オリンピックが間近に迫った北京の事情――交通篇
(調査員 蒋 丹丹)
2001年7月13日に北京が2008年のオリンピック開催地として選ばれて以来、7年を経て、やっと、8月8日のオリンピックの開幕が間近に迫ってきました。
「8」は、中国人にとって、すごく縁起のいい数字ですが、2008年の今年は、どうやら災いが相次いでいるようです。年末年始の雪害、チベット暴動事件、山東省の列車衝突事件、そして思い出すのもつらい四川大地震……!どれも多くの犠牲を伴う大惨事でした。しかし、中国国民は、国内外からの援助を受けながら、一生懸命頑張って、災害を乗り越えてきました。
この8月のオリンピックの開催は、まさに皆の疲れた心を癒し、また奮い立たせることができると思います。
主催地である北京市は、オリンピックのために、長年に亘り、様々な準備をしてきました。道路の整備、「鳥の巣」、「水立方」などのオリンピック施設の建設、街の緑化など、タクシーの運転手さんでも昨日走っていた道が今日無くなったり、今までぜんぜん知らない道が突然どこか現れたりするため時々迷うほど、街の変化は著しいです。
開催が迫っているオリンピック期間中の交通状況を改善するため、7月20日(日)から9月20日(土)まで、オリンピック対策として、「単双号」という交通規制策を実行しています。これは、交通状況改善のため最も効果のある措置とも言えます。
「単双号」というのは、奇数の日にナンバープレートの末尾の数字が奇数番号の車輌、偶数の日に偶数番号の車輌が走るということです。例えば、20日は、ナンバープレートの末尾の数字が0、2、4、6、8の車だけが走ることができます。21日には、末尾の数字が1、3、5、7,9の車が走れます。もちろん、一部の車は、「単双号」の制限を受けません。例えば、パトカー、消防車、救急車、市内バス、長距離旅客輸送バス、タクシー、オリンピック委員会が出したオリンピック専用車両証を持っている車と北京市公安交通管理部門が出した「通行証」を持っている車、勤務中の都市管理、環境保護観察専用車などです。また大使館の車も制限の対象に入っていません。
「単双号」の実施によって、毎日の北京の交通量は半分程度減少することになります。規制を受ける大部分の人たちは、間違いなくバス、地下鉄、タクシーなどを利用しなければならないようになります。道路の渋滞問題は解決できますが、朝と夕方のバス、地下鉄でのラッシュ時の混雑が更に厳しい状況になります。それを解決するため、「単双号」と合わせて、「時差出勤・退勤」政策を実施しています。
「時差出勤・退勤」とは、北京各政府関係部門、都市の正常運営を確保しなければならない企業、社会団体、学校以外の各企業、団体などに対し、出勤.退勤時間を調整するという政策です。具体的には、以下の通りです。国有企業の出勤時間は9時、退勤時間は17時。大型スーパーの営業時間は10時からで、夜の閉店時間を延長します。学校以外の事業単位と社会団体の出勤時間は9時30分、退勤時間は17時30分になります。このような措置で、ラッシュ時間のピークをある程度緩め、各時間帯に分散することが可能となります。
また、20日から毎日バスの発車回数を1.1万回増加し、地下鉄の発車間隔も短縮するようになったそうです。
私の個人的な経験から見ると、「単双号」が実施された初日である7月20日に、バスに乗ってみたところ、休日も一つの原因かもしれませんが、確かに道路はいつもより車が少なく、バスの運行も順調に進んでいました。しかし、乗客数も明らかに普段より増加していました。「単双号」が実施されてから初めての出勤日である翌21日は、大変な苦労をしました。地下鉄の13号線から2号線の乗換駅――東直門駅で、人が押し合いへし合いするほど多く、一回目の列車には乗ることができず、二回目で、やっと乗ることができましたが、息が苦しいほど人が多くて、足も踏まれ、背中に汗がぽたぽた流れました。その時、頭に浮かんだのは、このような状態が続くなら、毎朝、大変じゃないかということです。しかし、その日の夕方の退勤時にまた地下鉄に乗ると、久しぶりに空席が見られるほどすいていました。事務所の退勤時間が5時なので、助かりました。
その後、毎日、地下鉄で通っていますが、21日の朝のようなラッシュはその日限りでした。夕方の退勤時も、5時通りに退勤すれば、ラッシュに巻き込まれることはありません。
「単双号」の実施で、車で通勤している人々にとっては、不便になりますが、3ヶ月の税金と道路使用料が免除されます。また、待ちかねたオリンピックのために、こうした形で少しでも貢献することができるのなら、皆、喜んで賛成するだろうと思います。
私も、北京に住む一人として、何かできればいいなと思いますが、オリンピック期間中はできるだけ、どこにも行かないようにすることが、それが一種の貢献になるかもしれません。
最後に、2008年北京オリンピックが、無事に、円満に開催されることを心から祈っています。

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