、パーク内には18,000以上の企業が進出していますが、国内企業がその90%以上を占め、外資系企業数は1,600(うち日系企業は130)に留まります。また、ハイテク企業以外の入園は認められていないのが大きな特徴で、これらの点は、外資企業・製造業を中心とする経済技術開発区との大きな違いともいえます。
  また中関村サイエンスパークには、39の大学・213の研究所が集積しており、学生や研究者など優秀な人材が多数在籍しています。大学生の中には将来パーク内の企業に就職する者も多いとのことで、国内の優秀な人材の受け皿としても大きく貢献しています。
  このほか、首都という性格上、中国政府の方針や海外の情報を入手しやすいこと、さらに大消費地としての性格を持ち合わせていることが、北京に位置する中関村サイエンスパークならではの特徴といえます。

■中関村サイエンスパークにおける取り組み
  中関村サイエンスパークでは、産学官の緊密な連携により「起業・中小企業への支援・育成」「既存企業への新技術開発支援」が積極的に行われています。特に前者については「利益を次の開発へ投資する」という考え方の下、税制面での優遇措置を導入しているほか、比較的安価で事務所を貸与したり、活動資金を貸与したりしています。また、新技術開発やビジネススキルの向上を目的とした支援も充実しています。
  ここでは、「創業を奨励し、失敗を容認する」「国内企業・外資企業は平等、競争に弱い企業が淘汰されるのは自然の法則である」という考え方が重視されています。この2つの言葉から、中関村サイエンスパークにおける企業の育成方針が見て取れるのではないかと思います。新規企業や中小企業を足腰の強い企業に育成するためには「手厚く支援しながらも厳しい競争にさらす」、この双方が必要なのだと実感します。
  現在、「第11次五ヵ年規画(十一五)(※)」期間中に、年間売上高で1万億元(2006年6千億元)を目指すとともに、「有名起業家育成」「ハイテク技術や製品の自主開発」「世界で通用するハイテクブランドの構築」「国際競争力を持つ企業の育成」の面でナンバーワンを目指すというビジョンを掲げています。

■おわりに
  中関村サイエンスパークは、大学などの高等教育機関と連携を有し、企業に対して技術やビジネススキルの向上支援を行うことで、中国国内におけるハイテク産業の育成と成長を促進している地域です。
  「外資による経済成長」から「自前の経済成長」への転換を目指す中国経済において、中関村サイエンスパークで生まれ育った先端産業をふ化・育成し、その技術を国内へ還元していくことが、中国企業の国際競争力の向上、さらには、「自前の経済発展」へとつながっていくものと考えます。そういう意味においても、中関村サイエンスパークの存在・役割は、今後ますます重要なものとなっていくことでしょう。

「中関村サイエンスパーク」URL(中国語・英語)
・トップページ:http://www.zgc.gov.cn/
・概要:http://www.zgc.gov.cn/yqjj1/
北京市“十一五”時期中関村科技園区発展規画:http://www.zgc.gov.cn/zcfg/28243.htm
   
(※)「第11次五ヵ年規画(十一五)」の概要については、「中国を知るためのキーワードhttp://www.clair.org.cn/act_cont_1_2007.htm」を参照のこと。

 


日中のお祭りin北京(所長補佐 菊池礼仁(青森県派遣))
 

  2007年は、日中両国の国交正常化35周年記念の「2007『日中文化・スポーツ交流年』」として、日中両国国民の相互理解を深めることを目的とした様々な記念事業が行われています。この取組みの目玉事業として、日中のお祭りを中国北京にて行おうという一大イベント「日中のお祭りin北京」がこの秋に計画されています。
  日本の「ありのままの姿」を中国国民に伝え、日本の「伝統」と「現在」という切り口から中国の若者を中心とした幅広い層にアピールするとともに、実際にお祭りに参加してもらい、更には中国のお祭りと共演することによって、相互の文化交流を促進することを目的としたものです。日中双方の祭りがステージやパレード形式にて実演されるほか、対中輸出が解禁されたばかりのコメなどの日本産品や地域の観光をPRするブースの設置なども検討されているようです。
  2007「日中文化・スポーツ交流年」実行委員会さんによれば、「文化的特色があって、華やかで集客力の高い祭りにどんどん参加していただき一緒に盛り上げていただきたい。日本の自治体さんにとっても、多くの中国の方に地域の文化・観光資源をPRしていただける絶好の機会となるはず。」とのことです。開催場所も、なんと北京の最も有名な繁華街「王府井」での実施に向け調整が進められているそうで、中国の若者や観光客で賑わう歩行者天国にて日本の祭りが行われるとなれば、PR効果はさぞ大きいことと思います。
  この取組みは、文化交流の面での意義はもちろんのこと、観光や物産面でのPR効果も期待できます。しかも、中国のマスメディアにたくさん露出することが予想されますので、中国全土にPRする機会となります。現在は、東京、大阪、京都などの一部地域を除くと、日本の地域の知名度は残念ながらそれ程高くないのが実態ですので、これに参加して、地域の文化や観光の魅力を発信することは、地域の中国での知名度の向上に大きな効果を持つことが期待されます。
  青森県職員の私は、「青森ネブタ祭りを実演して、ブースでリンゴ、津軽塗り…などの県産品をPRすれば、たくさんの中国の人が、青森に行ってみたい・青森のものを食べたい・使いたい、と思ってくれること間違いなしだなあ。」などと空想してしまいます。

参考:2007「日中文化・スポーツ交流年」実行委員会HP http://www.jccs2007.org/jccs/index.html

 


日本産果実の中国での販売状況について(所長補佐 菊池礼仁(青森県派遣))
 

 経済発展に伴う中国消費者の購買力のアップや日本産品の人気などを背景に、日本産果実の中国輸出への期待感が高まっています。

 中国では、世界各国からの果実輸入量が大幅に増加しており、今後益々の増加が見込まれます。一方、日本では、国内消費量が減少傾向で、しかも低価格の外国産果実輸入が増加していることもあって販売チャンネルを開拓する必要性が高まっています。

 現在の日本産果実の輸出先国別内訳を見ると、リンゴ・ナシともに、台湾と香港が大部分を占めることもあって、中国大陸部輸出への期待が高まっているというわけです。

1 市場の多様性とマーケティングの重要性
 多様で広大な国土を持つ中国では、地域毎に気候や民族が大きく異なります。しかも、経済発展度合いも、早くから開放された沿岸部と内陸部とでは驚くほど違います。よって、市場としてみた場合にも、非常に多様な市場であり、購買力の高い沿海部の中でさえ地域毎に市場の状況が大きく異なります。

 そこで、当然のことながら地域毎のマーケティングが重要となるわけですが、特に食品については、食の嗜好や習慣の地域毎の違いが消費動向に直結することもあって、輸出促進の活動に当たっては、地域毎の状況を把握しておくことが必要となります。

 更に、売り込み時期についても、中国ならではの特徴があります。春節(旧正月)前が最も消費の多い時期で、この時期には、高級贈答用品が良く売れます。また、中秋節(旧暦8/15)も消費が多い時期で、従来から月餅を贈答し合う習慣があるのですが、近頃ではこの月餅にワインや果物などを加えたセット品が贈答されることも多いので、日本産果実の売り込みには絶好の時期といえます。もちろんこれ以外にも消費が増える時期、一方逆に冷え込む時期もありますので、これらの事情を把握することも必要となります。

2 実際の販売例 
 現在は、外資系百貨店(やスーパーマーケット)が日本産果実の主な販売場所となっています。ここでは、ナシと比較して長い期間販売されているリンゴの販売状況について、上海や北京における販売状況をいくつかご紹介します。

<上海> 
・上海久光百貨(目抜き通りにある高級百貨店)
 春節前の2月上旬、中国産が約150〜300円/500g(約50〜100円/個)、日本産が約400〜1,800円/個で販売されていました。日本産リンゴは、輸入業者さんが設置している日本青森リンゴ販売コーナーにおいて、如何にも高級な様子で、専門の販売員がPRしています。中国産と比較すると、非常に高額なこともあって、試食するお客や興味を示すお客は非常に多いのですが、飛ぶように売れているというわけではない様です。このほか、外国産では、アメリカ産やチリ産の小ぶりなものが、約400〜600円/500g(中国産の2倍程度)で販売されています。果実販売場所の直ぐ近くで、ちょうどこの時期、日本産品の常設販売(農林水産省実施)がされていたこともあって、日本産品の存在感の高さに驚かされました。

 4月に再度訪問したところ、日持ちする品種が少ないせいなのか中国産果実は、種類・量ともに春節前と比較していくぶん少なかった一方、日本産品は春節前と同じように販売されていました。

・ 家楽福(カルフール)古北店(日本人が多数居住する地区にある大型スーパー)
春節前の2月上旬に、中国産が約70〜200円/500g(約20〜65円/個)、日本産が約300〜1,600円/個で販売されていたほか、アメリカ産、チリ産もありました。前述の上海久光百貨と比較すると、中国産・外国産ともに全体的に少し価格が低めで、外国産リンゴは量・種類ともに少なめでした。

 日本人はじめ外国人が多数来訪する店舗ではありますが、日用品買い物客が中心の店舗であることもあって、中国産と比較して相当高額な外国産果実が売れるようには正直感じられず、売り場が維持されていくのか心配していまいましたが、4月に再度訪問したときにも、春節前と同じ規模で日本産果実が販売されていました。

<北京>
・賽特購物中心(高級ブランドショップ中心の老舗百貨店)
 春節前の2月上旬、果実コーナーそのものが広くないこともあり、種類・量ともに多くはありませんが、中国産、日本産ともに販売されていました。価格は、上海久光百貨とほぼ同様といった様子です。4月も状況にはほぼ変わりありませんでした。

 日本人の数の多さ、経済発展の度合いから、日本産品の販売活動は、まず上海で行い、その後北京や他都市で、という傾向があるようですが、北京でも多数の店舗で既に日本産果実が販売されています。

 政治の街北京では、上海以上に贈答品需要を期待する向きもありますが、実際の販売の様子からは、上海との違いは感じられませんでした。

・華堂商場(イトーヨーカ堂)十里堡店(現地客中心の日系スーパー)
 これまで紹介してきた店舗に比較すると、販売商品の価格設定が低い店舗で、販売形態も「パック販売」よりも・量り売り・が中心です。日本産リンゴは、上述の店舗とほぼ同様の価格で販売されていましたので、どうしてもその価格の高さが目についてしまいます。

 一方、店舗前には、高級外車がたくさん駐車されていて、多くの富裕層がきていることがうかがえます。お客の数が物凄く多いこともあって、潜在的な顧客へのPRという面では、非常に大きな効果があると思います。

3 おわりに
 日本産果実は、上海、北京ともに上記のほかたくさんの店舗で販売されています。また、沿岸部を中心に多くの都市でも販売されています。

 ここで、販売状況等から感じることをいくつかご紹介します。まず価格についてですが、前述のとおり、中国産と比較して驚く程高額で販売されています。露天の一般市場にある更に安価な果実とも比較して、「価格を大幅に下げるべきだ。生産、輸送、保管、関税、PR等の様々なコストを効率化するべきだ。」とばかり指摘する向きもあるようですが、私は、むしろ価格に見合ったブランド価値があると評価してくれる消費者を増加させることの方がより重要だと思います。高価格でも価値に見合いさえすれば購入するという富裕層が今の中国には十分に存在するからです。

 次に、品質管理についてですが、輸送や保管に問題があったり、販売側の商品の理解が低い等の理由で高品質とはいえないものが販売されている事例があります。また、産地や品種の表示が誤っているものも少なくありません。

 更に、輸出入手続き等についてですが、制度、商習慣、文化等の違いによるトラブルが少なくなく、特に輸入検疫手続が計画どおりに進まないことも多いようです。また、現段階では取扱い規模が小さいこともあって、輸出入業者の参画数がそれ程多くないことも課題の一つとなっています。

 このように、課題も多い対中輸出ですが、その反面大きな可能性をも秘めています。私は、出張などで地方都市を訪問する度に、日本産果実を探しています。もちろん、見つけられないこともあるのですが、果実が販売されていなくとも日本産品は必ず販売されています。日系店舗の大陸進出が加速していることもあって、日本産果実を見つけることが出来る都市が、今後益々増えていきそうです。

 


中国中部の都市・安徽省 〜中部崛起(くっき)で更なる躍進へ〜
(所長補佐 川端素子(埼玉県派遣))

 5月、中国日本商会(商工会議所)が主催する「第1回中国日本商会調査委員会ミッション」に参加しました。調査先は中国中部地域・安徽省。この地域は、中国他地域に比べ経済的に立ち遅れた地域でしたが、近年は10%を超える経済成長率を記録しており、大きな注目を集めています。

 以下、安徽省の概要と同省の経済発展を支える2つの柱についてご紹介します。

■安徽省の概要

 安徽省は、長江の中・下流域に位置する内陸省で、東は江蘇省と浙江省、西は河南省と湖北省、南は広西チワン族自治区、北は山東省と接しています。

 人口約6,516万人(2006年末)、面積約13.96万・(北海道の約1.7倍)を有し、古くは、春秋戦国時代の楚の都が置かれた地域でもあります。また、老子や荘子、明を建国した朱元章、そして現国家主席の胡錦濤氏の故郷としても知られています。

 さらに、自然が豊かな地域でもあり、特に世界遺産・黄山は、「五岳見てから山を見ず、黄山見てから五岳見ず」と言われる程の美しさをもっています。

 日本の地方自治体の関係では、高知県と友好関係にあります。

■安徽省の経済発展を支える2つの柱

(1)外資企業の貢献
 安徽省の省都・合肥市には、合肥経済技術開発区があります。同開発区には、「コカコーラ」など世界的に有名な企業が進出しているほか、日系企業では「日立建機梶i油圧ショベル製造)」をはじめ、計11社が進出しています。

 同開発区は、2000年に国務院により国家級開発区として認可されて以降、急速な経済成長を続けており、2001〜2006年の国内総生産(GDP)年平均成長率は31.28%、工業生産総額の年平均成長率は57.4%を記録しています。

 同開発区の特徴として、上海市、武漢市(湖北省)、南京市・蘇州市(江蘇省)といった大消費地に大変近いこと、長江に面し1万トン級の船舶が通行できる「蕪湖港」に近いこと、そして国家級・省級研究所200ヶ所余り、中国科学技術大学や合肥工業大学など大学59校、科学技術人員20万人を備えていること、さらには人件費が比較的安価であることが挙げられます。 

 安徽省では、今後も地理的な便利、交通の便利、優秀な人材という強みを武器に、積極的に外資企業を誘致し、同地域の経済発展の一助としていくこととしています。

(2)自主ブランドメーカーの躍進
 安徽省の経済発展には、外資企業だけではなく、国内企業も大きく貢献しています。特に有名なのは、安徽省第2の都市・蕪湖市に本社を置く「奇瑞汽車・(自動車製造)」です。

 同社は、1997年にエンジン工場として設立され、99年に乗用車生産を開始した中国の自主ブランドメーカーです。近年、急成長を続けており、2006年の自動車販売台数は30万台超、中国第4の自動車メーカーに躍進しました。今年3月の乗用車販売は4万4,568台に達し、中国自主ブランドメーカーとして初めて単月販売で第1位を獲得しました。

 自主ブランドの創造により業績を伸ばしている点で、同社の安徽省に対する貢献は、単なる一過性のものではないものと期待されます。

 現在、中国政府は、沿岸部開発、西部大開発、東北振興に続く、最後の地域振興政策「中部崛起(中部地域振興)(※)」を推進しています。対象地域の1つとなっている安徽省は、今後も更なる発展を遂げることが予想され、これまで以上に注目される地域となるものと思われます。

 (※)「中部崛起(中部地域振興)」の概要については、「中国を知るためのキーワード
  (http://www.clair.org.cn/act_cont_1.htm#31)」を参照のこと。

 


2007年度自治体職員協力交流事業 研修員、日本に向け出発
(所長補佐 和光達夫(山梨県派遣))

  自治体職員協力交流事業は、海外の地方自治体等の職員を「協力交流研修員」として日本の地方自治体が受け入れ、地方自治体の持つノウハウ、技術の習得を図るとともに、地方自治体の国際化施策等への協力を通じて地域の国際化を推進することを目的に、総務省、クレアの協力の下、日本の地方自治体の事業として実施され、1996年度の開始以来これまで32カ国から合計791名の研修員が参加しています。

  5月20日早朝、中国から2007年度の研修員23名が日本に向けて旅立ちました。この前日の5月19日、北京市内のホテルにおいて、クレア北京事務所主催による歓送会を開催し、研修員のほか、外交部、共青団、過去にこの事業に参加した元研修員など、計43名が参加しました。研修員は、来賓の方々から激励を受けたり、過去の参加者の経験談を聞いたり、日本の地方自治体の状況をクレア北京事務所職員から聞いたりして、研修前の最後の夜を楽しく過ごしました。

  研修員は日本に渡った後、地方自治体等において、半年から10カ月にわたり研修を受けることとなります。はじめの1カ月間は、日本語学習や地方自治制度、日本文化等についての全体研修を行います。その後、各人それぞれ事前に決められた日本各地の地方自治体に配属され、専門研修を受けることとなります。専門研修の分野は、一般行政、環境、経済、教育、農業など多岐にわたっています。

  過去の参加者は、研修で得た貴重な経験を自国で活かすとともに、日中友好の架け橋として活躍しています。また、この事業を契機として、日本の地方自治体と中国地方政府との友好交流関係の促進にも役立っております。

  クレア北京事務所では、今後益々この事業が日中双方にとって有意義なものとなるよう取組みを進めてまいります。

歓送会(北京市)
研修員と当事務所職員との歓談

 


日本産果実の対中輸出の意義と可能性について
(所長補佐 菊池礼仁(青森県派遣))

1 はじめに
  経済発展に伴う消費者購買力のアップ、日本食の人気、食の安全・安心に対する意識の向上などを背景に、日本の地域特産品の中国(※1)への輸出が増加しています。2007年5月現在日本から中国に輸出できる果実はリンゴとナシだけですが、表1のとおり輸出量が増加していることや台湾への輸出量が既に2万トン近くに上ることもあって、今後の増加への期待感が高まっています。

2 中国では果実輸入が大幅増加中
  中国は、世界最大の果実生産国です(表2)。日本から輸出できる品目をみてみると、リンゴ・ナシともに生産量世界1位で、リンゴは世界生産量の3分の1超、ナシは同2分の1超を生産している状況にあります(表3、4)。

  WTO加盟に伴う経済自由化に加え、鮮度保持・貯蔵技術の向上や流通ルートの整備もあり、中国における果実の輸出入の規模は近年大幅に増加しています。

    輸入についても、生食に加えて、ジュース・缶詰・菓子などの加工消費が増加していること、パイナップル・マンゴーなど消費品目が多様化していること、食の安全・安心に対する意識やブランド志向が高まっていることなどを背景に、急激に増加しています。2005年の輸入額を2001年と比較してみると約1.9倍となっています(表5)。

  高い経済成長に伴う富裕層の増加、マーケット規模の大きさなどから、益々の増加が見込まれており、世界各国がこの市場を狙って激しい競争を繰り広げています。

 

3 日本では国外輸出への期待が高揚
  日本では果実の国内消費量が減少傾向にあり(表6)、しかも若年者の消費が中高年者に比べて少ないこともあって、将来的に需要が減少していく恐れがあります。

 

  また、低価格の外国産果実輸入量が年々増加していることもあって、国内生産量が後継者不足などにより減少している中であっても、消費チャンネルを開拓することの意義は大きいと考えられます。しかも高付加価値商品を販売できるとなれば尚更です。

  更に、国別輸出先内訳を見ると、リンゴ・ナシともに、台湾と香港がその大部分を占めています(表7)。これらの状況から、中国大陸部の輸出への期待が高まることは、当然のことと言えるのかもしれません。

4 今後の可能性と課題
  中国での果実の小売りは、以前は自由市場などの露天販売が主な形態でしたが、近年は一般商店やスーパーマーケットでの販売も大きなウエイトを占めるようになっています。これらスーパーマーケットでは、販売方法も従来の「量り売り」から「パック販売」中心へと変わり、国内外の多種多様な商品が置かれています。外資系店では、高級果実の販売コーナーが設けられ、日本産を含む輸入果実が販売されている場合が多いです。

  現状においては、この外資系店が外国産果実の主な販売場所となっており、市場の中で決して大きなシェアを占めるわけではありませんが、マーケット規模がどんどん拡大していることもあって、ブランドとして認知されさえすれば大きく増加する可能性があると言えます。

  また、実際に上海や北京にある卸売市場に行ってみると、中国向けに輸出されたものはもちろんこと、他の地域、例えば香港向けの輸出果実が(転送されて)取扱われている場面に出くわすことがあります。正式の統計データ以上に需要があると考えてよいのかもしれません。

  一方で、対中輸出には、輸出入手続の不透明さ、輸送管理の難しさ、輸入可能品目の少なさなどの課題があります。また、最も大きな課題として、中国産果実との価格差やそれに対応するためのブランド化が必要となります。

  これらの課題は、一朝一夕に対応できるようなものではありませんが、官民一体で着実に取組みを進めることが将来の大きな成果に結びつくものと期待されます。

  中国での実際の販売状況、中国消費者の嗜好、今後の展望などについては、今後別途記載します。

※1 本稿にて「中国」とは、「香港」「マカオ」「台湾」を含まない中国大陸部をさす。

 


初づくしの上海万博〜その概要と地方自治体関与の可能性〜
(所長補佐 菅原大介(仙台市派遣))

■史上最大規模の万博
  2002年12月、モナコのモンテカルロで開催された国際博覧会事務局(BIE)第132回総会において、上海万博(正式名称は2010年上海国際博覧会)の開催が決定しました。万博が発展途上国で開催されるのは、これが初めてです。

  会期は2010年5月から10月までの半年間で、上海市南部・黄浦江を挟む浦東・浦西地区で開催されます。開催予定地では、既に住民の引越しが終了しています。

  上海万博は、大阪万博(1970年)を超える万博史上最大規模のものを目指しており、総入場者数は約7,000万人(愛知万博の3倍以上、万博史上最多)、会場総面積は約530ha(同約3倍)、総事業費は286億元(約4,290億円、同約2.4倍)を見込んでいます。

■都市をテーマとする初の万博
  上海万博のメインテーマは「より良い都市、より良い生活(Better City, Better Life)」です。上海万博は、「都市」をテーマとする初の万博でもあります。

  都市人口が、2010年までに全世界人口の約55%に達すると予測され、都市化に伴いさまざまな問題が発生している中で、上海万博は、適度な経済発展、コミュニティの再構築、都市と地方の連携など、調和のとれた都市像について全世界にアピールするとともに、都市生活をめぐる諸問題の解決策を示すことを目標としています。 

  主な施設として、「都市発展における中華の知恵」をテーマとした『中国館』、「地球・都市・人」「未来都市の探索」「都市文明の足跡」「世界展覧博物館」から構成される『テーマ館』の建設が予定されています。

  また、万博初の試みとして、『ベストシティ実践区』が設置されます。ここでは、「持続的発展とエコロジカルな都市」をテーマに、都市問題の解決に取り組む都市の模範的事例が紹介される予定です。

■大規模な再開発・マナー向上
  現在、上海市では、万博に向けた大規模な再開発が行われています。

  特に、交通網の整備が重要な課題となっています。浦東国際空港(市東部)・虹橋国際空港(市西部)における滑走路建設、リニアモーターカーの延長のほか、会期中は、会場への自家用車乗り入れを抑制し、公共交通機関利用の促進を図ることとしていることから、万博専用バス路線の建設や地下鉄路線の拡大(5路線から11路線)など、交通網の整備が急ピッチで進められています。

  一方、五輪を控えた北京同様、上海市内でも市民マナーの向上にも余念がありません。市は、「做可愛的上海人(愛される上海人になろう)」というスローガンの下、専門部署を設けボランティアを募り、バス停や地下鉄構内で整列乗車を呼びかけるなど、市民マナーの向上に向けた取り組みを実施しています。ただ、これまでの習慣を急に変えることは難しく、ゆっくりと変化を見守る必要があるようです。

■地方自治体関与の可能性
  上海万博は、スポンサーやライセンス商品の製造販売など、日系企業にとって大きなビジネスチャンスといえます。既に多くの代表団が上海万博準備機関(世博局)を訪れているほか、今年3月に上海市で開催された日本貿易振興機構(JETRO)主催の説明会には、日本人駐在員など約200人が参加するなど、関心の高さがうかがえます。

  一方、地方自治体関係でいえば、上海市との友好都市・大阪が、大阪府・大阪市・関西経済連合会などと委員会を組織し、世博局にミッション団を派遣しています。上海万博を、大阪の魅力をPRする絶好の機会として活用したいと考えているようです。

  また、東京都が同様にミッション団を派遣したほか、横浜市や愛知県、九州など万博に関心のある地方自治体においては、参加に向けた検討が開始されています。

  では、地方自治体が万博に参加するためには、具体的にどのような方法があるのか、ご紹介します。

@日本政府館(パビリオン)への参加
  従来、万博への出展に当たっては、政府が主導となり取り組みが進められていました。しかし今回は、初の試みとして、民間・国・地方自治体が出展内容や予算面で協力し、三者が一体となって取組んでいく方向で議論が進められています。

  現在、国際博覧会に関する有識者懇談会に設置されている部会において、基本コンセプトの策定や日本が実施する万博関連イベントについて、検討されています。地方自治体も日本政府館の一員として、万博に参加できる可能性があります。

  なお、部会における検討結果については、6月中に発表される予定です。

Aベストシティ実践区への参加
  前述のベストシティ実践区の出展主体は、都市(自治体)とされています。出展方法には、組織者推薦による出展と自薦による出展の2種類があります。前者は、組織者が選定基準に基づき情報収集し、その中から出展都市(自治体)を選定するというものですが、後者は、公募により選定されることから、地方自治体にとって、万博に参加するチャンスだと言えます。

  募集は、今年5月から開始されており、8月31日に締め切られます。その後、世博局、BIEや国連機関などが参加する国際選定委員会で選定されます。選定に当たっては、国際社会から広く認知されていること、イノベーションの度合い、事例としての価値が基準とされるほか、地域・民族等全体のバランスも考慮されます。最終的に、世界各地から30程度の自治体が選定される予定です。

  観光PRを目的としたものではありませんが、中国、そして世界における知名度向上の一助になるものと思われます。

  このほか、世博局主催の関連イベントも開催される予定です。現時点で詳細は不明ですが、こちらに参加するという方法も考えられます。

  さらに、上海では日本の地方自治体による観光・物産のアピールイベントや商談会等が毎年たくさん行われていますが、万博開催前後、万博期間中はこれらの取り組みがさらに活発化することが予想されます。万博イベントの内容や日程を把握することは、これらの取り組みを効果的に行うためにも有意義であると思います。

■更なる発展と調和のとれた都市づくりのきっかけに
  北京五輪と上海万博を控えた現在の中国は、東京五輪と大阪万博を契機に高度経済成長を遂げた日本と対比させることが多いと思います。中国政府が、五輪と万博を更なる発展のきっかけとして、そして世界のアピールの場として位置づけていることは間違いないでしょう。

  また、少子高齢化問題、都市部と農村部の格差、環境問題といった都市問題の解決に挑戦している中国・上海市において、都市のあり方について考える万博が開催されることは、大変意義のあることだと思います。

  中国・上海市が「より良い都市、より良い生活」にどこまで近づけるのか、大いに注目されます。

※上海万博の詳細に関しては現時点では不明な点が多く、今後徐々に決定されていくものと思われます。当事務所も
  その動きをフォローし、適宜情報提供していきます。

【関連URL】
○日本貿易振興機構ホームページ

・上海国際博覧会の概要や世博局からの情報等(日本語)

  http://www.jetro.go.jp/matching/j-messe/expo2010china.html

・「ベストシティ実践区」出展募集公告(日本語)

  http://www.jetro.go.jp/matching/j-messe/pdf/expo2010china/oshirase20070517.pdf

○上海世博局ホームページ(中国語・英語)

  http://www.expo2010china.com/expo/shexpo/index.html

 


テレビを活用したPR〜上海のテレビで中央道ツアーと福島県が紹介されました〜
(所長補佐 菅原大介(仙台市派遣))

  旅行博覧会への出展、中国旅行社への働きかけなど、中国人観光客の誘致に向けた取り組みにはさまざまな方法があります。「これは」という決め手はない中、テレビを活用したPRは効果的で、影響力がある方法の1つです。実際、中国の方に「どうしてその地名を知っているのですか」と尋ねると、ほとんどの場合「テレビ(ドラマ)で観たことがある」という答えが返ってきます。

 しかし、中国(特に中国本土)のテレビ番組で日本の情報が取り上げられることはほとんどなく、またテレビCMを流すにも放映料の高さがネックとなっています(表参照)。

(表)広告放映にかかる費用(中国中央電視台の例)
放送時間帯等
5秒
10秒
20秒
30秒
11:57(ニュース30分前)
420,000
630,000
1,080,000
1,425,000
21:38(ドラマ後)
690,000
1,035,000
1,755,000
2,325,000
21:55(ブランド時間)
570,000
855,000
1,455,000
1,920,000

(出所)「北京衆邦創業投資顧問事務所」委託調査の結果を基に作成。単位は円(1元=15円で計算)。

  こうした中、「東京印象(http://www.roxyshanghai.com/jp/index.htm)」という番組において、「中央道ツアー」「福島県」の観光地が紹介されました。

  この番組は、上海東方電視台(テレビ局)文芸チャンネルで週1回各30分間放送されているものです。もともとは東京の最新情報を紹介する番組でしたが、今年1月から日本全国の情報を紹介する番組に変わり、今回の企画が出てきました。

  両者のケースとも、国際観光振興機構(JNTO)上海事務所の紹介がきっかけとなり実現したものとのことです。中央道ツアーのケースでは、東京を起点として、中央道沿線の山梨県、愛知県、長野県を巡る旅という点が良かったこと、福島県のケースでは、番組制作会社に対するアピールに努力したことが、番組で取り上げられる決め手となったようです。撮影は、テレビスタッフを日本の現地へ取材招へいし、地元関係者の協力の下、行われました。

  中央道ツアーは、1月27日山梨県特集、2月3日長野県特集、2月10日愛知県特集として、福島県は、5月12日、19日、26日、6月2日の4回にわたり放映されました。放映料は無料、またテレビ局が版権をもつ訳ではないので、放映後は日本側も自由に観光PRなどに活用できるとのことです。

  東京印象の視聴可能人口は1億3,000万人、平均視聴率は2.3%と言われているので、単純計算すると約300万人に対して一度にPRできることになります。数字だけを見ても、その効果は非常に高く、中国人の間での知名度向上に大きく寄与することは間違いないでしょう。

  今回の取り組みを振り返り、長野県上海事務所の青木所長は、「長野県では、今回放映した番組内容をDVD化し、その後のPRツールとして活用しており、むしろ番組放映後の効果が大きいと考えています。『東京印象』は中国全土で視聴できるわけではありませんが、上海東方電視台というメジャー局が『長野県特集』を30分放映したという事実自体が大きなPR材料となっているわけです。通常の観光PR用のDVDを渡した場合と比べても、旅行会社などの寄せる関心は高く、展覧会などで放映しても、足を止めて観ていただく一般の方の数も明らかに増えたように思えます。」と、また福島県上海事務所の安達所長は、「日本人が好む人気観光スポットと中国人のそれとの相違点がわかったような気がします。また、このテレビ放映はゴールではなく、今後さらに具体的なツアーの催行に向けた取り組みが必要であることを実感しました。」と、話しています。

  テレビを利用したPRは、次の点でとても効果的なものだといえます。

1 日本紹介番組の視聴者のほとんどが、日系企業で働く人や日本語を学ぶ学生など、日本に関心のある人であり、
  将来訪日旅行者となる可能性が高い人に対して効率的・効果的にアピールできること。

2 実際の映像によりその土地のイメージを伝えられることはもとより、中国人の視点で番組制作が行われ、中国人の
  口から日本の魅力が伝えられることにより視聴者(中国人)の共感を呼びやすいこと。また、日常の話題に上ること
  も考えられることから口コミ効果も期待できること。

  特に、中国のマスメディア側から日本の地方自治体を取材してもらえれば、放映料など費用の問題もなくなり、地方自治体にとっては非常に好都合といえます。中国マスメディアとの連携強化も視野に入れ、中国人観光客誘致活動に取り組むことは大変有意義であると思います。


新潟市が北京に事務所を開設(所長補佐 伊藤篤宣(新潟市派遣))
 

 新潟市は4月18日、北京市に「財団法人新潟インダストリアルプロモーションセンター北京事務所」(新潟市北京事務所)を開設しました。自治体が北京に単独で事務所を構えることは全国で初めてのことです。新潟市は今年4月1日に本州日本海側で初めての政令指定都市になったことを機に、東アジアにおいて地域間交流の拡大を目指しています。同事務所は中国人観光客の誘致や中国からの投資の呼び込み、北京等中国首都圏への新規航空路の開設など様々な活動の拠点として大いに期待されています。

 事務所は北京駅から徒歩5分にある「恒基中心」(へンダーソンセンタービル)の7階にあり、新潟市から派遣された職員2名(日本人)と現地スタッフ2名(中国人)が勤務しています。

 事務所開設の当日は「開所式」と「祝賀会」が行われました。「開所式」は事務所で行われ、「国交正常化35周年や、政令指定都市移行の記念すべき年に北京事務所を開設できたことを嬉しく思う」との篠田新潟市長の挨拶の後に、中日友好協会井頓泉副会長から祝辞をいただきました。その後、日中関係者による事務所看板の除幕式が行われ、盛大な拍手が沸きおこる中、新潟市北京事務所の正式オープンとなりました。

【祝賀会の様子】